リスナーから送られた日常の素朴な疑問をその道のスペシャリストに伺うコーナー「これってキニナル」。
5/23の放送ではこんな「キニナル」が届きました。
「この前ガソリンスタンドでガソリンを入れていた時、ハイオクガソリンが目につきました。この“ハイオク”って何ですか?」
ガソリンスタンドで「レギュラーですか?ハイオクですか?」とよく聞かれますが、単なるガソリンの種類の名前で、「ハイオクの方が値段が高いから、性能が高いガソリンなのかな?」とふわっとした感じで思っている方も多いのではないでしょうか。
この疑問に対し、コスモ石油株式会社 安全技術統括ユニット研究部 品質統括グループ ウスイさんにお答えいただきました。
知っているようで知らない「ハイオク」と「レギュラー」の違い
ハイオクの言葉の意味は何?
まず「ハイオク」という言葉の意味ですが、英語で「ハイオクタンナンバー」のことでオクタン価が高いことを意味し、「ハイオクガソリン」とはオクタン価が高いガソリンのことを指しています。
「オクタン価」とはガソリンの燃焼性の指標であり、オクタン価が低いと異常燃焼によりエンジンの不自然な振動や異常音が発生するという、いわゆるノッキングが起こりやすくなります。
オクタン価が高いハイオクガソリンはノッキングを起こしにくく、エンジンがよりパワーを発揮しやすい条件で燃焼できるのです。
ハイオクとレギュラーの違いは?
ハイオク仕様車はハイパワーのエンジンを積んでおり、そのパワーを引き出す構造上、どうしてもノッキングを起こしにくいガソリンを必要とします。
ガソリンがハイオクなのかレギュラーなのかは、JIS(日本工業規格)で明確に定義されており、オクタン価が96以上がハイオクガソリン、89以上がレギュラーガソリンと決められています。
さらにハイオクガソリンには、清浄剤が添加されているのが特徴です。
レギュラー車にハイオクを入れると…?
ここで丹野が「レギュラー車にハイオクガソリンを入れても大丈夫ですか?」と尋ねます。
ウスイさんによると、「大丈夫です。ハイオクガソリンは洗浄性に優れているためエンジン内がクリーンになり、燃費は多少高くなります」とのことです。
さらに「逆にハイオク車にレギュラーガソリンを入れても大丈夫ですか?」と尋ねますが、これについては、「エンジンの損傷等はないですが、パワーを十分に発揮できません」とのことであり、「詳しくは自動車の取扱説明書をご確認ください」とのことです。
当然、仕様車どおりのガソリンを選ぶのが大前提なのですが、違う種類のガソリンを給油してしまったとしても、慌てる必要はないということですね。
セルフ給油でのトラブル
最近は自分で給油作業を行うセルフガソリンスタンドが増えてきましたが、もし給油中に誤って車にガソリンがかかってしまったら、どう対応すれば良いのでしょうか。
ウスイさんによると、「まずは拭き取ることが第一で、できれば洗車用の洗剤を使い、ワックスをかけることをお勧めします」とのことです。
やはり、水洗いだけではダメだということですね。
(岡本)
関連記事