北野誠のズバリ

離婚確定後に相手の浮気が発覚!慰謝料は請求できる?

離婚が成立した後になって、実は相手が浮気していたと発覚した場合、後からでも慰謝料を請求することは可能なのでしょうか?

『北野誠のズバリ』の1コーナー「ズバリ法律相談室」では毎回、リスナーから届いた法律に関する疑問や相談を紹介しています。
3月11日の放送では、そのような悔しい思いをされている女性のお悩みに対し、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が回答しました。

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浮気相手の女性から突然の電話

番組宛てに届いた女性からの相談は、以下のとおりです。

「私には10年ほど結婚生活をともにした夫がいましたが、さまざまな理由から1年ほど別居した後、半年前に離婚しました。

離婚してから2ヶ月ほど経った時、知らない電話番号から電話がかかってきました。別れた夫と付き合っている女性からでした。

それだけでもビックリですが、もっとビックリしたのは『離婚する前から付き合っている』と言われたことでした。

おそらく『自分は勝負に勝った!お前は負けたんだ』という意味合いの電話だったと思います。電話を切った後、じわじわと怒りが込み上げてきました。

離婚した後でも相手が浮気していたことが発覚した場合、慰謝料が請求することはできないのでしょうか?」

マウントを取ろうとする態度に、思わず腹が立ってしまいますが、いったん確定した離婚の条件について、後からひっくり返すことはできるのでしょうか?
 

慰謝料を請求できる条件

原先生はまず、慰謝料を請求できる前提条件について、説明しました。

原先生「そもそも離婚の原因になった人、不貞の相手に慰謝料を請求できるのは、平穏な夫婦関係を維持する利益を侵害したからなんですけど、離婚しているとなると平穏な夫婦関係がないもんですから、簡単に(慰謝料の請求が)できますとは言えないって感じですね」

おたよりでは離婚の原因について、「さまざま理由」と書かれています。
そのため、電話をかけてきた女性が直接的な原因とはならず、慰謝料が取れない可能性があるそうです。

とはいえ、まだ正式に離婚が確定する前に付き合っているのであれば、心情的には前の夫とその女性の2人に慰謝料を請求したいところ。何とかならないのでしょうか?

原先生「ただ一方で、ギクシャクした(夫婦)関係の裏に、例えば女性の影を感じていたとか、外泊が多かったとか、女性の影があったからケンカが絶えなかったということになれば、離婚原因の1つに不貞があったと言えるので、結局立証できれば、離婚後であっても慰謝料は請求できます」
 

明確な証拠がなくても訴えは可能?

もし別居中に女性から電話があった場合は、慰謝料が請求しやすくなったのでしょうか?

原先生「別居が10年とか20年とかいってしまうと別ですけど、1、2年や、まだ(夫婦間で)交流があるとなると、実質(夫婦関係が)破綻していないので、慰謝料は請求できますね」

離婚の後から証拠を探すのは難しそうです。
しかし原先生は「証拠というのは別に明確なものがなくても良い」として、例えばケンカの原因が外泊だったことなどを積み重ねていくと、離婚原因は性格の不一致などではなく、夫の浮気が原因だった、と認められる可能性も結構あるそうです。

ただ、今までまったく女性の影を気づきもしなかったとなると、離婚原因とは無関係と判定されかねません。

今別居中や離婚に向けて動いていて、相手の浮気をまったく想定していないという場合は、疑ってかかる方が良さそうです。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2020年03月11日14時12分~抜粋

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