ドラマではよく見る裁判。実際に関わることはあまりないことだと思われます。
しかし、そこでは現代を象徴するような事件や生々しい人間関係やちょっと滑稽なやりとりが見られたりします。
今回の「3時にズバリ」では、とある映画の主演俳優の裁判について、大川興業の裁判傍聴芸人・阿曽山大噴火が語ります。
主演俳優が逮捕！
今年の3月4日、北海道の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」で『逆徒』という映画が上映されました。
その作品の監督に主催者が「主演の牧野慶樹さんがいませんが、演技はどうでしたか」と聞いたところ「彼は現在東京の麻布署にいて、逮捕されています」と驚くべき答えが。
映画の主役が逮捕されていた、しかもそれが映画祭で映画上映時に知らされる、非常に珍しい事態が起こったのです。
オレオレ詐欺の「出し子」？
映画祭では事件について具体的には触れられませんでしたが、今週月曜に、その主演俳優・牧野慶樹被告人の初公判が東京地裁で行われました。
わずか20席の狭い法廷ですが、傍聴席は満席に。記者らしい人もいましたが、未だに報道されていないということで、この裁判、この番組の独占スクープとなりそうです。
被告人は23歳。職業は「建設作業員」と答えていたそう。罪名は詐欺。
事件について具体的に触れましょう。
被告人の先輩である小林（匿名）という男が、仲間を集めて「オレオレ詐欺をやろう」と持ちかけます。
電話をかける役（かけ子）があちこちに「夫のいる女性を妊娠させてしまったので150万円振り込んでくれ」と電話します。
そして、去年の7月1日から8日の間に、和歌山県内に住んでいる64歳の女性の家に電話をし、息子を装って「今、すぐ150万円が必要だ」といい、送金させたという、いわゆるオレオレ詐欺の手口です。
一連の事件における牧野被告人の役割は、小林からカードを渡され、ATMからお金をおろしてくる役（出し子）だったそうです。
なぜ犯罪を犯したか？
この公判には被告人の父が出廷して「子供の頃から卑怯なことが嫌いな性格だったのに、こんなオレオレ詐欺をやるなんてショックです。あと被害者とは示談が済んでいまして、示談金155万円は私が立て替えました」と話しました。
そんな被告人がなぜオレオレ詐欺の「出し子」に手を染めてしまったのでしょう？彼の証言です。
「先輩の小林に頼まれ…最初は断りました。他人のカードでお金を引き出すのはちょっと怪しいなと思ったので」
「被告人が先輩という立場もあったのですが、あまりにしつこかったのと『1日だけでいいから』と言われたのでやってしまいました」
ハッキリと断る勇気
指示は「ATMで何回かに分けておろせ」「帽子を被ってマスクをしていけ」のふたつだけ。
実はオレオレ詐欺で最も逮捕されやすいのは「出し子」役だそうです。
阿曽山大噴火は「グループの中でも一番騙されているのが『出し子』なんです。軽い気持ちでやっちゃうんですね。日当1万円とかなんです」とやや同情的。
「それでやってまうのや…」と北野は呆れてしまいます。
被告人は「犯行の原因はどこにあると思いますか」と聞かれ「私が物をハッキリと言わなかったのが原因です。今後怪しい誘いにはもうハッキリと断ります」と言明しました。
今後は先輩と関係を断って、建設会社でまじめに働き、示談金を立て替えた父親に返金していくとのこと。
裁判官の言葉にザワザワ
裁判官は、公判が始まってからずっと怒ったような顔をしていたそう。
前科がなく初めて法廷に来た被告人に対し、厳しくあたる裁判官はいるそうです。
その裁判官が怒った声で放った言葉。
「あなたは今後先輩の村田さんと関係断つんだね！」
これには、法廷中がザワザワ。
思わず被告人が「あの…小林、ですね」と自ら訂正しました。
「まちごうとるやんか！」と北野。
それを受けて阿曽山大噴火は「ハッキリと断る勇気を持っている男なんですね」と被告人の人柄を分析します。
将来は大川興業に相談しよう
検察官の求刑は、懲役3年6カ月。日当1万円と引き換えにするには、あまりにも重い求刑です。
「初犯で示談も済んでいるので、執行猶予がつくと思います」と判決を予想する阿曽山大噴火。
今後、被告人が主演した映画の公開が心配なところ。
北野が「その主役の子ももったいない。東京でアルバイトしながら役者やってもいいじゃないの？」と被告人の今後を心配しつつ「（大川）総裁に相談しないと」。
思わず「なんで大川興業なんですか？」と受ける阿曽山大噴火。
「こういう時こそ大川興業やろが！」と北野に言われてしまうと「私の後輩になるかもしれませんね…」とハッキリと断る勇気の出ない阿曽山大噴火なのでした。
（みず）
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