SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、世界中が動き出している昨今。
フードロスへ削減への取り組みも、その大きな流れのひとつです。
2月17日放送の『北野誠のズバリ』では、廃棄されるチョコレートの原材料から生まれた新しいチョコレート「Re:You」を取り上げました。
仕入れと販売見込みのズレ
日本のチョコレート市場は5,500億円という巨大な市場です。
チョコレートが最も多く売れるのは、バレンタインデーがある2月。
その需要に合わせてチョコレートの原材料を大量に輸入しますが、仕入れと販売見込みのズレで、期限を残したまま捨てざるを得ないものも実は多くあるのです。
そこで、未使用のまま廃棄される製菓材料を使って、高品質のチョコレートを作ろうという新しい試みが生まれました。
それが、今回取り上げた「Re:You(りゆう)」。
今年の1月27日に発売開始されたばかりの「Re:You」は、各方面から注目を集めています。
バリー・カレボー社のチョコレート
「Re:You」を販売しているのは、「もったいない」に注目してフードロス削減を目標としているサイト「ロスゼロ」。
大阪にある、株式会社 ビューティフルスマイルが運営していています。
品質にこだわり、材料は高級チョコレートメーカーのバリー・カレボー社から輸入した廃棄予定のチョコやドライフルーツ、ナッツを使用しています。
バリー・カレボー社のチョコは、ホテルやデパートでは板チョコ1枚が3,000円もする高級チョコ。
これまでフェアトレードチョコレートの販売や、カカオ農家を支援する企業はありましたが、原材料の食品ロスを有効利用してチョコレートを製品化したのは日本初です。
食べる「理由」のあるチョコレート
「Re:You」は、日本語の「理由」と英語の「you」をかけたもので、「食べる理由のあるチョコレートをあなたへ」という願いが込められています。
「ロスゼロ」の売り上げの一部は、会社が提携している自治体を通じて、国内のこども食堂などに寄付されています。
私たち消費者がおいしく食べきることで、この2つの社会貢献にも参加できるというわけです。
ナッツやドライフルーツなどのトッピングが乗った「Re:You」は、ルビーとビターの2枚組で送料込み3,000円です。
コロナ禍で増える廃棄食品
元々「ロスゼロ」は、2001年に髪飾りを扱うネット通販からスタートしたサイト。
使われなくなった髪飾りを再販するという取り組みを行っていました。
2018年から変形したチョコや規格外のチョコなどの販売を始めたところ、多くの企業からオファーがあり、これまで数百社、数千種類のお菓子を扱ってきました。
サイトには「どうして余ってるのか」という丁寧な説明があるので、購入する側も納得して買うことができます。
現在は、高級ホテルや飛行機のファーストクラスで出される予定だった、フレンチのパイやパテなども扱っています。
コロナ禍で廃棄される予定だった食品を、「ロスゼロ」では安い価格で購入することができます。
フードロス削減を考えるきっかけに
中には、水木しげる記念館のお土産として販売予定だった、『ゲゲゲの鬼太郎』のドロップとラムネの詰め合わせセットもあります。
昨年から、食品メーカー、レストラン向けの食材卸売会社、お土産屋さんといったさまざまな業態の企業から「ぜひ余った商品を買い取ってください」という問い合わせが急増。
昨年の緊急事態宣言時に売上高が急増し、この1年で過去数倍に。2021年の12月期には1億円を超えるのでは、という話です。
食品ロス削減を考えるきっかけになる「ロスゼロ」、ぜひ一度のぞいてみてください。
(minto)
北野誠のズバリ
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2021年02月17日14時46分~抜粋