北野誠のズバリ

自転車の「防犯登録」が必要な理由って何?

身近な疑問・質問・お悩みを解決する『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)、「ズバリ法律相談室」のコーナー。

1月10日の放送では、「自転車の防犯登録は何のため?」というAさんからの質問を取り上げました。
自転車を買って防犯登録をしたものの、どう考えてもメリットがなさそうだというのです。自転車の防犯登録は断っても良いのでしょうか?

オリンピア法律事務所の原武之弁護士が、この質問に答えました。

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登録しても意味がない?

「自転車を買いました。当たり前のように防犯登録をして、登録料を2,000円くらい払いました。これって何なのですか?何に使われるお金なんですか?」(Aさん)

盗まれても警察は探してくれない。
数年後に放置自転車の中から見つかったとしても、僻地の保管施設まで自腹で受け取りに行くのも一苦労。

行ったところで、タイヤがパンクしていれば持ち帰るのもまた大変。そもそも通勤用であればすぐに買い換えているはず、というのです。

「だったら初めから登録しないと断ってもいいのでしょうか?」(Aさん)

法律で定められた「登録義務」

原弁護士によると、自転車の防犯登録は「必要」とのこと。

「自転車の安全利用の促進および自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」では「防犯登録をすることは義務」とされているそうです。

とはいえあくまでも「登録義務」で、何かしらの罰則があるわけではありません。

登録料は全国の自治体によって異なりますが、愛知県の場合は600円。各地方自治体が委託をしている団体がそれぞれ金額を決めているため、違いが生じているようです。

職質で時間がかかる

防犯登録をしていない、またはシールが剥がれてしまった自転車は呼び止められることが多いといいます。

北野誠「防犯登録を付けてないと、やたら職質(職務質問)にあいますもんね」

原弁護士「結局罰則がなくても、職質の時に所有確認ができないので、すごく時間がかかるとか」

自転車を譲り受けたあとに登録を変更していない場合も、所有確認に30分~1時間待たされてしまうこともあるそうです。

保険料も含む「諸経費パック」

Aさんが払った2,000円のうち、防犯登録料の600円を引いた残りの1,400円は「保険料」だと思われます。

現在、自転車保険は加入義務化されているため、大手の自転車店で購入をすると「諸経費パック」として防犯登録料と保険料をセットで支払うようになっているようです。

北野「この登録料金は何に使われているんですかね?」

原弁護士「たぶん広報とかじゃないのかなと思うんですけど。愛知県の自転車防犯登録協会とかを見てみたんですけど、何に使われているかは書いていない」

北野「当然、愛知県自転車防犯登録協会の人も働いておられるから。当然給料もいりますからね」

自分の自転車でも罪に問われる?

例えば、盗まれた自分の自転車が他人の家の庭に置いてあった場合、勝手に持ち帰っても良いのでしょうか?

答えは「ノー」。

原弁護士「自分の自転車だと確信を持っていたとしても、持って行ってしまうと窃盗になります」

自分の自転車を見つけた場合にまずすることは、警察を呼ぶこと。
警察の立会いのもとで回収作業を行わないと、自分が逆に罪に問われることになってしまいます。
その際「自分の自転車である」という証明のために、やはり防犯登録は必要です。

北野「罰則はないけど、義務付けられてるのやったら、やっとかなあかんのですよね」

原弁護士「自分の方だと証明する手段だと思うと、いい制度ですよね。それさえ登録していれば、間違いなく自分の物だと認めてもらえるっていう」

結論。自転車の防犯登録は義務であり、必要なことでもあります。
(minto)
 
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2024年01月10日14時16分~抜粋

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