脳科学で解明!人はなぜ不倫バッシングを行うのか?

北野誠のズバリ / ライフ・ヘルスケア

今年の芸能ニュースも不倫の記事があふれかえっていましたが、最近特に不倫によるバッシングが多いのはなぜなのでしょうか。

12月8日放送『北野誠のズバリサタデー』の特別企画は「不倫を科学する」と題して、脳科学者の中野信子先生が登場しました。

中野先生の著書『不倫』(文春新書)では、一部の人間が不倫をしてしまう脳のメカニズムや遺伝子、不倫を叩く理由などについて説明されています。
ここでは、芸能人に対して激化しているバッシングについて取り上げます。
聞き手は、北野誠とITジャーナリスト・井上トシユキです。

利害関係のない芸能人を叩く理由

日本は一夫一婦制であり、不倫がモラル的に許されないことは常識です。

一方で、自分のパートナーならともなく、芸能人が不倫をしていても、自分には関係がないはず。それでもバッシングをするのは、なぜなのでしょうか。

北野「SNSでしょうね。だってSNSがなかったら、こんなバッシングとかワーワー言ってなかったもん」

中野先生「ワーワー言ってたとしても、その声が見えにくかったですよね。週刊誌の売り上げとか間接的に見えていたものが、今は言葉で見えちゃう」

視聴者の意見が載るのは、昔はせいぜい新聞や雑誌の投書欄ぐらいでしたので、批判が起こっていたとしても、世間一般には広まらなかったのかもしれません。

北野「ある一定数、正義を振りかざすのが好きな人がいるんですね」

中野先生「ある一定数というか、ほとんどの人がそうなんですよ。口に出すか出さないかはさておき『この人は1人だけ得してるな』とか、『(自分は)我慢して何もしないでいるのに、あの人は自由にやり過ぎてる、けしからん!』 っていう」

自分とは関係ない芸能人ですが、フリーライダー(タダ乗り)とみなして、バッシングするのだそうです。

中野先生「みんなが我慢して、社会のルールというリソースを保持しているのに、1人だけそれに乗っかってズルしてる奴がいるとなると、その人をみんなで寄ってたかって、手を変えさせるか、出ていってもらうかしないと社会のルールが壊れちゃうので、先んじて攻撃しようというメカニズムがあるんですね」
 

バッシング中は興奮状態

話はさらにバッシング側の心理に及びます。

北野「攻撃してる時は楽しいんですか?」

中野先生「あれこそドーパミンが出るんですよ」

井上「だって絶対安全地帯からだもん。自分たちが悪いことは何もないんだから。
もう一ついるのが、自分も不倫してるんだけど、フリーライダーで自分が責められるから、ここは(バッシングに)乗っかっとけっていうフリーフリーライダーが、少なからずいると思うんですよね」

北野「この風潮はネットがある限り、なくならないですよね」

中野先生「社会の方が個人より重要と思われている限り、なくなることはないですね」
 
不倫をバッシングする社会はモラルが高いとも言えますが、問題点もあると言います。

北野「少子化を考えた時に、日本の社会ってかなり窮屈やなと思いますね」

中野先生「そうですね。社会性が高すぎて閉塞感がある。仲間であることが個人より優先されてしまって、1人だけ『妊娠しました』って言うと、すごく白い目で見られてしまったりとか。同僚の女性たちから『私は結婚はまだなのに』ってモヤっとした気持ちを持たれてしまったり。
おめでたいことなのに、1人だけおめでたいことが起こると、攻撃されるという。怖いからマタニティマークを付けられないという人もいます」

そして、この風潮が日本の少子化と多少関係しているという話になります。

北野「フランスみたいに婚外子も国が育てるんやという方針なら、出生率はガッと上がるんですけど」

中野先生「日本の中絶率は年間10万件、20万件とすごく多く言われてますよね。その子たちがなぜ生まれてこなかったかというと、婚外子だからという可能性もあったりして。
すべて生まれていたと仮定すると、人口減にはならないじゃないかっていう」

北野「日本はまだ家父長制度とか、同調圧力とか、すごい強い国やなとは思いますね」

中野先生「異様に強い国ですね。世界でもちょっと特殊な感じだと思うんですけど。
社会性を決めるのは、実は"愛着"と関連していて、何も1対1の関係だけでできているわけじゃなくて、社会全体の仲間同士の結びつきの強さも反映されるんですよ。
ルールから逸脱しないかどうか、みんなが相互に監視し合っている社会ですね」

北野「監視社会って疲れてくるじゃないですか。そうすると、人との関係は距離感を置いている方がいいやって、本能的に避けていこうってことになると、恋愛もなかなか起こりにくいやろうな」

何も不倫を推奨しているわけではありませんが、難しい問題をはらんでおり、この本では最後に「不倫はなくならない」「人が不倫をバッシングすることもなくならない」という結論には至っています。
(岡本)
 
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2018年12月08日10時28分~抜粋

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