早ければ4年後にも、AM放送をやめるラジオ局が出てきそうです。
9月2日放送『北野誠のズバリ』では、「総務省がAMラジオ放送の廃止容認へ」という話題を取り上げました。
現在、ほとんどのAMラジオ局ではAMとワイドFMという2つの電波を使っていますが、総務省の有識者会議は8月30日、2023年からワイドFMに一本化することを容認する意見で一致しました。
私たちが聴いているAMラジオは、実際にどう変わるのでしょうか?
パーソナリティの北野誠と松岡亜矢子、ITジャーナリストの井上トシユキでトークを展開しました。
AMを廃止する理由
この話題は3月にも登場しましたが、今回は総務省の有識者会議で認められ、具体化したということです。
現在AM局は、AM波とFM波双方の設備の維持に負担がかかっています。
「AMを廃止することで経営改善につなげるのが目的」とのことですが、北野は今やAMは電波が入りにくいと言います。
北野「ワイドFMの方が(AMよりも)雑音も入りにくくて音質も良いのと、これだけビルができてたら聞きやすいと。
大阪は車に乗ってたら、全く入りませんから。一番笑うのが、毎日放送(大阪の放送局)のそばにいても電波が入りにくいという。梅田にビルがありすぎて」
また、FMと比べて、AMの鉄塔はかなり高く作らなければならず、点検や補修がよく行われています。
さらに電波の特性上、低地や海岸近くに建てられるケースがほとんどで、津波を伴う災害への危惧があります。
松岡「CBCラジオも長島送信所(三重県)って、高速道路から『なんだろう、このでっかい鉄塔は?』って思うのが送信所だったりするので」
北野「それもメンテナンスせなあかんし、維持管理費が大変なので。巨大な建物がない沖縄とか北海道とか、その辺はAMを残すかなと思いますけど」
2011年7月にテレビの地上波アナログ放送がほぼ全国で一斉に停止された時とは違い、ラジオ局によって廃止するかどうかの判断は異なりますので、今後、経営が苦しい局はAMを廃止するという流れになりそうです。
「若い子のラジオ離れ」の現実
ラジオは現在、AM波とFM波以外に、インターネットを通じて『radiko』で聴くこともできます。
井上「radikoにもっと力を入れりゃええのになと。ネットでええやんと」
北野「最終的には、radikoに一本化されるでしょうね。スマホの1つのコンテンツになったから」
井上「若い子が戻ってきてますよ」
北野「『若い子のラジオ離れが激しい』って言うけど、若い子でラジオ(が聴ける機械)を持ってる子がいなかったんですよ」
井上「それがスマホで聴けるようになって。(ラジオ番組で)好きなアイドルとかお笑いタレントが自由にしゃべってるじゃないですか。結構ビックリするらしいですね」
松岡「ラジオ独特の世界観っていうのを今まであまり知らなくて」
テレビよりもラジオの方が親近感を持つというのは、今も昔も同じですが、今まで聴かなかった層に、あらためて注目が集まっているようです。
AMラジオの未来は?
AMラジオの存在意義について、よく災害時の情報発信に必要と言われますが、総務省の有識者会議では、インターネット回線を利用するradikoだとアクセスが集中した時に輻輳や遅延が発生するため、ラジオの電波は残しておくべきという意見もあるそうです。
ただ、昔よりもリスナーの数は減少し、経営が難しくなっている現在、あらためてAMラジオの存在意義が問われています。
北野「昔やったら、出演者も入れて8人ぐらいうろうろしてたのが、今は4、5人ぐらいでやってますからね。下手したら3人」
松岡「月曜日だったら出演者3人、動かしてる側2人っていう」
北野「水曜日は(出演者)2人、(スタッフ)2人ですから」
井上「テレビでもコメント取りに来る人は1人ですからね」
最後に北野は、「(苦しい時代)僕らも含めて放送業界全体が考えないといけない時代でしょうね」とまとめました。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2019年09月02日13時15分~抜粋