おにぎりやラーメンなど、様々な料理に欠かせない海苔。
いま海苔の養殖が大打撃を受けています。原因の1つは、海の海流の流れにありました。
6月1日に放送されたCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』「SDGsのつボ」コーナーは、「黒潮大蛇行による影響」についての話題です。
海苔をクロダイが食べる?
小高直子アナウンサーが話し始めたのは、ラーメンに乗っている海苔をいつ食べるか問題。
5月27日の『つボイノリオの聞けば聞くほど』内で多くの投稿が寄せられました。
つボイノリオ「非常に大きな問題ですね」
小高「パリパリのうちに食べる派、しなしなが好き派など、たくさんおたよりをいただきました」
届いたメッセージに、気になるものがありました。
「海苔をいつ食べるかなんて言ってる場合じゃないかもしれませんよ?養殖場の海苔がクロダイに食べられて、大変なことになっているらしいです」(Aさん)
クロダイが先に養殖の海苔を食べたら、人間に回って来なくなると心配するつボイに対し、小高は。実際に大変な問題になっていると話しました。
原因は黒潮大蛇行?
最近、東京や兵庫・千葉・香川・三重などにあるノリの養殖場で育てている海苔が、クロダイの群れに食べられ、収穫量が激減する事態になっています。
さまざまな原因が考えられるようですが、一番大きな理由は海の栄養不足。
本来、魚が食べている海藻類が育たなくなり、エサに困ったクロダイや小魚たちが養殖している海苔を食べ始めました。
ネット上の写真を見た小高は、本来はびっしりと海苔が付いている網が、まるでバリカンで刈り取られたようものもあると驚きます。
海の栄養不足の一因と言われているのが黒潮大蛇行。黒潮が本来通る海域を流れず、大きくうねって流れることです。
黒潮は通常、日本の南西から和歌山の沖合に近づき、日本列島に沿って北東に流れていく温かい海流。しかし、大蛇行になると本州から大きく離れたルートをうねって流れます。
およそですが、四国沖から和歌山・伊勢湾などのあたりを避けるように太平洋側へ蛇行するため、前述の海域の水温が下がる冷水域ができるのです。
海藻が育たない反面、魚が元気に
では、黒潮大蛇行が終われば海苔の養殖も被害を受けずに済むのでしょうか?
1年程度で終わることもあれば、数年続くこともあります。
現在の現象は2017年から4年9カ月続いており、過去最長となっているんだとか。
黒潮大蛇行が起こると、水温をはじめ様々な影響が出てきますが、今は栄養がなくて海苔や海藻が育ちにくい反面、クロダイなどの魚が活発になる水温になっています。
小高「魚が元気になって、ご飯ちょうだい!海苔ちょうだい!って。もともと海苔が育ちにくい環境なのに、さらに魚が食べちゃう」
つボイ「前にね、三重県の方からおたよりをいただきましたけど。海藻が育たない磯焼けで危機感を覚えていらっしゃるってことでした。具体的にはこういうことに繋がっていくと」
海苔だけではなく、他の漁業にも影響を及ぼしている黒潮大蛇行。
海の温暖化だけでなく、人間がコントロールできない自然現象によっても大きな影響を受けていることがわかります。
黒潮大蛇行の件は引き続投稿を募集して、来週も触れていきたいと締めくくりました。
「SDGs(エスディージーズ)」とは、「誰一人取り残さない」という考えに基づき、誰もが人間らしく生きる環境を作るため、国連で採択された17個の持続可能な開発目標のこと。
『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーは、小高直子アナウンサーが一見難しそうなSDGsについて、わかりやすく説明しています。
(葉月智世)
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2022年06月01日11時34分~抜粋