いよいよゴールデンウィーク。ご家族や友人と旅行を予定している方も多いのではないでしょうか。
楽しい旅行のためには、旅先での健康管理も大切です。
今回はCBC論説室の後藤克幸解説委員に、旅行先での注意すべきポイントを解説してもらいました。
ゴールデンウィークの海外旅行 健康管理に不安はない?
トラブルのないトラベルにするために
今年のGWはカレンダーの曜日の並びがいいんです。5月3日・憲法記念日、4日・みどりの日、5日・こどもの日に続いて、土曜・日曜が来るという、暦通りに休める人には、なんと豪華な5連休。
大手旅行会社JTBの試算によると、GW期間中に国内の旅行を予定している人は2,300万人。海外旅行は59万人が予定という予測になっています。
ただ、節約モードの消費マインドも根強いので、海外旅行では今年はアジアなど近距離の旅行が人気なんだそうです。
海外での健康管理は、国内とは勝手が違い、いろんなリスクがあって心配な面も多いですよね。
特にアジアに行きますと、衛生状態などに問題がある場所も多々ありますから。
そこで、ぜひ知ってもらいたいものがあります。
厚生労働省がGWを前に海外旅行で注意すべき情報をまとめた特設ページを開いているのです。
厚生労働省Webサイトのトップページ、画面右側にある「感染症情報」という部分をクリックして下さい。
海外で注意すべき感染症について、また体調を崩したらどうすればいいかという情報などが、ここに詳しく書かれてあるので、事前にチェックすると良いでしょう。
「お役所のサイトなんて、何だか学生時代の職員室みたいな感じで、入るのに気が引けるなあ」なんて思う人もいるかもしれません。
でも、せっかくためになる事を教えてくれるんですから、言い方は悪いですが役所も先生もどんどん利用しましょう。
世界で一番恐ろしい生物は?
では具体的に、感染症の注意点とは?
日本ではあまり意識しなくてもいいような病気が、海外ではまだまだ蔓延しています。HPを見ると、「食べ物からうつる感染症」とか「動物から~」とか、感染源別に一覧表がでてきます。
食べ物からのだと、コレラや腸チフスなど今の日本では症例が少ない病気が要注意。なので、食べ物は十分に火を通したものを選ぶということと、生水は飲まないことが注意点。昔からよく言われていることですね。
さて、ここで問題です。
「地球上で最も人類を多く殺害している生き物は何でしょう?」
「サメ?」「オオカミ?」いいえ、違います。
「人間?」確かに、人間の天敵は人間かもしれません。一説によると、毎年47万人以上の人間が、人間によって命を奪われているそうです。
しかし、それをはるかに上回る恐ろしい存在が。それは蚊です。
様々な伝染病を媒介して、年間75万人もの犠牲者を出しているというのです。
病名ではマラリア、デング熱などが有名ですが、特にマラリアは世界で毎年2億人の患者がいて、43万人が死亡しているという、大変凶悪な感染症。
注意点としては、蚊が活動するのは夜間が多いですから、夜はなるべく、木が生えているような蚊がいそうな所には行かないこと。そして長袖長ズボンを着用すること。虫よけスプレーも効果があるので持っていくこと。などなど、詳しく書かれています。
その他「動物からの感染」だと、中国で患者や死者が増えている鳥インフルエンザや、発症したらまず助からない狂犬病などがHPに挙げられています。
海外の医療事情を知るには?
そういう感染症に限らず、もし旅行中に体調が悪くなったらどうすればいいでしょう?
日本とは医療事情が違うので、知っておかないと最悪、いのちに関わります。
今度は外務省のサイトをチェックしてください。「海外渡航・滞在」の部分から、海外の医療事情のページへ。
自分が渡航する国をクリックすると、その国の情報がパッと出てくるのです。
例えばベトナムをクリックしてみましょう。外資系の病院が結構あって、日本語で対応してくれるスタッフがいるところも多いそうです。
現地在住の日本人の多くはそういった医療機関を利用しているとか。
もし病気になったら領事館などに問い合わせて、日本語の通じる病院に行くといいですよ。
帰るまでが遠足。帰ってからも旅行。
最後に。事前に調べて知識を得て行くのは大事ですが、無事に日本に帰って来れたとしても、まだまだ安心ではありません。
実は感染症には潜伏期間があり、帰国してから数日~2週間経ってから発熱などの症状が出てくることもままあるので、症状が出たら必ず医療機関に行ってください。
渡航した国、そこでどういう行動をしたのか、どういう食事をとったのか詳しく医師に話せば、的確な治療が受けられます。
そのためには、帰国後しばらくは自分の健康状態に気を抜かないようにしましょう。それから、あまり広範囲での活動は控えた方がいいですね。自分がアウトブレイクの原因になってしまわないように。
いつまでも楽しい思い出に残るような旅行にしてほしいと願う、丹野と後藤解説委員なのでした。
(岡戸孝宏)
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