北野誠のズバリ

突然の発作!これが男性の更年期障害なのか?

最近は女性だけでなく、男性にも更年期障害があることが知られています。

4月5日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』には、60歳の男性から相談が寄せられました。
激しい発作があったこの男性、更年期障害が原因ではないかと考えているようです。

この相談に、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が回答します。

[この番組の画像一覧を見る]

突然の発作

まずは詳しい相談内容です。

「太り気味で喘息持ち、血圧血糖値で薬を服用中です。先日、夜中に急な呼吸困難、動悸、吐き気、めまいに襲われました。季節の変わり目の喘息発作と思い、吸入器を使用するもおさまらず、小一時間ほどのたうちまわり、翌日受診しました。

心電図とレントゲンでは異常なし。結果『更年期障害では?』となり、投薬もなし。『苦しくなったらまた来てね』で終わりでした。

幸いそれから症状は出ていないのですが、また、あの苦しみが襲ってくるのかと思うと寝るのが怖い日々です。何か改善方法はありますでしょうか」(Aさん)

かなり激しい発作のようですが、いったい何が原因だったのでしょうか?

更年期障害とは

最近、男性にも更年期障害があることが知られてきましたが、もともと更年期障害とはどういうものなのでしょうか?

吉田「更年期障害は性ホルモンの分泌量が低下することによって、身体的、メンタル面の症状が起きることです。

女性の場合は卵巣でエストロゲンという女性ホルモンが作られる量が低下してしまう。男性の場合は、正式には、加齢性腺機能低下症といいますが、精巣(睾丸)でテストステロンという男性ホルモンが作られる量が低下するために起きるものです」

男性は抑うつ的に

男性と女性では、症状などに違いがあるのでしょうか?

吉田「減少するホルモンの種類が違うのと、プロセスが異なるのは大きいです。
女性の場合は、ホットフラッシュ、動悸、息切れ、めまい、便秘、吐き気など身体的なものが出やすいです。

一方、男性の場合、同じような身体的な症状もでますが、メンタル面の症状がよりはっきりと出やすいというのが特徴です。

女性の場合もイライラしやすいといいますが、男性の場合もイライラすることはありますが、それ以上に圧倒的に多いのが、抑うつ症状、つまりうつ病のようになってしまって、実際以前はうつ病と誤診されることが多かったです」

男性ホルモンの量を調べる

今回の相談者・Aさんはどうなのでしょうか?

吉田「男性の場合もなんらかの原因で男性ホルモンの量が急激に減った場合は、同じように身体的な症状が出ます。
特に仕事や生活環境の変化で激しいストレスを受けた時とか、あるいは、肝臓、腎臓の病気の結果、男性ホルモンが急激に少なくなることがあり、男性でもこういう場合の更年期障害には身体的な症状が出やすいです」

(Aさんは)内科で診察を受けたと思いますが、次にやるべきことは泌尿器科、できれば男性の更年期障害に力を入れているクリニックを受診して、血液検査をうけて男性ホルモンの量を測定したら、更年期障害かどうかはすぐわかります」

低血糖の発作?

吉田「私の推測ですが、相談者の場合は、最も可能性が高いのは低血糖の発作だと思います。血糖値を下げる薬を飲んでいると書いていますが、糖尿病だと思います。
普段は血糖値が高いですが、一時的に薬が効きすぎて血糖値が下がりすぎて発作を起こすことがあります。

息苦しい、動悸、吐き気、めまい、いずれも低血糖発作の典型的な症状です。
しかも発作の時はすごく激しい症状ですが、それを過ぎたら検査結果は『異常なし』。これ、すべて低血糖発作に合致しています。

次にやっていただきたいのは、血糖値を下げる薬を処方した医者に相談することです。もしそうなら、薬の量や種類を変えたり、飲み方の指導をしてくれます。

低血糖の発作は命を落とすこともあります。緊急避難的には、発作が出たら糖分を補給することです。ホテルにチョコレートを置いているのは低血糖の発作の対策のためです」

Aさんの場合は低血糖から起こった症状であることが濃厚ですが、念のため更年期障害についても受診する方がよさそうです。
(みず)
 
北野誠のズバリ
この記事をで聴く

2024年04月05日14時12分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報