丹野みどりのよりどりっ!

世界中が泣きたくなるぜ WannaCryウイルスが大暴れ

イギリスの病院が麻痺状態になったりと世界中で猛威を振るっている「サイバー攻撃」。
日本でも大手企業でシステム障害が起きたりと被害が報告され始めています。

報道されているのは主に法人ですが、私たちの生活にも影響はあるのでしょうか?
CBC論説室の横地昭仁解説委員がわかりやすく説明します。

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そもそも「サイバー攻撃」とは?


「いろんなカタカナ言葉に振り回される必要はありません。”コンピュータウイルス”でいいです」

冒頭に横地委員がこう言いきります。確かに、カタカナのIT用語だと意味がわからず不安になってしまいますよね。

「今回は、悪者がWindowsで動いているコンピュータを標的に、コンピュータウイルスを世界中にばら撒いたということです。
では、コンピュータウイルスとは何か?と言うと、悪意をもったプログラムです。これがインターネットに繋がってるコンピュータにウイルスが感染するみたいに次々にうつるのです」

カタカナに惑わされず、まず何が起きているかの本質を知る、ということが大切ですね。

どんなウイルスなの?


「今回のウイルスはかなり悪質です。『WannaCry』、日本語で『泣きたくなるぜ』って、みんなが名前をつけてるようですけど。感染しちゃうとね「Whoops!」、日本語で「おっと!」という意味の英語が最初出てくる。それから、コンピューターが暗号化されちゃいましたね、って英語で1行でてくる」

暗合化されたということは、その暗号を解かないとコンピューターが動かないという困ったことに。

「で、手が込んでるのは、日本の場合はちゃんと日本語の説明が出てくるんです」

ご丁寧にも各国語対応です。

「日本語で指定の時間内に、お金を払わないと復元できないぞ、と出る。まあ、これは脅しですわな」

まるでパソコンを人質に取った身代金要求じゃないですか。

身代金を払ったらパソコンは直るの?


「お金といっても『ビットコイン』というインターネット上の仮想通貨で払えと指定してきます。が、払ったところで直るかどうかわかりませんから、払ってはいけません。一般に、こういうお金を要求するのを『ランサムウェア』ってんです。ランサム(ransom)とは英語で身代金のこと。
繰り返しますけど、そんなね、カタカナ言葉に色々振り回される必要はない。物凄い悪質なウイルスがインターネット上に、飛び交っているので、とにかく対応しましょう。これが重要です」

とにかく対応。その前に、どんな風に感染するのでしょう。

手の込んだメールに騙されるな


「ホワイトハウスが発表している最新の数字によると、世界150カ国以上、30万台以上が感染しています。日本でも大手のメーカーだとか、自治体だとか感染例が報告されているんですが、怖いのは、今月からポツポツ現れたやつ」

とりあえずヘンなメールには注意してますが。

「普通はね、英語で『なんだこれ?』みたいなメールが来て、これは開けないよってなるじゃないですか」

見るからに怪しいメールは開かない、という方は多いと思いますが。

「ところが今はね、『請求書』だの『ご参考』だの日本語でご丁寧に書いてある。それから、添付ファイルを開かないようにしましょう、なんて言うじゃないですか。そうじゃなくて、今回のは添付ファイルがなくて、本文に『このホームページに行ってね』みたいなのがある。それをクリックしちゃうと途端に感染しちゃう。しかも感染しちゃうと他人に迷惑与えちゃうわけ。どうしてかというと、ネットワークに繋がってる近所のコンピュータに次々と、このウイルスをうつしていっちゃうわけ」

インフルエンザと同じと考えましょう。自分はもちろん、他人にうつさないように用心しないといけません。

感染しないためにはどうすればいいの?


コンピューターの対策法はふたつあるそうです。

「まず基本ソフトを更新すること。それからウイルス対策ソフトを導入すること。
基本ソフトを更新する事ってどういうことかっていうと、今回の標的はWindowsなんですが、Windowsって非常によくできたプログラムで、インターネットでいろんなことができる。
ところが悪者が、『こういうことをやると、あいつのコンピュータに、侵入できるぜ!』みたいな気がつかない穴がある。そこにつけこんでくるんだけど、メーカーもすぐ気がついて、その都度、修正のプログラムが出ます。
それを『更新』というんですが、毎月定期的にやっています。でも更新にはある程度時間がかかって、その間コンピュータが動きません。だからめんどくさいって更新をやめちゃう人がいる。そうすると餌食になっちゃうわけですよね」

面倒くさくても更新は怠るべからず、ですね。

「設定で『プログラムの更新をかける』ってしておけば自動的にやってくれますから。それを止めちゃいけないよ、っていうことです」

コンピューターは10年で買い替えを


「それとウイルス対策ソフトを入れたからいいじゃん!ではダメなんです。ウイルス対策ソフトも新しい手が込んだウイルスにどんどん対応しなきゃいけないからこれも更新しないといけません。それからOSは、古いWindows xpなどは保証対象外です。緊急対応は時々しますけど、まあ5年以上前…10年ぐらい経ったコンピュータは、素人で対処するのは難しいですから、買い替えた方がいいと思います」

Windowsだけじゃなくウイルス対策ソフトもしっかり更新しましょう。

不幸にしてヘンな画面が出てきたら?


「慌てないで、まずインターネットの接続を切りましょう。会社だったらシステム専門の部局に連絡する。で、個人のパソコンでわからなかったら、とにかくその処置だけして詳しい人に聞くとか、ウイルス対策ソフトの会社に電話するなどの対応をしましょう」

そうならない前に、まず対策ですね。

「いま普通の社会人として生活するには、インターネットって切っても切れない存在じゃないですか。だから基本の2つはしっかりやりましょうね!」と語る横地委員でした。

皆さんの対策は大丈夫ですか?
ウイルス対策ソフトはフリーソフトより、最新のウィルスに対応可能な有料のものを入れておきましょう。
(尾関)
丹野みどりのよりどりっ!
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2017年05月16日16時19分~抜粋

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