北野誠のズバリ

プライベートの芸能人に遭遇した一般人が容姿イジリ、これって侮辱罪?

世の中の意識が変わってきたからか、最近は容姿をネタにした芸能人は少なくなってきていますが、もし芸能人がプライベートで見知らぬ人から容姿などについてからかわれた場合、訴えることはできるのでしょうか。

『北野誠のズバリ』の「ズバリ法律相談室」では、法律に関する疑問や相談に対し、オリンピア法律事務所の弁護士が回答。

4月7日の放送では、「芸能人に対する口撃はどこまでが許されるのか」について、弁護士の原武之先生が回答しました。

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侮辱罪が成立する条件

今回、番組で紹介したおたよりは、次のとおりです。

「この前街を歩いていた時、テレビなどで容姿イジリをされる芸人さんが、通りがかった人にテレビのようにいじられているのを見かけました。

(その芸人さんは)どうやらプライベートのようでした。

ここで思ったのですが、カメラが回っていない状態で一般人が、容姿をイジられているタレントをイジったら、侮辱罪などに問われるのでしょうか」(Aさん)

仕事ではないのでイジるべきではないと思いますし、一方ではそれで世間に顔を売っているのだから仕方がないという見方もありますが……。

そもそも、侮辱罪はどのような場合に成立するのでしょうか。

原先生「公然と人を侮辱した場合に成立すると言われてまして、『公然と』とは、不特定多数の人が知り得る状態のことになりますから、いろんな人が通る所で侮辱をすれば侮辱罪ということになりますね」

北野「例えば飲み屋で2人きりの時にそこをイジっても、別に侮辱罪にはならないんですか?」

原先生「飲み屋にいても、例えばみんなが聞こえるような状況(だと侮辱罪にあたる可能性がある)。

(居酒屋でも)個室とか、ホテルの1室とか、特定の人で少人数であれば、成立しないですね」
 

侮辱罪はネットの方が怖い

そうすると、不特定多数の人がいる外で、仕事に関係なく芸能人をイジった場合は、侮辱罪に問われる可能性がありますが、実際のところ、侮辱罪で一般人が訴えられたという話はあまり聞いたことがありません。

原先生「ただ侮辱罪は大前提で親告罪なもんですから、被害者の人が告訴しないと犯罪にならないということですね」

例えば大阪で「アホ」の愛称で広く親しまれているコメディアンの坂田利夫さんが、街中で「アホ」と声をかけられても、侮辱罪にはなりにくいかもしれませんが(それ自体はあまり良いことではありませんが…)、原先生はこれがネットだと事情が異なるといいます。

原先生「ただ、今怖いのはネットで、当然不特定多数の人が参加して見れるので、犯罪には該当するんですね。

匿名性が強くて過激になりかねないので、十分侮辱罪は成立し得ると思いますね。

外で1対1でちょっとからかうぐらいとは訳が違うので、表情もなければ、どす黒いものだけ残るという感じになりますから。

そういう意味では、今後はネット社会での問題になるだろうなと思います」

外で芸能人に会うことはなかなかないですが、ネットで芸能人の悪口を書くことはいつでも誰でもできます。

最後に原先生は、「結局、対面でもネットでも、人の悪口はわざわざ言う必要はない」とまとめました。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2021年04月07日14時11分~抜粋

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