北野誠のズバリ

4団体統一の快挙!井上尚弥選手に負けたボクサーが思うこと

昨年12月、井上尚弥選手がプロボクシング史上2人目となる2階級4団体統一という快挙を成し遂げました。
あまりの強さに「怪物」と称されているほどです。

1月6日放送『北野誠のズバリサタデー』は、新春スペシャルとして「格闘技列伝」を特集し、東京新聞運動部デスクの森合正範記者が出演。

森合さんの著書『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』(講談社)は、井上尚弥選手と戦い、死闘の末に敗れた11人のボクサー達から話を聞くことで、井上選手の強さに迫ったスポーツノンフィクションです。

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負けてもすごい

『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』が珍しいのは、負けた選手にインタビューをしているということ。

佐野友樹選手や田口良一選手などの日本の選手のみならず、アルゼンチンやフィリピンなどにも出向いています。

森合さんは「話してくれないんじゃないか」と思っていたそうですが、意外と詳しく話してもらったそうで、井上選手へのリスペクトを感じたとのこと。

田口選手は世界チャンピオンになったことよりも、井上選手とフルラウンド戦ったことに驚かれるそうで、KOされずに闘いきれたことがすごいと思われるということもあるそうです。

井上選手はスパーリングで日本のランカーを倒していたため、国内では戦う選手がなかなか見つかリませんでした。

森合さん「高校を卒業したばかりの選手と戦ってもメリットがないというか。負けてしまったら大きく評価を落とすので」

世界戦に出られる道が他にあるにもかかわらず、あえて井上選手と戦ったボクサーに対し、北野は「男気がありますね」と語ります。

1敗の重み

一方で、井上選手と戦って負けた外国人選手が自暴自棄になって酒浸りになったり、息子さんが試合でお父さんが負けた姿を見たことでボクサーの道に進もうとしたりと、一敗に重みがあるだけに、さまざまなドラマを生んでいます。

森合さん「(ナルバエス選手の)お父さんは自分の勝つ姿を見せるために試合に連れて行った。でも2ラウンドでKOされた。プロアマ150戦していて1度もダウンしたことがないのに、4回も倒されてしまって。

息子がそのシーンを見て泣いてるんですけど、お父さんの仇を打つじゃないですけど、自分がプロボクサーになる、チャンピオンになるんだと。その試合を見てボクシングの道へ進んでいくわけですよね」

北野「井上選手もいつまでも全盛期ではないので、どこかで下り坂となった時にその息子さんがその階級でやって、お父さんの敵討ちに来た。それはそれでドラマツルギーですね、マンガのような」

負けた選手の心境

負けた選手にインタビューすることは辛く、本当はあまり良い作業ではないと語る森合さんですが、新たな発見があったそうです。

森合さん「井上選手が勝てば勝つほど、負けた選手も光ってくるというか、戦えたことを幸せに思えるというか。

多くの選手が言っていたのは、井上選手の試合があると周りから連絡があると。『よくあの井上と戦ったな』と言われてて」

また、試合の状況を鮮明に覚えていた選手も多かったそうで、佐野選手は「命懸けで戦っているので、一瞬一瞬を覚えてるんです」と語られ、VTRで振り返る必要もなかったそうです。

これだけ強いと次の試合はどうなるのか、さらに多くの注目を集めそうです。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2024年01月06日09時44分~抜粋

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