レポドラ日記

三重県尾鷲市に伝わるご当地薬味「虎の尾」

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今日は三重県尾鷲市向井に行ってきました。
こちらには昔から食べられているご当地の薬味があるんですよ。

詳しいお話を「向井の里」代表の黒 俊人さんに伺いました。



尾鷲市向井地区に昔からある薬味とは、「虎の尾」という青唐辛子です。
長さ20センチほどの細長い唐辛子で辛みは強いけど、爽やかな辛みと香りが特徴です。





漁業が盛んな三重県尾鷲市では、昔から漁師たちがいつもこの青唐辛子を船に乗せており、獲った魚を刺身にしたら薬味として一緒に食べていたんだそうです。

お刺身と言えばワサビ、と私たちは考えますが、尾鷲は山と海に囲まれており、昔は流通事情が悪かったため、ワサビを手に入れるのが難しく、その代用としてこの青唐辛子を刻んだものを使っていたんだとか。

それで黒さんも、今なおこの「虎の尾」を刻み、刺身と一緒に食べているんだそうです。





私も刺身と一緒に「虎の尾」を頂いてみました。
食べた時、ピリッと強い辛みを感じました。
が、その辛みは爽やかですっと抜けていくようでした。

他にもおそうめんの薬味として使ったり、お味噌汁やカレーの隠し味に。
(カレーの辛みとはまた違う、辛さが良いアクセントになるんだとか)

魚の煮つけに1本入れたり。
(魚の臭みがとれる!)

そしてお酒を飲む時には、丸ごと焼いて地味噌を付けて肴にするそうです。



味噌と合う唐辛子…お酒が進みそうですねぇ。
ついついもう一口食べたくなってしまう美味しさ。

「虎の尾」、万能です!!

そしてこの「虎の尾」という呼び名、実は命名されたのは最近のことなんです。

前の尾鷲市長が「この尾鷲市向井地区の伝統野菜・青唐辛子を地域の特産品にしよう!地域おこしに使おう!」と宣言し、黒さん含めた「向井の里」の会員9人で、改めて畑で栽培を始めたんです。

「虎の尾」という名前は、この時名付けられました。
由来は、唐辛子の先端の曲がった形が「虎の尾っぽ」に似ていることから。



確かに,しっぽのように先がくるんとなっていますね。

唐辛子は毎年同じ畑で同じ野菜を育てる「連作」には適していないため、毎年畑を変えながら栽培しているんだそうです。

唐辛子と言えば、米びつなどに虫除けとして入れられることもありますが、実は特有の辛いエキスを好むカメムシによって、病気などの被害もあるんです…。
しかし、「向井の里」では、なるべく農薬を使わないように頑張って育てているそうです。

今年も6月末から収穫を開始。もうすぐ出荷もスタートするそう。
ハサミで1本1本丁寧に摘み取り、毎年合計1トンほどを収穫するとのこと。収穫は毎年11月頃まで行なわれます。
今年の出来は良く、例年通り今年も1トン程収穫の見込みがあるそうです。

出荷先は地元のスーパー、尾鷲観光物産協会などだそうです。

尾鷲にお立ち寄りの際は、ぜひ「虎の尾」で、ワサビの辛みとは違った爽やかな辛みをお楽しみください。
(石坂窓花)
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