様々な教養をプロの見方から学ぶ「オトナのいろどりっ」。火曜日のテーマは「これってキニナル」です。リスナーが気になっていることを、その道のスペシャリストに伺います。今回取り上げるのはこちら。
「チューリップは、色によって花が咲く時期は変わるの？」
同じ日に植えて同じように水やりをしていたのに、花の色によって咲く時期が微妙にずれているのはなぜ？
そんな質問のお便りが寄せられました。チューリップといえばオランダか富山県。ですが、オランダの人に頼るのはハードルが高すぎます。
そこで本日は、富山県砺波(となみ)市にある『チューリップ四季彩館』の、三上亜紀代さんに詳しくお話を伺いました。チューリップの名産地が国内にあるのは本当にありがたいですね。
おやゆび姫気分になれるかも
富山県は、チューリップの球根出荷量が日本一。チューリップテレビという放送局もあるくらい、富山の代表的な産物です。
そんなチューリップの情報発信の拠点と、一年中チューリップが見られる施設として、平成8年(1996年)4月に建てられました。
昨年20周年を迎え、展示内容を一部リニューアル。今年2月には平成28年度の年間入場者数が5万人を突破したということです。
リニューアルされた施設では、例えば「パレットガーデン」。夏でも温度が15度に設定してあり、特殊な栽培技術を使い分けて、一年中5,000本のチューリップが見られるそうです。
こんなに囲まれたら、チューリップから生まれたおやゆび姫のような感覚に浸れるかもしれませんね。
ドラクエファンなら納得？
さて、肝心の疑問「チューリップは、色によって花が咲く時期は変わるの？」に対する答えですが、結論は「YES」。
「チューリップは世界で7,000品種以上あると言われており、形が同じでも色が違えば別品種。逆に、色が同じでも形が違えば別品種。同じ赤色のチューリップでも、様々な品種があるんです。
色と形の組み合わせで多種多様の品種ができる。つまり、単純に色の違いというより、品種の違いで開花時期に差が出てくるんです」
ゲーム好きな人に分かりやすく言うと、『ドラゴンクエスト』のスライムとスライムべスでは、形が同じで色が違う。スライムとホイミスライムでは、色が同じで形が違う。それぞれ生息場所も強さも成長速度も違う別品種。という訳ですね。
綺麗にひらけ！チューリップ
違う色(品種)のチューリップを一度に咲かせるのは無理だということは分かりました。
では、せめて同じ品種のチューリップをなるべくいっぺんに、綺麗に咲かせるには？そのコツとポイントを三上さんに伺いました。
(1)球根の大きさを揃える。大きい方が花も大きくなる。
(2)球根の向きを揃える。球根には栗のように平べったい面とプックリふくらんだ面があるので、それを統一して植えると、葉の向きも綺麗に揃う。
(3)日光の当たりやすい南側の方が早く咲くため、南北に広げて植えると開花時期に差が出てしまうので注意。
(4)植える深さは15センチくらいが良い。浅く植えると開花も早くなる。球根を逆さに植えても花は咲くが、地中で芽がクルッとヘアピンカーブを描いてから地上に現れるため、時間がかかる。
逆さに植えても咲くとは、ど根性チューリップですね。でも負担をかけるのはかわいそうなので、ちゃんと植えてあげた方がいいでしょう。
なんたって、チューリップの代表的な花言葉は“思いやり”なのですから。
(岡戸孝宏)
関連記事
