北野誠のズバリ

新型コロナ感染は「悪いことをしてバチが当たったから」と考える人が多い理由

大阪大学などが「新型コロナウイルスに感染するのは自業自得」と考える人の割合が、欧米に比べて日本は突出して高いという調査結果を発表しました。

5月18日放送『北野誠のズバリ』では、パーソナリティーの北野誠と松岡亜矢子、ITジャーナリストの井上トシユキがなぜ日本人はこの傾向が強いのかについて、トークを展開しました。

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西洋よりも浸透する自業自得論

神戸新聞はこの調査結果について、その他の調査も含めて「不運な目に遭うのは自業自得」と考えやすいとして、この考えが感染者への嫌がらせや差別的な言動、中傷につながっているのではないかとしています。

井上「日本人に限らず、中国や韓国の人も多いんですが、因果応報と思ってますから。『結局、いつもお前がいい加減なことをしてるから、そんな目に遭うねん』と。

今回であれば、『みんなが気を付けてんのに、卒業旅行とか行って楽しみやがって。そんなことしてるからかかるねん』っていう因果応報とか自業自得とかで、みんな納得しようとしてると思うんですよね。

自分は気を付けてるから大丈夫やけど、悪いことをしてる奴は報いが来るでっていうふうに、こどもとかに言ってるかもしれないですね。その方が説明が楽やから」

北野「『お日さんは見てるで』とか、仏教思想なんかね」

井上「特に日本は八百万の神で、路傍の石や草にも神様がいるって言いますし、僕なんかもそう思うことが多いですけど、そうなるとバチが当たると思いがちなんでしょうね。

悪いこととちゃうんですけど、行き過ぎると結局、人をディスったり存在を否定したり強いとこまで行っちゃうので、イカンと思いますね」

この考えは自発的に迷惑行為や犯罪などを抑止する効果はありますが、人に攻撃が向かう危険性もはらんでいるようです。
 

新型コロナ感染で非難集中

以前、お笑い芸人のラジバンダリ西井さんが同番組に電話出演し、新型コロナに感染した時の体験を聞きました。

感染経路は不明なのですが、お医者さんに言われたのは、電車でつり革を持ち、その手で目をこすったり、コンタクトレンズを触ったりしていたからではないかということ。

誰しもあり得ることであり、クラブなどのクラスターを生む場所で遊んでいたわけではないのにもかかわらず、西井さんは非難を浴びたことになります。
これについて、北野は「納得いかんよな」と語りました。

井上「何かがあった時に幸運だったと思うか、不幸だったと思うかなんですけど、どちらかといえば、欧米の人は神のご加護があって助かったと言いがちなんですよね。

東洋の人は仏さんを敬わへんからバチが当たったとか、ネガティブな方で信心を持ち出しがちですね。ある意味、真反対ですね」

北野「欧米の人らの考え方って、自己主張がすごいから。俺間違ってないって言い張るやんか。日本人はどっちかって言ったら『間違っててすいません』とか、『ごめんなさい』っていうのが好きやから」
 

感染の原因を信心にすり替え

さらに北野は、昔から古典落語でも「バチが当たった」という話が多く、日本人に根付いた考え方としつつ、一方で新型コロナの場合は不明な点も多く、なんでも自己責任に持っていくのは良くないと語りました。

井上も新型コロナウイルスという不明な点が多いものに対して、原因を信心などのせいにすることで自らを納得させているのではないかと推測。

引いては他人が自粛しているかどうかを確認し、警察に通報したり、ツイッターにアップしたりする「自粛警察」の行為を正当化しているのではないかと語りました。

最後に北野は「自粛警察自体が自粛した方がええと思いますけど。不要不急で歩くなと思いますけどね」とまとめました。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2020年05月18日13時14分~抜粋

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