歳をとって収入が減ったりこどもが独立したりすると、気になるのが住み替え。
広い家に住んでいてももったいないと思い、一戸建てを売ってマンションに住み替えたり、分譲マンションから賃貸に替えたりする方法がありますが、住み替えの際には気をつけなければいけないことがあるようです。
10月1日放送『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、『60歳からのマンション学』(講談社)の著者でマンショントレンド評論家の日下部理絵さんに、歳をとってからの住み替えで損をしない方法について、電話で話を伺いました。
賃貸のメリット
まずは持ち家から賃貸マンションに住み替えるというケース。
日本では「家を持ってこそ1人前」という考えが長らくありましたが、最近は持ち家にこだわる人も少なくなっているように感じます。
賃貸に変える一番のメリットは、相続問題の心配がないこと。
また、毎月の管理費や修繕積立金、まとまった出費となる固定資産税を払わなくて済みますし、リフォームなどの修繕や維持費の心配がないというメリットがあります。
災害で建物にダメージを負った場合や、ご近所トラブルが発生した場合でも、持ち家と違ってしがらみがありません。
ただ、共用部分などは分譲と比べてランクダウンするのが一般的ですので、そこが我慢できるかという点や、60歳以上になると賃貸物件が借りにくくなるというデメリットは、物件探しの際に要注意です。
買い替えは難しい?
次に、今よりも狭い分譲マンションに買い換えるというケース。
狭くなると部屋の掃除が楽になることや、部屋の大きさに比例する管理費や固定資産税が減るというメリットがあります。
ただ、買い替えはハードルが高く、売るタイミングと買うタイミングを合わせるのが難しいため、日下部さんは「できればどちらかを優先していただいた方が成功しやすい。先に買うのは裕福な方におすすめかなと。ズバリ安全圏というところでは、売り先行のほうがおすすめかなと思います」とアドバイス。
いま話題なのが、リバースモーゲージやリースバックといった、家を担保に入れたり売ったりするタイプ。
引き続き同じ家に住めるのですが、実態はどうなのでしょうか?
日下部さん「最近流行ってきたところがあるので、まずよくよく説明を聞いてからご判断いただきたいなと」
また、今はリバースモーゲージ型住宅ローンというものもあり、こちらは新たに買った自宅を担保にして毎月利息だけ払うという形式。
亡くなった時に自宅を売って返済するという形ですので、相続の問題はありません。
ただし、借りる額には限度があるため、本来良いことですが長生きすると計画が狂う危険性があります。
今、家を売るのはチャンス?
では、マンションの売却は今のタイミングで良いことなのでしょうか?
日下部さん「今大チャンスっていう感じですかね。イチから買う若い方が価格が高騰しすぎていて、なかなか買えないと。
逆に所有しているシニア世代の方にとっては、もしかしたら買った時より高く売れるかもしれない、大チャンスの時期が到来しています」
シニアの方々が小さい方へ住み替える一方、若い人はテレワークで家にいる時間が増えたため、できるだけゆったり過ごしたいというニーズがあるそうです。
日下部さんによりますと、需要と供給が一致している状況とのことですので、もし住み替えを検討されている方にとっては良いタイミングのようです。
最後に「住み替えにあたっては、体力のあるうちに」と北野が話し、日下部さんが「借り始めの年齢や完済の年齢にも限りがありますので、よく調べる必要があります」と話しました。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2022年10月01日10時28分~抜粋