5/22から5回に渡り、『北野誠のズバリ』では、株式会社ファミリーマート代表取締役社長の澤田貴司さんをスタジオに招き、澤田さんの経歴や経営哲学などを北野誠がズバリ聞きます。
昨年9月にサークルKサンクスを展開するユニーグループ・ホールディングスと経営統合し、店舗数はおよそ18,000とコンビニエンスストア業界第2位となったファミリーマート。
その指揮を執る澤田貴司さんは、これまでにユニクロのフリースやクリスピー・クリーム・ドーナツの仕掛け人としても知られています。
ファミリーマート澤田貴司社長に、北野誠がズバリ聞いてみた。
ユニクロのフリース大ヒットの経緯
まずは北野誠が、数ある澤田さんのサクセスストーリーで最も身近な「ユニクロのフリース」の大ヒットについて尋ねます。
当時、澤田さんは営業本部長、副社長を務められていたそうです。
「1998年11月に原宿店をオープンしたんです。東京ではまだ1店舗もなかったんですね。
原宿に、郊外のディスカウンターが店を出すということで、どうやったら原宿の若い子たちにユニクロの良さを伝えられるか、とすごく悩んだんです。爆発力のある商品があったらいいなと考えて、いろんな人たちからアドバイスをもらった中で、最終的にフリースでいこうと」
豊富なカラーバリエーションを取り揃えるなど従来のイメージを覆したフリース戦略。その結果、全国の店舗に行列ができるほどの大ヒット商品となりました。
「自分自身でもビックリしました。社会現象になるまで爆発するとは思わなかったです」
この成功をきっかけにユニクロのブランド力向上にも大きく貢献した澤田さん、柳井正社長から次期社長への就任を打診されます。ところが、それを断ってしまったそうです。
「そんな能力はないと思っていたのでお断りしました」
との謙虚な答えに、北野が思わず「受けときましょうや!」と突っ込みます。
仕事の依頼がありがたくて突入
最近もロッテと共同でクリスピー・クリーム・ドーナツの日本上陸を成功させるなど、実業家として注目を集めてきた澤田さん。
北野が「こんなこと言っちゃいけませんが、(ロッテリア社外取締役を受けたのは)売り上げも落ちていた時期じゃなかったですか?」と尋ねます。
「ロッテリアの時はそうでもなかったんです。重光オーナーとは懇意にさせていただいていて『少し手伝って欲しい』と言われまして、5年くらいお手伝いさせていただきました」
北野、この「少し手伝って欲しい」という依頼の言葉が気になった模様。少し、とはどの程度の話なのでしょう。
「世の中にあるいろんな会社を良くすることを目的として、2005年にリヴァンプという会社を興しました。ご依頼がありがたくて頑張ろう!ということでロッテリアさんに突入して仕事をさせていただきました」
少しどころか、フルパワーでの突入だったそうです。
光あるところに、やっぱり影が
「澤田さんの手掛けたものが、みんなの記憶に残る商品になっている」と分析する北野、その秘訣がマーケティングにあるのか、と質問を投げかけます。
「お客様は商品を買い求めにお店に来られるので、社員と一緒になっていいものを作って、それをお伝えする。在庫もちゃんと積む。そういうことを計画的にやれば…」
ここまで言いかけた澤田さん「でも、当たらなかったものもいっぱいありますから」と続けます。目覚ましい成功の影にはその何倍もの失敗があるわけです。
「(失敗は)世間には出さないようにしてますから」
と本音を重ねる澤田さんに、北野も爆笑します。
今回の最後、社長という立場でありながら「こそっとお客さんの目線での動きをしてはるわけですか?」と尋ねられた澤田さん。
「当然だと思います。毎日毎日、毎日毎日、売れるか売れないか、喜んでくださってるか不安ですし、ずっと考えてますよ」
どんな立場であっても、どれほど成功を収めていようと、お客様目線を優先することが、澤田さんの哲学のようです。
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