1月3日、元力士で落語家の三遊亭歌武蔵が『歌武蔵のらじちゃんこ 初笑い!新春スペシャル!!』で、元横綱日馬富士(伊勢ケ浜部屋)が起こした貴ノ岩(貴乃花部屋)への暴行事件について語りました。
そのコーナーは「大相撲新春ちゃんこ放談」。ゲストの漫才コンビ、ロケット団の三浦昌朗さんと倉本剛さんも興味津々でした。
番組のお知らせ
元力士の落語家・三遊亭歌武蔵が解説。貴乃花VS相撲協会
CBCも油断できない?
「ご案内の通り、昨年末から公益財団法人日本相撲協会にいろいろと問題が起きました。毎日のようにワイドショーでやってますけども、三浦さんはどういう風にお考えですか?」
歌武蔵のフリで、トリオ漫才のような展開が始まりました。
三浦「貴乃花親方の服装が…」
倉本「それはいいんだよ」
三浦「サングラスを止めればいいのに」
倉本「マスコミはあの写真狙ってますよね」
歌武蔵「貴ノ岩も貴乃花も、本当に悪い顔ばっかりワイドショーが使うのよ」
倉本「凄いですよね。意図的に狙ってますよね」
歌武蔵「そうだよ。マスコミって、ああ、こういうことなんだなって思った。気をつけろよ。CBCだって、今は寿司なんかでごまかしてるけど、いつ掌返すかわかんないぞ」
三浦「ごまかしてるわけじゃないですからね」
時間を拡張しての新春スペシャルということで、スタジオにはお寿司が用意されていました。
相撲協会ごたごたのおさらい
昨年11月、元横綱日馬富士(伊勢ケ浜部屋)が貴ノ岩(貴乃花部屋)を殴打したことが発覚し傷害事件へ。事件の対応を巡って日本相撲協会と、被害者である貴ノ岩が所属する貴乃花部屋の貴乃花親方が対立します。
12月28日、日本相撲協会は臨時理事会を開いて、貴乃花親方の日本相撲協会の理事解任と2階級降格を決議しました。この決議が今度は評議員会で協議され、貴乃花親方の降格が決まります。
7人の評議員会って何?
「明日(4日)評議員会があります。貴乃花を降格にしたいって言うのが理事会の意向」
歌武蔵の解説どおり、4日には貴乃花親方の理事解任が発表されました。
この理事会の決定を、決めるのが7人の評議員でできた評議員会です。
「7人の内、元力士が3人。全くの堅気っていうか素人衆っていうか、あの池坊さん含めた有識者って言われてるのが4人。有識者といっても、たいして知識もないんだけど」
池坊さんとは池坊保子さん。元政治家で華道家。ワイドショーに引っ張りだこなのですが、加害者の日馬富士擁護の発言が世間とずれていて、これにはあのビートたけしさんもお怒りです。
相撲協会だけで決められない理由
「この中の3人のお相撲さん、雅山、大竜、大徹。全部、元ですよ。これは親方の名前じゃないんです。みんな本名なんです。評議員会は四股名、親方名はダメなんです。全部本名じゃないと」
評議員の名前を調べてみると、3人の元力士は本名で出て来ました。雅山は竹内雅人。大竜は佐藤忠博。大徹は南忠晃となっています。雅山は、藤島部屋付きの年寄、二子山雅高として後進の指導に当たっていますが、現在は評議員になっているため形式的に年寄ポストから外れています。
なぜこうなるのかというと、日本相撲協会が公益財団法人だからです。公益財団法人は公共のための事業活動なので、色々と身内だけでは決められません。貴乃花降格をまず決定したのは相撲協会の中の身内。身内の決定を協議して承認するのが、外部の人で構成された評議員会というわけです。
「そういう面倒くさいことがあるから、落語協会も漫才協会も公益財団法人にしなかったんじゃないかと思います」と歌武蔵。
貴乃花の対応は?
「師匠から見て、 貴乃花親方の捜査が終わるまではしゃべらないという姿勢はどうなんですか?」と倉本さん。
「いろいろな見方がるし、いろいろな評価があるけど、俺は下手くそだと思う。本人がしゃべらないのは悪いことじゃない。ただ、代弁するやつがいた方がいいよね。
それは"じゃねえか"でいいんだよ。『じゃないかと思います』『じゃないのかなあ、っていう感じです』でもいいのよ」と歌武蔵。
貴ノ岩のお兄さんとか白鳳のお母さんとか、貴乃花以外の代弁者は色んな人がいました。
貴乃花VS相撲協会、第3ラウンドへ
「いろいろ取材が来ましたよ。四流週刊誌から二流地方紙から、いろいろありました。一流からは来ない。やっぱり一流は賢いね。某テレビ朝日からも来ましたよ。ただ放送されなかったけど。一応、明日(4日)の評議会で第2ラウンド終了。裏を返せば第3ラウンドの始まりです。
2月に理事候補選挙がある。で、それに貴乃花は立候補できる。これは、歌武蔵個人の意見だから誤解のないように」
こう前置きした上で続ける歌武蔵。
「八角親方(相撲協会理事長)は、理事にさせるような状況は作りたくなかった。ただし、これ、例えば2月の理事選で、まあ、当選しました。当選ラインが9票から10票で、10票で通ったとします。それで、また評議員会なんだよ」
あくまで理事の前段階、理事候補になるための選挙です。
「じゃあ10人入ったから、一応当確ですと。で、その選挙が終わった後に、また評議員会が見る。そこで、10人が支持して当確という結果だけど、ダメっていうのもあり」
相撲協会の理事候補を決めるのは身内である親方。で、身内が決めた結果が妥当かどうか、外部の評議員会が判断するわけです。それは公益財団法人だからです。
貴乃花のやりたいことは?
三浦「結局、貴乃花は何をしたいんですかね?偉くなって変えたいと言ってるんですけど」
歌武蔵「貴乃花は今までいろいろやってきたんですよ。例えば升席のこと。いわゆるツーシーターにして安くする。あるいは券をコンビニで買えるようにした。歌武蔵個人が思うには、彼がやりたいのは相撲アカデミー。小中一貫校。これをやらないと、もう日本人横綱はもう出ない。っていう理想、理念があるわけ」
倉本「50年かかるって言ってましたもんね」
歌武蔵「彼にしてみれば、いま理事長にならないと意味がない。ちょっと譲って何年後か、例えば50歳で理事になっても、65歳で定年なんだよ」
倉本「やりたいことが間に合わないと、そういうことか」
歌武蔵「くどいようだけど、俺の勝手な考え。八角理事長とか、あのへんは『貴乃花君わかった。ただそんなに急ぐな。キミ拙速すぎる。俺たちが理事長を辞めてからやればいいじゃないか』っていう考え方じゃねえかな、と思ってるわけよ」
別団体を作ればいい
三浦「もう別団体を作ればいいんじゃないですか?」
歌武蔵「そうなんだよ。だから相撲芸術協会というのを作って、やればいいんじゃないかと俺は思うんだけどね」
三浦「それが良いと思う」
倉本「相撲もちょっと前まで別団体があったもんね」
昭和2年(1927)までは東京相撲協会、大阪相撲協会がありました。東京の落語界が落語の発展をめざして落語協会と落語芸術協会、立川流、円楽一門会に分かれたように、相撲界でもありじゃないかという意見です。
ちなみにプロ野球発足が1936年。2リーグ制になったのが1950年。プロレスに至っては人気が下がると新しい団体が出来て、盛り上がるの繰り返し。大相撲はどうなるんでしょうか。
(尾関)
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