CBCレポートドライバーの石坂窓花です。
今回は三重県四日市市のお茶の会社「まるは茶業」にお邪魔しました。
到着するまでには左を見ても右を見ても壮大な茶畑が広がっていましたよ。
今回、まるは茶業と三重県が協力して、高級なお茶を作ったそうなんです。
そちらを今月から販売し始めたそうで、その名も「伊勢冠」。
有限会社まるは茶業 製造部部長の丹羽さんに詳しいお話を伺いました。
「伊勢冠」は伊勢茶の中でも高級な「かぶせ茶」を使っています。
「かぶせ茶」は収穫前のお茶の木に黒い覆いを被せて作るお茶で、日光を遮ることで渋みが抑えられ甘みの強いお茶になるそうです。
特殊な製法によって、かぶせ茶特有の香りと味わいが凝縮され、少しの量を飲んだだけで口に入れた途端に強い甘みが広がるのが特徴です。
そして濃縮されていて、ダシのような味わいがするのも特徴だそうです。
お茶でダシの味とまだ想像がつきませんね。
「伊勢のかぶせ茶の本気を体感できると思う」と語る丹羽さん。
伊勢冠はワインボトルのようなビンに入っていて、パっと見るとお茶が入っているとは思えないですね。
ビンには和紙が貼り付けられていて金の文字で「伊勢冠」。
またそのビンが桐の箱に入れられているので本当に高級感が溢れています。
そして先ほどから「高級」と何度も言っていますが、気になるお値段は…
720mlで1本2万4,840円!
小さいボトルの180mlは1本8,460円!!
お茶ですよ!?
これだけ高級なお茶になった理由はふたつあるそうです。
ひとつ目は良質で希少な茶葉を高濃度で使用していること。
茶葉は三重県が開発した「直掛け段階被覆技術」を使って栽培している農家さんの中で、さらに1つの畑を厳選してその畑の茶葉のみを使っています。
ふたつ目は特殊な抽出方法でボトリングしていること。
抽出では、茶葉の良さをゆっくり引き出し、そして無添加で保存ができるように特殊な条件で抽出する技術を採用しています。
まだ茶葉が少なくて、淹れ方に時間や技術などのコストがかかり、こだわりがつまったお茶なんです。
そもそも三重県とまるは茶業が協力してお茶を作る時に、なぜ高級なお茶にすることになったかというと、三重県の特産品の「伊勢茶」のブランド力を高めるためだそうです。
三重県はお茶の生産量が全国で3番目に多いお茶の産地ですが、伊勢茶の知名度はまだ低く、伊勢茶を知らない方の耳・目にとまるようなインパクトの強い商品を作ったそうです。
高級なお茶って茶葉で買うイメージがありましたが、これはボトルを開封してお茶わんやグラスに注ぐだけで、本物の伊勢茶を体験してもらえるように、という意味が込められているそうです。
日本茶は茶葉の特徴に合わせた淹れ方があり、それが醍醐味ではありますが、馴染みのない方にはハードルを上げてしまっています。
まず初めはこのように手軽に本物の味を味わってもらうことが、伊勢茶だけでなく、日本茶への良い入口になるのではないかということです。
一口飲むだけで、普段飲んでいるお茶との違いを感じさせる自信作だそうです。
私にもお茶の味の違いがわかるのでしょうか?
濃縮という言葉が出てきましたが、色は緑というより黄色に近くて薄いですね。
なのにお茶の良い香りが強く感じられます。
そして、一口飲んでみると…全く違う。
私が知っているお茶じゃないです。
とにかく甘い。
そして丹羽さんが「ダシ」と言われた意味がわかりました。
口の中にダシのような濃い味が広がります。
なのに後味とてもすっきり。渋みも全然ありません。
少し飲むだけで満足してしまうほど、お茶の旨みがぎゅっとつまったお茶でしたよ。
発売から2週間程たちましたが、予想以上な売れ行きで県外の方への贈答用として購入される方が多いそうですよ。
「伊勢冠」は東京にある三重テラスやまるは茶業の店舗、インターネットで購入できます。
皆さん、伊勢のかぶせ茶の本気を是非1度味わってみてください。
(石坂窓花)
有限会社まるは茶業
三重県四日市市水沢町3194-3
059-329-8477