神谷明・日髙のり子 TALK!×3

神谷明も納得!一条和矢「声優の極意はナレーションにあり」

ゲストは前回に引き続き、長寿アニメ『おじゃる丸』などに出演する声優の一条和矢さん。
ナレーションのみに絞る独特な指導法など、声優の極意や教育論などについて語りました。
2月15日放送の『神谷明 TALK!×3』から。

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後進育成のカギ

デビュー26年目になるベテラン声優の一条さん。

後進育成は神谷と同じく芝居の指導はせず、”ナレーションのみ”だそう。
というのも、声優の仕事は十人十色なので「自分のカラーを押し付けたくない」とか。
うまくいかなかった時に責任が取れないため、基本中の基本である”しゃべり”を教える方針に行き着いたそうです。

ナレーションとなると、途端に心の中でファイティングポーズを取る若者が多いそうです。その理由を「ナレーションは難しいと勝手に思い込んでいる」と一条さん。

一条さんの自作プリントには、句読点がないという特徴があるのだとか。

一条「いったん日本語国語を分解します」
神谷「ぶっ壊す。大事だよね」

どこが要点なのか、どこが言いたいのか、生徒に読解させ考えさせる指導になっているそうです。

これは一条さんが出来なかった経験も含め、ご自身を反面教師にしているのだとか。

神谷「まず理解、そして理解したものをどういう風に表現するか、が全部ないとダメ」

どのように感じるかは人によって違うため、自分からは何も言わず、個性を殺さず引き出すのが指導においては大事だといいます。

神谷「他人も自分も、ナレーションの上達は非常に明確にわかる。芝居の場合はなかなかわからない」

神谷のナレーション授業を経験したアシスタントの恵須川も「自分も嬉しいし、まわりも褒めてくれて切磋琢磨感が良かった」と感想を語ります。
 

スピードコントロール

時には「今まで何聞いてたー!」と鬼になることもあると一条さん。

「優しい人って恐いんだよな」と神谷。

たまに「なんで芝居を教えてくれないんですか?」とた問われることもあるが「うまくいけば放っておいても自分でやりだす」と神谷。「一行読めれば何行でも読める」のだそう。

一条「一番大事なのはスピードコントロール」
神谷「みんな、ガーっといっちゃうからね」
一条「セリフ増やしたのになんで同じスピードなの?」
神谷「(若手が)耐えられないスピードで読んでいる時の不安(笑)」

ほとんどの若い人は”素早く”しゃべれるのだそう。
そうではなく、いかに”ゆっくり”や”中間”の速さを保つかが、アニメや吹き替えをこなすためのキモなんだとか。

一条「次の行、次の行を見ようとする。で、早口になってしまう傾向がある」
神谷「(自分たちは)どう表現するかしゃべりながら考えている。急いでないんだよね」
一条「要は原稿のチェックの仕方。いかに自分のスタイルに合ったチェックができているか」

台本への書き込み方でもそれがわかるようです。
非常に興味深いアフレコのコツや声優教育論を語るお二人でした。
 

『おじゃる丸』はライフワーク

23年続く出演作の『おじゃる丸』について。

一条「自身、ライフワークだと思ってますから」

実感としては「濃密な26年ではない」と振り返ります。
とはいえ、仕事にはひとつひとつ全力で打ち込み「楽しいんですよ」と力を込めて語ります。
若い人は自分で壁を作るが、自分で壁を作ったことはない、と一条さん。
仕事のときはバチっと目覚めるそうです。

一方、昨年は『シティハンター』の映画化が相次ぎ、めまぐるしかったと神谷。

神谷「面白いと思ったらあっという間に過ぎた。大変だと思っていたら今頃疲労困憊してた」

何事も気持ちの持ちようが大事なことが再認識させられる今夜の放送でした。
(nachtm)

セットリスト:
一条和矢・ひとみ「金色の散歩道」
 
神谷明・日髙のり子 TALK!×3
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2020年02月15日23時15分~抜粋

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