話題となっているモノやサービスに商店を当て、今を読み取る「モノコレ」。
今回は発売以来2年で900万個を売り上げ、大ヒットとなっている小麦粉「日清クッキングフラワー」を取り上げます。
小麦粉というと昔ながらの商品ですが、消費者の悩みに耳を傾け、解決することで、大ヒットにつながりました。
その開発秘話を、日清フーズ加工食品事業部第一部水田成保(みずた・なるやす)さんに伺いました。
小さな容器に入った”白い粉”が主婦に大ヒット中!
かわいいボトルの容器に入った小麦粉
この商品は2015年2月に発売。小麦粉を小さなボトルに詰めたものです。容器は丸みを帯びてかわいらしく、大きさも塩コショウなどの調味料と一緒おいて違和感がないくらい。中身は150gと少容量タイプ。
今まで小麦粉というと、袋入りで1kgくらいのものを買って、棚や引き出しの中に入れ、一部を容器に移し替えて使っているという人が多かったのでは。それに比べると画期的!ちょっとおしゃれ。
はじめて料理研究家の土井善晴先生が出演するCMを見たとき、多くの主婦が「あ、こんなのが欲しかった!」と思ったのでは?
商品開発は利用者の悩みがヒント
「今回の商品を開発した理由はどこにありますか?」と丹野。
「小麦は戸棚など見えないところに収納されている方が非常に多い。そこで塩コショウなどと同じく、キッチンの目に見えるところにおいてもらい、気軽に使ってもらえるようにできないかなというのが開発のはじまりでした」
「私も袋タイプのものをずっと買っていて、使う時にお皿にドボドボっと開けると、ドドッとたくさん出たりするんですよね。衣をつけるにしても多すぎて、残ったものを元に戻すわけにもいかず捨てることになって、もったいないとずっと思っていました」と丹野の実感のこもった声。
「家族の人数が減って小麦粉が使いきれないとか、だまになるとか、キッチンが汚れるとか、ご意見をいただいていました」と水田さん。
まず使い切れないという悩み。今までは袋タイプで1kg入りが当たり前。それを150gという小さなボトルの容量に入れました。
だまになるという悩み。粉の粒子を大きく、サラサラにして容器から振り出しやすくして、だまになりにくくしました。
キッチンが汚れてしまうという悩み。白い粉が舞わないように容器を一工夫。容器からそのまま食材に均一に振りかけることができるボトルを開発。
また、もうひとつ振り出し口をつけ、計量スプーンで大さじ1などすり切ることができるようにしました。
おすすめメニューは何?
このクッキングフラワーを使った一番のおすすめメニューは、意外なことに「生姜焼き」。
生姜焼きは肉に小麦粉を振ってから焼くことで、肉が柔らかくなり、タレとのからみもよくなります。
「私ついこの間、この商品買ったばっかりだったんです!」とカミングアウトする丹野。
「料理するときに小麦粉少々というのは面倒くさいから省いちゃお、というのがありましたが、これだったら手の届きやすいところにあって、パッパッと振ることができる、非常に便利だと思います」。
リスナーからの反響が続々と
この商品にはたくさんのリスナーから「発売されてすぐに購入しました。これは便利です。お魚のムニエルとかピーマンの肉詰めとか、助かります」との反響が。
「普通の小麦粉とどのくらい違うんだろう?100均には同じように振るタイプのケースだけを売っているみたいですが。それだと小麦粉自体が普通のだから、だまになったりするのかな」
これについては、試作で容器を30種類も検討したらしいです。また、中の粉自体もサラサラにしたというところがポイントですね。
「使っています。とっても便利です。そして詰め替え用もあって無駄がなくてお得です。冷蔵庫の少しのスペースに置けて」
丹野の得意料理は意外にも…
他にこんなメールも。
「丹野さんって、お菓子作り、パン作りしないんですね? 私のイメージは季節の野菜を使ったパウンドケーキとかキッシュとかおしゃれなものをさらっと作っちゃうオトナ女子だったので。得意料理は何ですか?」
これに対し、丹野は「おしゃれな料理教室とか行ったことありません。和食の家庭料理!これに限ります。筑前煮とか大根切干とかひじき煮とかそんなもの。さっそく豚の生姜焼きは作ります!」と答えるのでした。
(みず)
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