今月はずっとウクライナ情勢から目が離せない状況が続いている中、先週は日本にとってさらに不安を感じさせるニュースが飛び込んできました。
3月24日に北朝鮮が発射したミサイルについて、25日、自ら新型のICBMの開発に成功したと発表しました。
今までも何度か飛しょう体が確認されてきて、そのたびに人工衛星の打ち上げだったりミサイルだったりと、さまざまな発表がなされてきましたが、今回発射してきたものは、今までとはやや状況が異なるようです。
『石塚元章 ニュースマン!!』では、CBC論説室特別論説委員の石塚と渡辺美香アナウンサーが今週のニュースについてわかりやすく解説しています。
3月26日の放送では、気になるニュースのキーワードとして、「ICBM」を取り上げました。
日本の近海に着弾
この「ICBM」という単語ですが、ある用語の頭文字を取って名付けられたもの。
「Intercontinental Ballistic Missile」の略で、インター・コンチネンタルは「大陸間」、バリスティック・ミサイルは「弾道の」という意味。
日本では「大陸間弾道ミサイル」と呼ばれ、以前は「大陸間弾道弾」と訳されていました。
弾を打ち上げて放り投げると頂点まで上がっていき、やがては落ちていくという、放物線を描くような形で飛んでいくミサイルのことを指します。
今回、このミサイルが日本海上である日本の排他的経済水域(EEZ)内、北海道の渡島半島の西側150kmの地点に落下したと日本政府は発表。
これは日本の近くに落ちた、だから日本が危ない目に遭っているということ以上の意味を持っていると言われています。
実験の真の目的
このミサイルの名前には「大陸間」とあるように、実際は日本を超えて遥か遠くに届くことが目的とされています。
冷戦時代であれば、ソ連からユーラシア大陸を超えてアメリカ本土、ワシントンやニューヨークといったアメリカの中枢を狙ったもの。
そのため、今回は実験のためにわざと上に高く飛ばしたため、近くの日本海に落ちたのではないかといわれています。
上空6,000kmまで上げたのではないかといわれていますが、そうすると、高度を下げて通常の角度で発射すれば、もっと遠くまで飛ばすことができるということを意味していて、アメリカ本土まで届くのではないかと考えられるのです。
もしこれが本当であれば、ロシアと西側諸国が衝突している中、アメリカは北朝鮮とも向き合わなければならない可能性が出てきました。
さらに危険なミサイル
最後に石塚はもう1つ気になるキーワードを提示しましたが、それは「SLBM」。
こちらは「Submarine-launched Ballistic Missile」の略で、潜水艦発射弾道ミサイル。
Ballistic MissileはICBMと同じですが、こちらは潜水艦から発射されるもの。
地上からミサイルを発射する場合は、事前にミサイルの発射台がどこにあるのか特定できれば、監視することで未然に防ぐことができたり、後に反撃することができるのですが、潜水艦だとどこから発射されたのかがわからないということになります。
北朝鮮は現在、SLBMも開発していると言われているため、こちらも注意が必要です。
(岡本)
石塚元章 ニュースマン!!
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2022年03月26日07時25分~抜粋