レポドラ日記

世界の民族楽器や古楽器が300点展示!四日市市文化会館『移動楽器博物館』

三重県四日市市の四日市市文化会館では、現在『チェンバ郎コレクション 移動楽器博物館 四日市特別展』が開催されています。

館長でもあるピアノ調律師が33年かけて集めた500種類もの楽器から、厳選された300点が展示されています。
いったいどんな楽器があるのでしょうか。

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お話を伺ったのは、「移動楽器博物館」館長の木村チェンバ郎さん。

チェンバ郎さんは調律師の仕事をしながら世界の民族楽器や古楽器を収集されました。
この「移動楽器博物館」には、チェンバ郎さんが33年かけて集めた500種類もの楽器から、厳選された300点が展示されています。



「全ての音や楽器を愛している」と熱く語るチェンバ郎さん。
もともと楽器が好きで、調律師になる上でたくさんのピアノに出会い、ピアノや楽器のルーツを探りたいという強い思いから、古楽器や民族楽器を収集するようになったんだそうです。

移動式博物館を作った理由

それぞれの楽器に魅力があって収集した楽器を展示する博物館を作りたい!という思いは昔からあったそうですが、なかなか実現は難しく「このままではせっかくの楽器が宝の持ち腐れになってしまう」と感じていたチェンバ郎さん。

ある時、保育園に移動式の動物園が来ているのを見て、短い期間で移動しながら博物館をやることなら可能だと思いつき、この移動式博物館を始めたそうです。



今はスマホで指一本で何でも済んでしまうデジタルの時代。
いまの50代以上の方にとって、かつて音楽を聴くアイテムと言えばレコードでした。
レコードに針を落とす瞬間の緊張感や響きは独特のもの、と語るチェンバ郎さん。

こどもたちに楽器の生の音を「五感」で感じてもらうことがモットーなんだとか。
音の振動を実際に聞いてほしいとの想いからこうした展示を行われているんです。

楽器には様々な生命が使われている

そして、チェンバ郎さんが伝えたいのは、楽器には様々な生命が使われているということ。

例えば、このキューバの民族楽器「キハーダ」という楽器は、ロバの顎の骨を乾燥させて歯と骨だけにした楽器です。
見た目は、まさにロバの顎そのまんま…



顎を拳で弾いて奏でます。
見た目こそグロテスクですが、リズミカルに弾くとちゃんと楽器になるんですね。
現在でもメジャーなフォークソンググループが演奏に使用しているとか。



他にもこの「トーキング・ボール」は日本の「おりん」のようなもの。
ネパールなどの儀式で除霊や祈りを捧げる際に使われている楽器です。
ふちをバチでこすることで共振し、音が出る仕組みになっています。

チェンバ郎さんいわく「トーキング・ボールは、心の綺麗な人しか音を奏でることができない」んだとか。
ドキドキしながら挑戦してみました!

…鳴りました、よかった(汗)。
とっても響いて落ち着く音色でした。

18世紀の図面を基にチェンバロを自作!

そして目玉とも言えるのが、チェンバ郎さんの名の由来となっている「チェンバロ」という楽器の展示。
実はこのチェンバロ、チェンバ郎さんの自作なんです!



1700年初頭の図面を参考に、チェンバ郎さんが丸太の状態から15年かけて完成させたそうです。

チェンバロはピアノのルーツとされている楽器ですが、中の構造は現在のピアノとは全く異なるそうです。
まるでギターの弦を弾いたような、思わず聴き入ってしまうような落ち着く音でした。



チェンバ郎さんの楽器愛にあふれたこの企画展は、9月9日まで四日市市文化会館で開催されています。

チェンバ郎さんが会場にいらっしゃる時は、実際に楽器を鳴らすこともできますよ。
現在の予定では8月19日午後2時から、9月1日午後7時からの2回、会場にいらっしゃるそうです。

また10月には名古屋港・築地口エリア一帯で開催される『アッセンブリッジ・ナゴヤ 2018』にも、3日間出展予定とのことです。
それぞれの国や民族の精神文化や思いが詰まった楽器をぜひご覧ください。
(石坂窓花)
企画展 チェンバ郎コレクション 移動楽器博物館 四日市特別展
2018年9月9日まで開催中

四日市市文化会館
三重県四日市市安島2-5-3
レポドラ日記
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2018年07月31日16時46分~抜粋

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