多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

日本の淡水魚が絶滅の危機!私たち人間ができることとは

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)、毎週木曜日の「愛ちゃんと木村先生」は、加藤愛アナウンサーが、三重大学名誉教授でおさかな博士の木村清志先生から魚に関するあれこれを学ぶコーナーです。

3月28日、このコーナーの最終回には、魚全般の現状、そして人と魚の関わりについて教えてもらいました。

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見た目は同じ、遺伝子は異なる

最近、あらゆる分野で「遺伝子の解析」が進んでいます。

これまで魚の分類や系統の研究を行ってきた木村先生ですが、この遺伝子の解析が進むことで、よりわかるようになったり、わからなくなったりすることが増えてきたそうです。

木村先生「これまでわからなかったことが、遺伝子を使った解析でずいぶんわかってきた。ただ、魚の中には形が一緒で、遺伝子だけ違うという、もうどうしたらいいのかわからないのも出てきます」

見た目では違いが全くわからないのに、遺伝子は異なる。

木村先生「形で分けられないのは、我々は本当に悔しくて悔しくて仕方がないんですけど」

見た目は違う、遺伝子は同じ

さらに逆もあるそうです。

木村先生「形がすごく違うのに、遺伝子はほとんど違わない。これもまた問題で、どうしていいのかわからなくなって」

魚は人間よりも地球における歴史が長いため、いろいろと複雑なことが起こっているといいます。

木村先生「いつまで経ってもわからない。生態にしても、わかったようなことを言ってますが、実際それとは違うことが多々出てくるわけですよね」

なんとも研究者泣かせです。

長年に渡り、魚を研究してきた木村先生。これまでに木村先生と仲間と一緒に見つけた新種が53種あるそうです。

木村先生「それぐらいわかってないんですよね」

絶滅危機にある日本の淡水魚

魚の世界でも「絶滅の危機」という言葉がよく聞かれます。
中でも日本の淡水魚が「絶滅の危機」にさらされているそうです。

木村先生「日本の淡水魚は本当に危ないものがいっぱいいます。今の自然を、我々から後の世代にずっとこのまま残していきたい」

中には、日本にしか生息していない魚もたくさんいるそうです。

木村先生「遺伝子が地域ごとに異なることは、淡水魚ではよくあります。それを保護していくのが重要です」

工事で生息場所を潰すことも問題ですが、最も大きな問題は、ペットショップで買ったものが飼えなくなり、放してしまうこと。

木村先生「そういうところを考えていただいて、ありのままの自然が残るように進めていってほしいなと思います」

安易な行動が、遺伝子レベルの生態系の破壊につながりかねません。

食べることと守ること

最後に改めて、我々人類にとって魚とはどういった存在なのでしょうか?

木村先生「まず、魚は食料。これが一番。でも、資源は考えていかないと枯渇するかもしれない。我々のお腹を膨らませて、彼らもずっと生きながらえるような施策を考えていかなあかんでしょうね」

1年間に渡り、木村先生から多くのことを教えてもらった加藤は、人類よりも長い歴史がある魚には、まだまだ未知なことが多いということを学んだといいます。

加藤「食べること自体私も大好きなので、これからも魚をたくさん食べますが、同時にどう守っていくかというのを、考えていかなきゃいけないなと思いました」

人間にとって身近な魚について、関心を持ち続けたいと宣言した加藤でした。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2024年03月28日08時30分~抜粋

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