北野誠のズバリ

ヒートショックで亡くなってしまう理由

厚生労働省人口動態統計(令和5年)によれば、浴槽内で溺れるなどして亡くなった65歳以上の方が6,541人にのぼります。これは交通事故で亡くなった2,116人の3倍以上もの数。

また、東京都では高齢の親と同居する全国400人を対象に住まいの室温に関する実態調査をおこない、約4割が「ヒートショックなどのリスクが心配」と回答したのこと。

12月20日放送『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が、ヒートショックの危険性について解説しました。
聞き手はパーソナリティの北野誠と加藤由香アナウンサーです。

[この番組の画像一覧を見る]

ヒートショックが起こる理由

ヒートショックとは、寒いところと暖かいところを行ったり来たりした時、温度差によって血圧などが大きく揺すぶられる現象のこと。

暖かいリビングから冷え切った脱衣場や浴室に入ると、血管が縮んで血圧が急に上がり、湯船に入ると血管が一気に広がることで血圧が下がります。

この上がり下がりの落差によって人体にショックを与え、さまざまな病気を発症する引き金になりやすいとのことです。

高齢者やもともと高血圧や動脈硬化のある方は血圧の上昇が激しくなり、心筋梗塞や脳卒中を起こし、最悪亡くなってしまいます。

事故を防ぐためには

また、湯船に入ると血圧が急激に低下するとのことですが、さらに身体に水圧がかかることで立ちくらみや失神、意識障害が起きることで溺れて亡くなるケースも多いそうです。
血圧が下がりすぎて脳まで血液が届きにくくなることで意識が薄れ、そのまま溺れてしまうのです。

他には浴槽から出る瞬間に立ちくらみを起こしふらっとしてしまった時、浴槽のフチや床で頭を打ちつけたり、中には再び湯船に落ちてしまって溺れることもあるそうです。

吉田先生は「立ち上がる際は浴槽のフチに手をかけてゆっくり立ち上がればかなり予防できると」とアドバイスしました。

ヒートショックを防ぐには

他にヒートショックを防ぐ方法はあるのでしょうか?
脱衣場や浴室に暖房を入れて暖めることが有効ですが、難しい場合はシャワーを出して湯気を出すことで浴室がかなり暖まるそうです。

他に大事なのはお湯の温度で、基本的には41度以下が推奨とのこと。特に高齢者の場合は40度以下がよいようです。。

最近は設定温度がわかりやすく表示されていることが多いですが、設定温度が実際とずれることがあるそうで、吉田先生は実際に温度計で測ってみるのが良いとアドバイスしました。

また、熱い温度でもガマンして入浴し続けるのは身体に悪いので避けた方がよく、また、お湯に浸かる時間も10分以内が良いとのことです。

他にもこの時期に気をつけるべきなのが入浴のタイミング。
たくさん食べた後30~60分間は心筋梗塞の発症が4~7倍に跳ね上がるそうで、その時にお風呂に入るとさらにリスクは高まるとのことです。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
この記事をで聴く

2025年12月20日09時42分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報