右も左もわからない新人の頃は、先輩に囲まれた現場で思うように行かず焦ってしまうもの。
そんな時、ベテラン声優の神谷明と日髙のり子は後輩に対してどんなことを話しかけているのでしょうか?
アドバイスのコツを明かしました。
9月11日放送の『神谷明・日髙のり子 TALK!×3』から。
演技にはノータッチ
「3月中旬から立ち上がった官公庁関連のコールセンターで、初心者の方や営業事務経験者の方など、いろいろなオペレーターさんにロールプレイングやクレーム対応、トークの切り替えなどをトレーナー的存在でアドバイスしております。
5か月経ち、高齢の方への言葉遣いや相手の立場に立ってゆっくり丁寧に対応できるようになり、その成長に安堵している今日この頃です。
お二人は後輩の声優さんや声優の世界に足を踏み入れたばかりの方に指導などされると思いますが、どんなところに気をつけてアドバイスされていますか?」(Aさん)
神谷「アドバイスとかする?」
日髙「いや~、もしも個人的に何か質問してくれたら自分の思っていることをお伝えすることはあるけど…なかなかないですね」
神谷「ないですよね?」
日髙「みんな完璧なんだもん!」
声を合わせるように答える二人。
演技の具体的な指示はディレクターが出すため、演者さんの間で具体的な指導をすることは意外にないようです。
座る席すらわからない新人さんには、座る場所を教えてあげる程度。
そういう時は見かねて声をかけるようですが、せいぜいブレス位置のアドバイスくらいだとか。
神谷「ただ、演技的なことはね」
日髙「困っている様子のときは困っている人を助ける、というような感じで」
「自分だったらどうしたか」という経験的なことは伝えても、ディレクターと演者の間にはなるべく口を挟まないように心がけているそうです。
さりげない呟きがアドバイスに?
とはいえ、やはり現場がうまく進まないことも。
たとえば、セリフを自分の中で"おさめて"しまって相手に声をかけるような感じにならず、語尾が伸びてしまうような時。
自宅で練習をし過ぎたことが原因かな、と日髙は指摘します。
顔が紅潮して赤みがさしているようになり、見ている周囲も息苦しい感じになるそうです。
そんなときは先輩の誰かが気を効かせて「う~ん、ひとりごとみたいな感じなのかね~?」とさりげなく助け舟を出してあげるのだとか。
神谷「ほんのちょっとしたことなんだよね」
あまり第三者がアドバイスし過ぎると、目指す芝居の方向と食い違ってしまい、かえって泥沼に陥ることも。
神谷はわざとらしく「いや~、芝居は良かったんだけどな~」「いいお芝居だったのに…惜しい!」などとつぶやくそうです。
それによって、どこが悪いかわからない本人に直すべきポイントをさりげなく気づかせてあげるのだとか。とにかく本人のモチベーションを下げないように努めるそうです。
日髙「いいディレクター!若い頃からそういうことをやってらしたんですね。本当に助かると思う」
バス運転士の温かい心遣い
「先日、仕事帰りのバスの運転士の方がとても気さくな方でした。『よいタイミングでーす』『ゆっくり降りてねー』など、癒やされて笑顔になりました」(Bさん)
神谷「いいですね~」
最近は気さくな運転士の方をあんまり見かけなくなったと神谷。
日髙は声がけが上手な運転士をみて、「この人はきっと本当はラジオのパーソナリティになりたかったに違いない!」と思ったことがあるとか。
日髙「人の温かさを感じますよね。機械でなく、人の語りでその方の気持ちが込もっていると嬉しいなって」
ホッとするおたよりだったと話す神谷でした。
(nachtm)
セットリスト:
M1 ママス&パパス「夢のカリフォルニア」
M2 帯子(たいず)「リトル☆デイト」
神谷明・日髙のり子 TALK!×3
この記事をで聴く
2021年09月11日23時17分~抜粋