北野誠のズバリ

「パパ活女子」に医療従事者が多い理由

『北野誠のズバリサタデー』、話題の本の著者にインタビューする「ズバリこの人に聞きたい」のコーナー。

2月12日の放送では、『パパ活女子』(幻冬舎新書)の著者でノンフィクション作家の中村淳彦さんに「パパ活の現状」について伺いました。

「パパ活」は、1990年代半ばに登場した「援助交際」に取って変わり、2015年前後に使われるようになった言葉。
最近では、コロナ禍で困窮した女性たちが一気に増えているそうです。

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みんながやってるパパ活

金銭を介した男女のお付き合いといった意味合いで捉えられることが多い「パパ活」。利用者はお金が目的の若い女性と、疑似恋愛を求める社会的地位の高い中年男性といわれています。

中村さんが定義するパパ活は、「デートをして、その見返りに男性からお金をもらうこと」「18歳以上ということ」「誰にも管理されていなくて、自分で決めていること」。

『パパ活女子』を読んで、「さまざまな女性がパパ活をやってるんですね」と感想を抱いた北野。これに、「雑に言えば、みんながみんなやってるような状況」と中村さん。

給料が少ないために生活に困窮している女性がメインで、現在は女子大生と医療従事者が多いそうです。
 

恋活や婚活と変わらない?

医療従事者にパパ活が流行る理由は、女性ばかりの職場で口コミで広がるため。
「私もやってるから、あなたもやりなよ」「大丈夫だって」と、軽いノリで広がっているといいます。

一方男性は、40~50代の社会的地位の高い人が多いことが特徴で、主に中小企業の経営者など。

「パパ活が危険だ危険だって、危険な部分は当然あるんですけど。社会的地位の高い人がやってるんで、恋愛の恋活や婚活と対して変わらない。自分の仕事もあるので、暴力的なことをする人は少ない」と中村さん。

「言われているほど危険ではない」というのが、パパ活の現状だといいます。
 

「妻と人生を終わるのは…」

現在はパパ活をしたい女性が増えすぎていて、男性を取り合っている状況。

男性の多くは家庭が壊れている人で、「このまま妻と人生を終わるのは納得できない」と諦めきれていない人が多いそうです。

「ある程度お金もあるし、妻とも冷え切ってるし。でもときめきが欲しいし」と、即座にパパ活男性の脳内を理解した北野に、「その通りです」と中村さん。

中村さんによると、女性がコロナ禍で仕事を失った場合、「じゃあパパ活やれば?」という流れになっているといいます。
 

やらないと「あの子変わってる」

北野「SNSで知り合うのに抵抗がないのかなっていうところですよね」
中村さん「抵抗が薄いのは当然だし。そういうこと以前にお金がなくて生活できないとか」

北野「とりあえず、そっちの方が先に立つわけですね」
中村さん「お金がないのが先に来るし。とにかく『仕事が急になくなっちゃった、どうしよう、じゃあパパ活やろう』っていうのはすごくわかる話ですね」

生活に困窮した女性がパパ活に向かうのは、ごく自然な流れだと中村さん。

「同じクラスの子も同じ職場の子もやってるから。やらない方が『あの子変わってる』と言われる状況」なんだそう。

空想・妄想・幻想

「40歳を超える女性は大苦戦してますね」と中村さん。

中村さんによると「若い女性が好きというのは、日本男性の独特な好み。欧米は年齢を認める文化があるものの日本はないので、やっぱり若い子にみんな群がっちゃうような感じ」なんだとか。

「キャバクラで1万円使うんやったら、お茶飲んで1時間1万円だったら変わらんかって思った」という北野に、「そういう感覚なんでしょう。キャバクラが客を取られちゃってる部分もあるでしょうし」と中村さん。

北野は、「キャバクラに行ったら、綺麗やけどすれてる女の子。こっちは素人で、『すれてない子と会えるから、こっちの方がいいじゃん?』」と語り、「これも男の幻想ですけどね」と笑います。

「本当に“空想と妄想と幻想”で男たちは成り立っているんだといつも思う」と、北野が以前より唱えている男の三要素を挙げます。
 

50代男性の家庭が壊れている

パパ活女子が広がる日本について「結局、何が起きてるんですかね?」と尋ねる北野に、「男尊女卑が根深い国だからこういうことが起るというのは言われている。女性が貧しいのは可視化されている」と中村さん。

そんな中で中村さんが気になっているのは、「50代男性の家庭が壊れている」ということ。

中村さん「妻が離婚してくれないらしいんですよね。それにみんながすごく悩んでいて。結婚制度とか1人の人と20年、30年っていうのは。今までの制度とか流れに、限界が来ているんじゃないかなっていうのは見ていて思いました」

若い女性の貧困化と、崩壊しかけている日本の婚姻制度がパパ活を促進しているようです。
 

人間の欲望が赤裸々に

「50代の男性と仲が悪いのは専業主婦」と中村さん。

「お茶くみで入社して寿退社してというのは、50代が最後の世代。その男性の悩みがこんなに深いんだ」と感じたと言います。

中村さん「不幸ですよね。妻と憎しみあうくらい嫌っちゃってるっていうのは」
北野「でも離婚はしないっていうことなんでしょうね」

「興味深かったですけど、読み終わったあと疲れました」と北野から本音が飛び出します。

「人間の欲望がここまで赤裸々に出てる本は、なかなかないかなと思いましたね」と語る北野でした。

『パパ活女子』(幻冬舎新書)中村淳彦 著 
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2022年02月12日10時29分~抜粋

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