多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

知っておきたい!こどもがけいれんを起こしたら?

専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)のコーナー「健康で生きる」。

3月のテーマは「小児科の診療」です。
22日の放送では大同病院・小児科部長の浅井雅美先生が「こどものけいれん」について解説します。

聞き手は多田しげおです。

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原因や症状

小児科は、新生児期から思春期(15才、中学3年生ころ)までを対象として診療を行っていますが、病気の治療はもちろん、成長・発達の相談や健診、予防接種等、子どもの成長・健康全てに関わっています。

多田「こどものけいれん、その原因はどこにあるのでしょうか?」        

浅井先生「小児期は最もけいれんを起こしやすい時期です。けいれんのほとんどが『熱性けいれん』です。
しかし熱がなくてもけいれんを起こすことはあり、その原因はてんかん、脳内の腫瘍、電解質異常など様々な原因があります」

多田「熱性けいれんはどういう時に起きるのでしょうか?」

浅井先生「熱性けいれんは6か月から5歳までに、発熱時に起きるけいれんです。
5%くらいの割合で起こすと言われています。熱の上がり際に起きることが多いです」

多田「けいれんを起こした時の症状にはどのようなものがありますか?」

浅井先生「意識がなく、左右対称に手足をガクガクして白目を向いて顔色が悪くなります。ほとんどは5分以内に自然に止まります」

実際にけいれんを起こしたら…

多田「親御さんは焦ってしまうと思いますが、もしけいれんを起こしたらどうしたら良いでしょうか?」

浅井先生「楽な体位で横に寝させて、吐くこともあるので顔や身体を横向きにして息が詰まらないようにしましょう。

舌を噛むかもと思って口に物を入れるのは、呼吸が出来なくなったり刺激になったりするのでやらないで下さい。

5分以上続くけいれんの場合は救急車で病院に受診して下さい。

熱性けいれんと思っていたら、髄膜炎や急性脳症などの重い病気の時もあるので、けいれんが止まった後の意識レベルの回復も大切です。意識レベルが悪い時も病院に受診して下さい」

熱がない場合も

多田「熱がない時も起こすことはあるものですか?」

浅井先生「熱性けいれんを繰り返し起こすこどもは約30%です。繰り返す場合はけいれん予防の座薬を使うこともあります。

熱がない時に起こし、けいれんの原因で最も多いのがてんかんです。
てんかんは『てんかん発作』を繰り返す脳の病気です。

てんかん発作は脳の神経細胞の電気的な興奮によって起こり、小児期から高齢者まで幅広く発症します。てんかん発作の形も様々です。

てんかんを疑ったら脳波検査を受けて、MRI検査なども受けてしっかり診断をつけていただいて投薬、というのが一般的です」

今回は大同病院・小児科部長の浅井雅美先生が「こどものけいれん」について解説しました。
(新海 優・Yuu Shinkai)
 
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2023年03月22日08時12分~抜粋

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