レポドラ日記

大きくて辛い!幻の"徳山唐辛子"復活への道。

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CBCラジオレポートドライバーの清水藍です。
岐阜県本巣市にお邪魔しました。

本巣市と言えば、富有柿やまくわうりなどの特産品が有名です。

そんな本巣市で、いま新しい特産品として注目されているのが"徳山唐辛子"。



んんん!?一般的な鷹の爪より大きい!かなり大きい!

能郷営農組合の小川太郎さんにお話を伺いました。



本巣なのに"徳山"、これはかつて本巣市エリアに隣接した旧・徳山村に由来しています。
この村では、その昔"徳山唐辛子"という唐辛子が栽培されていたのです。

しかし、残念ながら徳山村は徳山ダム(2008年完成)の建設で廃村(現在は揖斐郡揖斐川町に編入)となり、唐辛子の栽培も一時的に停滞してしまいます。

そんなダム湖に沈んだ幻の唐辛子が、実は本巣市に移り住んだ旧徳山村の羽田さんによって、密かに自宅で栽培されていたのです!

旧徳山村では、家にみかんの木を植えるような感覚で、各家庭で徳山唐辛子を栽培していたんだそう。

そんな徳山唐辛子、なんといっても大きさがケタ違い!
一般的に「鷹の爪」と呼ばれる形とは違い、ピーマンやシシトウに近い感じです。
乾燥したものでも5cmくらいはありますが、生の状態では7~10cmにもなるそう!

そして辛さも市販の一味唐辛子に比べて1.6倍なんだとか。
1.6倍の辛さがどれ程のものかというと、調理する時は汁で手が腫れたり目が痛んだりする場合があるので手袋の着用をオススメするほど。

食べ方も独特です。
例えば、塩を振って漬物として野菜と一緒に漬け込んだり、「地獄うどん」の材料に使ったり…

「地獄うどん」とは、みんなが集まる機会に、大きい鍋へ徳山唐辛子を入れて湯を沸かし、その辛味と香りが染み出たお湯でうどんを茹でる、旧徳山村の郷土料理です。



寒い地域だったがゆえに、身体を温めるように食べていたんだそうです。

中継ではそんな「地獄うどん」をいただきました。



お好みでサバの缶詰やネギをしょうゆベースのおつゆで…

見た目は真っ赤というわけではなく一般的なうどん。
しかし、そのお出汁にはしっかりと徳山唐辛子のエキスが…



一口頂くと、そのピリりとした辛さにビックリ。
喉から食道…胃まで、じんわりと温かくなりました。



寒い冬にはピッタリです。

また南北に長い本巣市。
特産物の富有柿も北部の方では上手く育ちません。
さらに、本巣市には山も多く、過疎化と相まってシカやイノシシなどの獣害が多い地域なのです。

そこで、有害鳥獣が食べない作物としてこの"徳山唐辛子"に注目が集まっています!

現在栽培しているのは能郷営農組合のみで生産量が少なく、ほとんど市場には出回っていません。
しかし今後は、さらに認知度を上げる活動を行いながら生産者も増やして行きたい、と意気込みを語っていただきました。

ダム湖に沈んだと思われていた幻の唐辛子・徳山唐辛子。
心も身体もあったまる新しい本巣市の特産品ですね。



みなさん、ありがとうございました。
(清水藍)
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