板東サンデー

レジェンド始球式に登板する板東英二が語る、プロ&アマ甲子園の思い出

5日から開催中の「第100回全国高校野球選手権大会」では、甲子園を沸かせた元球児による「甲子園レジェンド始球式」が毎日開催されています。
松井秀喜、桑田真澄というビッグネームとともに、名前を連ねた板東英二はこの記事公開の16日に登板予定です。

その板東がパーソナリティを務める8/12の『板東サンデー』では、アシスタントでCBCアナウンサー加藤由香を前に甲子園の思い出を語ります。

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徳島商業校歌秘話

前週は番組冒頭いきなり母校・徳島商業高校の校歌を歌い上げた板東。1958年夏の大会に出場して以来、約60年ぶりの甲子園です。
そして今回もオープニングは校歌を歌いながら始まりました。

そんなにブランクがありながらなぜ歌えるのかは、前週板東が話しました。その内容をざっくり説明しましょう。

終戦後、学制改革により高校は一旦統合され、1つの学校に普通科と専門学科を併設しました。しかし間もなくその体制は崩れ専門学科が独立し、商業・工業・農業・水産高校が出来ていきました。その流れで1952年に生まれた徳島商業には、当初校歌がなかったのです。

しかし、やがて校歌が早急に必要になる事態になります。
板東は、1年生の夏に甲子園のベンチ入りを果たし、3年生の夏ではエースとして大活躍しました。

「1年の時に甲子園出場が決まって、校歌を歌わなきゃいけないということで急きょ校歌を作ってもらった。野球の猛練習の後、毎晩歌の練習もしていた。しかし初戦で京都の平安高校に敗れ(0対4)、歌うことなく終わった」

毎日歌の練習をしていたので校歌がしっかり頭に残っていたんでしょうね。

カーブが投げられない理由とは

さて、「1大会通算83奪三振」という記録を打ち立てている板東は、16日(木)“レジェンド始球式”に登板します。

天気予報では雨天が予想されていますが、もし試合が順延となった場合、基本的に各レジェンドの登板日はズレないようです。つまり、翌日にスライドすることなく登板は流れるということです。
ただ、雨で日程がズレて当初の予定にない日に試合が組まれた場合、後日登板者が検討されるようです。ここで復活登板があるかもしれません。

その始球式でどんな球種を投げようかという話になりました。

「僕は真っ直ぐとフォークしか投げてませんので。カーブは投げられないんです」と言う板東。
実は、生まれつき右手の中指と薬指の神経が繋がっており、別々に動かすことができないのです。カーブの握り方は、中指と薬指が思いっきり離れるので、板東は投げられないのです。

このことに気付いたのが、何とプロ入りしてから。名古屋大学の医学部で診てもらって判明したんだとか。それまではこれが普通だと思って投げていたんだそう。それであの大記録ができるのですから、凄いですよね。

カーブが投げられないのがプロとして悔しかった板東は一度、巨人戦で試しにカーブを投げてみたそうです。するとボールは制御できず見事に巨人ベンチへ飛び込んでいったのでした。

「始球式でカーブ投げたろかいなと思ってるんです」と冗談めいて言う板東を、必死に止める加藤アナなのでした。

甲子園の一塁ベンチに!?

この日の『板東サンデー』の後は、ナゴヤドームで中日対ヤクルトの実況中継が行われます。実況担当の高田寛之アナが登場し、試合前の状況を伝えるコーナーで、レジェンド始球式についてある情報を伝えてくれました。

野球解説者の牛島和彦さんもさる8日にレジェンド始球式に登板しました。
その牛島さんから聞いたところ、甲子園球場の一塁側からマウンドに出ていったことが新鮮だったそうです。プロではビジターの三塁側ベンチなので、そんなことは有り得なかったですからね。

それを聞いた板東が、意外な事実を明かします。

「私たちは、阪神タイガースのいる一塁側ベンチに2試合座っているんですよ!

これはどういうことでしょう?板東が続けます。

「伊勢湾台風という大変な台風が、昭和34年(1959)に襲って来たんです。その時に名古屋の球場は使えませんでした。バックスクリーンからスコアボードから何から全部吹っ飛んで。そして、潮が満ちてくるとベンチまで水浸しだったんで、そこから、他球場で中日の主催ゲームをやるようになるわけです。だから、甲子園で"中日対阪神戦"をやったんです」

そのため中日ドラゴンズがホーム側として、一塁ベンチに座ったのでした。まさしくレジェンド(伝説)的な話ですね。

潮が満ちると、ベンチはあっという間に水が溢れ出し、椅子の上に立たなければならなかったほどと語る板東。「1秒あるかないかの瞬時でウォーッと水が来るんですから。それがあるから水害は大変なんです」と、注意喚起をするのでした。
(岡戸孝宏)
板東サンデー
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2018年08月12日13時00分~抜粋

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