11月24日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』には、59歳の女性から「夫にお酒を減らす治療をして欲しい」との相談が寄せられました。
この相談に、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が答えます。
アルコール依存症の治療、説得するにはこの時間帯がベスト!
アルコール依存症
まずは詳しい相談の内容です。
「60代の主人ですが、若い頃から酒好きです。しかし、10年ほど前から体調不良を理由に急に仕事を休むことをたびたびしています。
かかりつけ医からは『本人が飲酒を減らす意思を持たないと、酒を減らす治療を勧められない』と聞きました。しかし本人は酒を気がすむまで飲みたいという意思が固いです。
本人にお酒を減らす意思をもってもらうには、どのようにしたらいいでしょうか?」(Aさん)
飲み続けるのはアルコール依存症が疑われます。これは快感物質のドーパミンが出ているようです。
吉田「脳の中にA10神経があり、アルコールを飲むとこれが興奮して快感物質のドーパミンを出す。脳はその快感を求めてお酒を飲み続ける。
本人の感覚としては『おいしいから飲んでいる』と思っていますが、脳で起っている現象はドーパミンを求めてアルコールを飲み続けているわけで、厳密にはアルコールで出ているドーパミンに依存しているわけです」
「60代の主人ですが、若い頃から酒好きです。しかし、10年ほど前から体調不良を理由に急に仕事を休むことをたびたびしています。
かかりつけ医からは『本人が飲酒を減らす意思を持たないと、酒を減らす治療を勧められない』と聞きました。しかし本人は酒を気がすむまで飲みたいという意思が固いです。
本人にお酒を減らす意思をもってもらうには、どのようにしたらいいでしょうか?」(Aさん)
飲み続けるのはアルコール依存症が疑われます。これは快感物質のドーパミンが出ているようです。
吉田「脳の中にA10神経があり、アルコールを飲むとこれが興奮して快感物質のドーパミンを出す。脳はその快感を求めてお酒を飲み続ける。
本人の感覚としては『おいしいから飲んでいる』と思っていますが、脳で起っている現象はドーパミンを求めてアルコールを飲み続けているわけで、厳密にはアルコールで出ているドーパミンに依存しているわけです」
治療方法
お酒を飲む量を減らす治療について「ありますね」と答える吉田先生。
吉田「お酒をまずく感じるようになる薬は以前からよく使われています。この薬を飲むと確かにまずくて、お酒を飲む気がなくなります。
ただ、アルコール依存症の人はお酒を飲んで出るドーパミンを脳が渇望しているので、そのうちこの薬自体を飲まなくなって、結局またお酒を飲み続けるようになることが多いです。
それで新しい薬としてドーパミンへの依存そのものを低下させる作用の薬も出てきています。
治療の方法は他にもカウンセリングもあります。『アルコール依存症』で検索すると、専門医のいるクリニックも見つかりますので、ぜひ受診していただきたいです」
吉田「お酒をまずく感じるようになる薬は以前からよく使われています。この薬を飲むと確かにまずくて、お酒を飲む気がなくなります。
ただ、アルコール依存症の人はお酒を飲んで出るドーパミンを脳が渇望しているので、そのうちこの薬自体を飲まなくなって、結局またお酒を飲み続けるようになることが多いです。
それで新しい薬としてドーパミンへの依存そのものを低下させる作用の薬も出てきています。
治療の方法は他にもカウンセリングもあります。『アルコール依存症』で検索すると、専門医のいるクリニックも見つかりますので、ぜひ受診していただきたいです」
説得は午前10時に!
ただし、問題は本人にその気がなければ治療が始められないこと。
家族が説得できるタイミングはいつがいいのでしょうか?
吉田「説得するのに適した時間帯、これは午前中、特に午前10時がベストだというデータが出ています。
どうしてか、脳の中でA10神経のドーパミンに対抗する前頭前野の働きが最も高まるのが、午前10時を中心にした午前中です。
実際、午前中は夜と比べたらお酒を飲みたいと思わないですよね?これは脳の前頭前野の作用によるものです。依存症の説得をするのは午前10時がもっとも効果が高いです」
家族が説得できるタイミングはいつがいいのでしょうか?
吉田「説得するのに適した時間帯、これは午前中、特に午前10時がベストだというデータが出ています。
どうしてか、脳の中でA10神経のドーパミンに対抗する前頭前野の働きが最も高まるのが、午前10時を中心にした午前中です。
実際、午前中は夜と比べたらお酒を飲みたいと思わないですよね?これは脳の前頭前野の作用によるものです。依存症の説得をするのは午前10時がもっとも効果が高いです」
セロトニンがいい
その他、家族が治療に協力できることはあるのでしょうか?
吉田「本人が癒されていると感じる時間を作ってやると、お酒の量が減る傾向が出ます。
これは単にお酒以外の楽しみを見つけるだけでなく、脳医学的に見ると癒されるというのがポイントです。
お酒を飲み続ける理由が、快感ホルモンのドーパミンです。『癒しホルモン』と呼ばれるセロトニンは、ドーパミンの快感に抵抗する効果を持っています。
ワクワクドキドキするドーパミンの刺激ではなく、じんわり幸福感を感じられる時間、これを家族で作っていただきたいです。
具体的にはご夫婦で旅行に行ったり、ハイキングに行ったり、あと植物がいいです。園芸、自然と触れ合うレジャーがセロトニンを増やす効果を持っています」
植物を育てたり、ハイキングが、依存症から抜けるのにいいとは意外です。
これはアルコールだけでなく、ゲームやギャンブルなど、いろいろな依存症に応用できそうです。
(みず)
吉田「本人が癒されていると感じる時間を作ってやると、お酒の量が減る傾向が出ます。
これは単にお酒以外の楽しみを見つけるだけでなく、脳医学的に見ると癒されるというのがポイントです。
お酒を飲み続ける理由が、快感ホルモンのドーパミンです。『癒しホルモン』と呼ばれるセロトニンは、ドーパミンの快感に抵抗する効果を持っています。
ワクワクドキドキするドーパミンの刺激ではなく、じんわり幸福感を感じられる時間、これを家族で作っていただきたいです。
具体的にはご夫婦で旅行に行ったり、ハイキングに行ったり、あと植物がいいです。園芸、自然と触れ合うレジャーがセロトニンを増やす効果を持っています」
植物を育てたり、ハイキングが、依存症から抜けるのにいいとは意外です。
これはアルコールだけでなく、ゲームやギャンブルなど、いろいろな依存症に応用できそうです。
(みず)
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