ナガオカ×スクランブル

ゆずの20周年は「。」?

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永岡歩アナウンサーが、10代のリスナーを中心に、音楽情報を交えてお送りする生ワイド番組、CBCラジオ『ナガオカ×スクランブル』。
今週は春の新生活に向けて「スタートダッシュ・キャンペーン」と題し、豪華ゲストが続々と登場します。

この日のゲストは、ゆずの北川悠仁さんと岩沢厚治さんです。

20周年は「。」


1997年、インディーズアルバム『ゆずの素』を発売してから、今年でデビュー20周年。翌年リリースしたメジャー初シングル『夏色』以来、幅広い年代の人々に親しまれています。

いきなり、ゆずのお二人がすごくいい匂いがすることに驚き、ウットリする永岡。
「ゆずという以上、匂いにはこだわっているのですか?」

それに答える北川さん。
「できれば、いつも匂いを音で伝えられたらいいなと思って、20年やってきました」

さすがです。こういう半ばムチャブリな質問も切り返すことができる、コミュニケーション能力はどうやって育まれたのでしょう。その答えは後程分かります。

続いて、20周年への思いを話してくれました。
10周年や15周年の時は句読点の「、」(てん)という感じがしていたが、20周年で初めて「。」(まる)が付いたようだと語る北川さん。

嬉しい気持ちの他に、今後の活動に対する迷いや、まだやり足りない気持ちが大きく、区切りの小さい「、」だったそうです。
しかし20周年は、初めてちゃんと立ち止まってみて、今までやってきた活動の成果や、ファンに対する感謝の思いをかみしめながら迎えられたといいます。
やってきてよかったという充足感があるとしみじみ話す北川さん。

岩沢さんはこう話します。
「途中で休むことなく、ずっとやり続けてきての20周年なので、振り返ると凄いこと。今年くらいは自分たちを褒めてあげたい」

ゆずと唐揚げの戦い


これだけ国民的アーティストになれば、街で声もかけられるでしょうと、永岡が尋ねます。

すると北川さんから意外な答えが。
「これが、そうでもない。(街の風景に)なじむんですよね」

なんと、一般人に溶け込んでしまうそうです。
「こないだ、(定食チェーン店の)大戸屋で全く気付かれなくて。女子高生4人組と、おじさん2人組に挟まれた席で一人で食べてたんだけど。僕よりも唐揚げに夢中でしたよ」

ちょっと悔しそうに話す北川さんでしたが、結局「大戸屋の唐揚げはおいしいからしょうがない」という結論になり、納得するゆずと永岡なのでした。

岩沢さんは「ゆずをやってる時の“オン”と、やってない時の“オフ”をきっちり分ける。集中してゆずをやらない。この20年でオンとオフの切り替えが上手になった」とも語っていました。長続きする秘訣のひとつが、ここにありそうです。

しかしこれはもう、“気”をコントロールできるドラゴンボールの世界ですね。きっと、周囲に気付かれないほど気配を消しているのでしょう。もはや達人の域です。

酒に強い+人に強い=ゆず


続いて永岡から質問です。
「20年やってきて、お互いにここを褒めたいという所は?」

北川さん「(岩沢は)体がお強い。あれだけ酒を飲んだら普通、人は死にます」

…岩沢さんは相当飲まれるようです。しかし、飲むのはオフの時。オンの時は自制するそうですよ。ちなみにツアー中はオンだから節酒するかと思いきや、ライブの後はオフ扱いで飲むそうです。ライブ中はオンだから飲まないそうです。ええ、そりゃそうでしょうね。

対して岩沢さん「(北川は)人にお強い。人が好きなので、初対面の人でもスムーズに会話できる」

…路上ライブでは通行人の足を止めるために、曲の間のMCやライブのスムーズな進行能力が鍛えられたそうです。そういう“たたき上げ”で培われた精神力は今でも生きているそうで、ゆずをあまり知らない人ばかりの前では、ファンになってもらおうと北川さんは燃えるらしいのです。
このたたき上げ精神があるからこそ、20年間新しくファンが生まれ続けていくのでしょうね。

このやりとりから永岡は「お酒に強い&人に強い それがゆず」という、なんだか『酔拳』のような結論を出したのでした。

アルバム制作秘話


さて、そんなゆずのお二人が、4月26日に初のオールタイムベストアルバム『ゆずイロハ 1997ー2017』をリリースします。
3枚組で全50曲入りの超ボリューム。しかも各ディスクの最後にそれぞれ、いきものがかり・back number・SEKAI NO OWARIとコラボした、ゆずのカバー曲も収録されている豪華版です。

このアルバムタイトル名の由来について。
ゆずの楽曲は全部で255曲あり、そこからどうやって選んだらいいのか悩んだそうです。
そこでまず、タイトルを考えることに。『夏色』と『栄光の架橋』は知ってるけど他はあまり知らないという人がたくさんいるので、手引きになるようなアルバムにしたいという意味で“イロハ”を付けたそうです。

更に「イ」「ロ」「ハ」で3枚組にしようと。そしてイロハといえばカルタだろうと思い、試しに五・七・五で作ってみたそうです。

イ「いくつもの 日々を越えたよ 20年」
ロ「路上から 思えば遠くへ きたもんだ」
ハ「ハモリます いつでもきみは ひとりじゃない」

これがスタッフ間で好評となり、この句の意味につながるような選曲をしていこうとなったのです。

スペシャルトラックのコラボ曲については「ベスト盤は以前出した曲の集まりなので、何かオマケを付けたい」という考えから、後輩のミュージシャン3組を厳選し、ゆず自ら直談判したのだそうです。

「いきものがかりは横浜中華街に来てくれて、一緒に食事しながら打ち合わせした」
「back numberは、(ボーカルの)清水依与吏くんとLINEでやりとりした」
「SEKAI NO OWARIは、セカオワハウスに手土産のケーキを持って行った」

ちなみにケーキは経費で落とさず、自腹だったそうですよ。まさしく誠意ですね。

最後に、「この20年でまだ手にしてないものは?」という問いに、こう答えてくれました。

「長期オフですね。せめて1ヶ月。手帳に何も書かないでいい、1ヶ月がほしい」という、切実な願いを吐露する北川さん。

対して「ギターも歌もまだまだ上手くなりたいし、手にしてないものはたくさんあります」と殊勝に話す岩沢さん。

アーティストとしての向上心と、休みを1か月。このままでは北川さんの好感度がまずいことに・・・そこで永岡がこうまとめます。
「これがゆずのオンとオフ。両方あってこその20周年」

すかさず答える北川さん。
「解釈うまいね!何を言っても綺麗に解釈してくれるから気持ちいいね!すごい解釈人ですよ。切腹した時は任せたい!」

「解釈」と「介錯」をかけて、“うまいこと返し”をするのでした。きっちり話にオチをつける、路上で培った見事なたたき上げ精神。今後もゆずは私たちを魅了してくれることでしょう。
(岡戸孝宏)
ナガオカ×スクランブル
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2017年04月04日23時20分~抜粋

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