神谷明・日髙のり子 TALK!×3

声優・中尾隆聖が衝撃告白。実はアニメが苦手だった!

ベテラン声優の中尾隆聖さんが、11月11日放送の『神谷明TALK!×3』に出演しました。

『それいけ!アンパンマン』のバイキンマン、『ドラゴンボールZ』 のフリーザの声でおなじみの中尾さんですが、代表作の多いアニメーションの仕事について衝撃告白がありました。

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みんなのための居場所

ドラマティックカンパニーという劇団を持っているほど芝居にも強い思い入れがある中尾さん、後進の育成についてはどんなことをしているのでしょうか?

中尾「自分の劇団を作って今年で26年目になるんですが、最初は劇団って作るつもりもなかったんです」

公演を重ねるにつれ、手伝いに来てる人や出演者が固まってきたことが劇団の旗揚げになったそうです。
また、中尾さん自身は児童劇団の経験はあるものの、舞台で芝居は独学でした。そのため後進には、ちゃんと勉強ができる"居場所"という意味もあるそうです。

中尾「毎年毎年入ってくれる人がいて、一年でひと通り学べるんですが、巣立って行く人もいれば、もう一回いたりとか、それぞれなんですね」
 

そこは宝の宝庫だった

中尾さんが後進を育てる時にまず教えることは何でしょう?

中尾「まずは普通に人と話せるようなことですかね。挨拶が出来るとか、そういうところから。あとは自分がキャスティングされていない稽古でも、自分がちゃんといていいんだと思ってもらえるように心がけてます。
自分の居場所があると、そこからいろんなことが生まれたり、作って行くことができると思うんです」

パーソナリティの神谷明も、自身の若い頃を振り返ります。

神谷「僕ら若い頃って、なかなか本公演に出してもらえないんだけど、稽古場にいて先輩のお芝居を見ていたことが、どれほど今の自分に影響を与えているか、自分を作ってくれたかがわかるんですよね。
その時は単なる自分の"居場所"かもしれないけれども、実は"宝庫"だったりするんだよね」

 

嬉しい後輩のアンダー

中尾「みんな、それぞれ仕事があったりすると、アンダー(代役)がつくんですけど、そのアンダーが一番稽古になるみたいですね」

先輩と面と向かってセリフを言い合う機会はなかなかありませんが、アンダーをやれば言い合えます。それゆえ、アンダーを志願する人は多いのだそうです。

中尾「気のいい演出家の方は、私が来てるのに、延々と私のアンダーにダメ出ししてるんですよ。すいません、私もういるんですけど、って感じですけど、それは見てて嬉しいですよね。後輩たちにとってはそれが一番の勉強なるんじゃないかなと思いますね」
 

神谷明も未知の領域

中尾さんの話は声優業の方へ。
まずは『おかあさんといっしょ』(NHK)の着ぐるみ人形劇「にこにこぷん」でのぽろり役が15年。さらに長いのが『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ系)のバイキンマン役が31年です。

中尾さんの長寿番組での仕事に、神谷も改めて驚きます。

神谷「うわ~、もう未知の領域。バイキンマン、見せてもらっていつも思うのが、どうしてトモちゃんは倒れないんだろう?ってこと。
キン肉マンもバイキンマンと同じような声だけどテンションはたいして上げてないんですよ。だけどトモちゃんのバイキンマンはマックスでずーっとじゃない?」
 

バイキンマンの声、誕生秘話

中尾「あれは、ぽろりをやってなかったら産まれてない声なんです」

ここからハイテンションのバイキンマン誕生の由来を話す中尾さん。アンパンマンのオーディションの話が来たのは1988年(昭和63年)のこと。

必ずキャラクターの原作と、作品がターゲットにする年齢層を確認する中尾さん、アンパンマンを確認するとターゲットが幼稚園児。『おかあさんといっしょ』のターゲット3歳児と被ります。

さらに放送日を聞くと、なんと『おかあさんといっしょ』の再放送の時間と被ることもわかりました。

「これは、素の声のままでは絶対できないなあと思って、絶対バレない声を苦肉の策で考えたのがこれ。でも絶対バレないけど絶対受からないなと思いました。
だって、あんな汚い声につぶしてねえ、ふざけてるのか?お前みたいな」

原作のやなせたかしさんもバイキンマンの声には強いこだわりがあったそうで、何十人とオーディションをした最後の方で、やっと中尾さんに決定したそうです。

「やなせ先生が『バイキンマンが一番大事な役なんで、誰もいい人いなかったら私がやりたいぐらいだ』って言うほどでした。
君に決めたからって言われた時は、ありがとうございますとは言ったものの、この声、毎週出せるかなあって。ハハハハハハ」

笑う中尾さんですが、以来この役を、平成という時代を挟んで30年以上続けているのです。
 

アメリカに行ったフリーザ

バイキンマンと同じ1988年には『ドラゴンボール』のタンバリン役で登場、90年からフリーザ役を演じています。

神谷「フリーザは中尾隆聖さんの演技の範疇っての僕はよくわかります。逆に言えばバイキンマンがあの声だからフリーザともバッティングは絶対しないね」
中尾「ありがたいことにバイキンマンはバッティングは全然しないです(笑)」

バイキンマンもフリーザも超ロングランで、ましてやフリーザは世界的に有名です。アメリカのノースカロライナ州で毎年開かれる『Animazement』というアニメイベントにも行っているそうです。

中尾「神谷さんに連れてってもらって、一年おきぐらいには行かせていただいてますね」

 

実はアニメが苦手だった

中尾「本当はこんなことあまり言うとアレなんですけど、アニメ苦手だったんです(笑)」

笑いながら衝撃的なことを言う中尾さん。

中尾「前は神谷さんを見てて、この人は各アニメの主役を片っ端からやっていて、なおかつこのパワー。偉いなあと思ってたんです。神谷さんって自分でいろんなことを発信していくわけですよ。その発信の仕方がパワフルだし、人を巻き込んで良い方向に掴んでいってくれるんですよね」

人の芝居がある分、まだ洋画の吹き替えの方ができたそうです。

中尾「どうしても、アニメのデフォルメの感じが出来なくて、俺は絶対アニメは無理だと思ってました。生きた人間だったらその芝居がわかるじゃないですか。その人の芝居にちゃんと息を合わせていけばいい。
アニメはそれが見えない。

神谷さんはそれを自分の息でちゃんと作るわけですよ。私たちはないところから作れなかった人だから。ああ、そうか。全然ないところから作ってくんだっていうのがわかってからは、それは見習いましたね」

中尾さんと神谷明の長いお付き合い。お互いリスペクトするところがあるようです。
(尾関)
 
神谷明・日髙のり子 TALK!×3
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2018年11月11日14時00分~抜粋

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