神谷明・日髙のり子 TALK!×3

世代交代の激しい声優道、43年生き抜く秘訣とは?

11月23日放送の『神谷明 TALK!×3』に、神谷明と共演したこともあるキャリア43年目のベテラン声優の佐藤正治さんが出演しました。

声優業を長く継続するために、佐藤さんはどのようなことを心がけたのでしょうか?その秘訣を神谷と深く語り合いました。

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声優として長生きするコツは?

声優としてキャリア43年目の佐藤さん。
世代交代もある厳しい声優の世界でどのように生き抜いてこられたのでしょうか?
「青二プロダクションに入ってよかった」ときっかけを作ってくれた神谷に改めて感謝します。

当時の2人にとって、オーディションは”オリンピック”と思っていたそうです。
そのココロは「参加することに意義があるから」。

若い頃はオーディションは落ちるものだと思っていた、と神谷。
顔を知ってもらうために、たとえ落ちてもオーディションは参加することが大事、と二人は声を揃えます。そこで引っかかった何かが自分に「来る」ことで、ここにおいでよ、と次のチャンスにつながるのだそうです。

業界最大で知られる青二プロダクション。
あらゆるジャンルのお仕事があり、普通の事務所にはないようなバラエティやナレーションなどいろいろな役柄が出来たのが良かったそう。

佐藤さん「長くやるコツはそこなんです」
神谷「アニメと外国映画だけだと難しい。長生きする人はいろんなことをやっている」

そこから、同じくベテラン声優の野沢雅子さんの話に。
佐藤さん「野沢さんは特別!あの人は化け物」
神谷「あのパワーはすごい。僕らより十(歳)上だよ」

明るく元気でムードメーカーな野沢さん。
伊豆旅行の際にも、1時間の登り降りコースを踏破する体力に驚いたと佐藤さん。

偉ぶらない人間性もまた魅力なんだとか。

楽しかった”自由な”ナレーション

アニメ『キン肉マン』に出演後も多くのアニメや外国映画で幅広い活躍をみせた佐藤さん。
「どの仕事が面白かった?」との問いに「ナレーションを自由にやらせてもらえたドラマが良かった!」と嬉しそうに振り返ります。

神谷「自分の言葉でしゃべれるとやりやすい」

また、昨今はセリフの長短までディレクターが調整する外国映画。
当時は翻訳もままならず、ダメ、合わないと感じたときには自分で翻訳文を作っていたとか。
100本ほどに及ぶ初期の外国映画の吹き替えを2本撮りしたという過酷さもあったそう。

神谷「ひどい作品だったらやだよね」

現在は大学で教鞭をとっている佐藤さん。

昔の台本から「長いもの」「短いもの」の2パターンを作成する必要があり、当時の経験は今の仕事に生きているそうです。

演技には”年の功”も必要

話題は、朗読劇『カチカチ山』の話に。
専門学校の講師を務めた時代、神谷に「タヌキの役をこんな感じに考えられない?」と粋な演出をつけたという佐藤さん。でも「学生には理解できるかな~?」と神谷。

佐藤さん「お芝居はそれがいいんだよね。いろんな発想ができる」
神谷「でも発想するには蓄積がいる」

若い頃は真似もできなくてじーっと見るだけだったベテラン俳優の演技が、何十年も経って発露してきたと神谷。
簡単そうで真似できない熟練の技について、佐藤さんは映画『生きる』(黒澤明監督)の志村喬さんの名演技を引き合いに出します。

佐藤さん「観て『いただき!』と思った」
神谷「30代で『いただき』と思ったところで、出来ない出来ない!」

現在では後進を指導する立場に。
「(大学では)声優志望の学生たちにどんなことを教えている?」と問われ、「お前さんたち、役者だよ」とハッパをかけるという佐藤さん。

どんな役どころが与えられるか現場に行くまでわからない声優業。
それだけに、役者の素養やプロフェッショナルな専門性をしっかり持たないといけないと強調する佐藤さんでした。
(nachtm)

セットリスト:
佐藤公彦 「通りゃんせ」
神谷明・日髙のり子 TALK!×3
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2019年11月23日23時12分~抜粋

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