3月12日、松本剛明総務相は、ホテルや民泊などの利用者から1泊につき最高2,000円を徴収するという、北海道ニセコ町の「宿泊税」新設に同意しました。
この「宿泊税」は、自治体が独自に徴収する法定外目的税で、今年11月からの導入を目指すとのこと。
年間1億6,200万円ほどの税収を見込んでいて、地域交通の充実や景観保全などの観光振興に充てるとのことです。
16日、CBCラジオの『北野誠のズバリサタデー』では、パーソナリティの北野誠がこの「宿泊税」について、オリンピア法律事務所の原武之弁護士と、加藤由香アナウンサーとトークを繰り広げました。
インバウンドで問題が発生
「宿泊税」について、1人1泊あたりの税額は宿泊料金2万円未満が200円で、上限は2,000円。
修学旅行目的や町長が必要と認める場合は非課税とのことです。
この「宿泊税」が構想された背景は、昨年コロナ禍が明けたことに加え、円安によりインバウンド需要が回復したことのようです。
観光客がたくさん来るのは日本経済にとってはプラスですが、公共交通機関や飲食店の利用者が増えすぎると、地元で生活する人にとっては不便も生じます。
原「これだけ外国人が来ると、その余波が地域の住民の方に迷惑をかけている部分もあるので。
そのためにいろいろ対応しなきゃいけないとお金もかかるので、(観光に)行ってる人が払うのは当然かなという気がしますね」
宿泊税の問題点
ニセコ町が「宿泊税」を導入するのにあたり、総務大臣の同意が必要となっています。
これはなぜなのでしょうか?
原「自治体で何でも自由にはできなくて、租税法律主義という大原則があるので、法律で決めたことの範囲内しかダメなんですね。
だから今回、総務省の同意が必要なんですけど、各自治体の悩みがあるのでやっと動き出した」
インバウンドで起こる問題に対する解決策のひとつがこの「宿泊税」。
ただし外国人観光客に限らず徴収されるため、日本人観光客が減る可能性があります。
北野「観光地として税を取るなら、外国人観光客だけでいいと思うんですよ。
在日外国人の方ということもあるかもしれないけど、それは置いといて、パスポートをお持ちの方とかで区別できるわけですから」
先日、東京の豊洲市場近くでオープンした商業施設「豊洲千客万来」では、海鮮丼が1食約7千円と高い設定で話題となりました。
外国人観光客にとっては5千円のランチは高価と感じないようです。
外国人向けの二重価格は悪?
外国人観光客向けの価格設定や外国人のみの課税について、実現には至っていません。
原先生「日本は租税の公平性っていうのをすごく重視する。こういう発想が浸透していなかった中、次の段階ですよね。観光客向けだけに取ると」
外国人観光客だけに課税すると「外国人だけに課税するのは差別だ」「観光立国を目指しているのに、おもてなしの心がない」との批判が起こる可能性もあります。
しかし海外では二重価格を導入している国はあります。
北野はこのままだと、将来もし経済不況がやってきたり、コロナなどに代わる病気が出ると「さらに国内で移動する人が減ってしまう」と苦言を呈しました。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2024年03月16日09時22分~抜粋