北野誠のズバリ

ネガティブな自分をポジティブに変える方法を教えて!

『北野誠のズバリ』、健康の悩み、夫婦の悩みなどを解決する「中高年よろず相談室」のコーナー。

10月22日の放送には、「ネガティブな自分をポジティブに変えたい」とお悩みのAさん(34歳・男性)からおたよりが寄せられました。

仕事もプライベートも、すべてネガティブに考えてしまうというAさんに、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生がアドバイスを送りました。

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脳が悲観する「くせ」

「今日の営業、どうせ上手くいかないんじゃないか?」
「どうせ、部長に書類を提出しても訂正ばかりで、自分の思うとおりにならない」
「女性はどうせ自分に振り向いてくれない」

常に、物事をネガティブに考えてしまうというAさん。

同僚からは「もう少しポジティブに考えたら?」と言われるそうですが、どうすればポジティブにできるのかわからないとお悩みです。

「ネガティブ」とは、怒り・不安・不快感をもたらす感情を幅広く指す言葉。
中でも医学で特に重要なのは、「物事をなんでも悲観的に考えてしまう心理的な傾向」です。

吉田先生によると、うつ病の方の多くは極端に悲観的になり、「どうせダメに決まってる」「もう俺はおしまいだ」と言い出すそうです。

これは、口ぐせになっているだけではなく、脳も同様のくせになってしまっているから。

「危険なので、ぜひ注意していただきたい」と吉田先生。
 

大企業の“ノー天気”枠採用

ペンシルベニア大学のマーティン・セリグマン教授が提唱したのは、ポジティブな感情を専門的に研究する「ポジティブ心理学」
これによると、物事を楽観的に考えることは、脳や人体にいろいろなメリットがあるとされています。

セリグマン教授は、「物事を楽観的に考えるだけで、セールスマンの営業成績が上がる」と実験で証明しています。

日本では「メットライフ」で知られる、アメリカで最も大きな生命保険会社「メトロポリタンライフ保険」

この会社は、入社試験に落ちた人の中から、物事を楽観的に考える“ノー天気”な人を選び、密かに特別枠で採用していました。
 

正規合格者よりも好成績

本人にも上司にもこのことは伏せているため、心理面への影響はありません。

「楽天的だ」というだけで敗者復活で入社できた人を、正規で合格した人と比較したところ、楽天的な人の方が入社後の営業成績が各段に良かったというのです。

「つまり物事を楽天的に考えると、営業成績があがるということなんですよ」と吉田先生。

楽天的な人は、「契約は取れるだろう」と前向きに考え、目の前の営業努力をがんばれる。
「どうせダメだ」という考えの人は、そもそも外回りに行かないため、結果的に成績は悪くなる。

そもそも両者にはこういった違いがあります。

さらに、楽天的な人の方が同じ仕事をこなしてもストレスが溜まりにくいため、いつまでも
バリバリ仕事ができるというのです。
 

ポジティブが健康面に与えるメリット

「楽天的だとバスケットやアメフトの試合に勝てる」
「楽天的だと大統領選挙に勝利できる」

セリグマン教授は、このような研究も証明しています。

楽天的だとストレスがたまりにくいため、当然うつ病になりづらい。
血圧も上がりにくいため、心筋梗塞や脳梗塞にもなりにくく、老化もしにくいため寿命も長くなる。

楽天的な性格が健康面に与えるメリットは、かなり大きいようです。

「ネガティブな方って良いこと全然ないんですか?」と尋ねる北野誠に、「そんなことはない」と吉田先生。
 

ネガティブに向く職業

物事をネガティブに考える人には、「ミスをしにくい」「事故を起こしにくい」というメリットがあります。

職業でいうと、パイロット・警察官・弁護士・会計士はネガティブな性格に向いているそうです。

「深い思索ができるので、哲学者や文学者もネガティブな方が良い」と語る吉田先生に、「太宰治を思い出しますね」と北野。

吉田先生「太宰治がノー天気だったら、あんな作品は書けなかったと思いますね」
北野「そうでしょうね」

「ネガティブな人の発言を聞くと、負が連鎖する」と北野。

吉田先生によると、これは「選択的記憶再生」というもの。

「ネガティブな人は、過去に同じことをして失敗したことだけを思い出すので、ネガティブになる。ポジティブな人は、失敗もたくさんしているものの、良かったことだけを思い出すからポジティブになる」と吉田先生。

「嫌なことを忘れる能力は、とても大事」なんだそう。
 

おすすめ「タイタニックポーズ」

さらに、「姿勢で心をポジティブにする」という研究もあります。

コロンビア大学の研究では、「映画『タイタニック』のように両手を左右に広げるポーズを取ると、脳がポジティブになる」という実験結果が論文になっているそうです。

物事が上手くいった時、人は得意げに両手を広げる傾向にあります。
脳はそれを覚えているため、同じポーズで脳が「今ポジティブなんだ」とだまされて、本当にポジティブになるというわけです。

吉田先生は、「Aさんもぜひやってもらいたい」とアドバイスを送りました。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2021年10月22日14時12分~抜粋

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