『北野誠のズバリ』、健康の悩み、夫婦の悩みなどを解決する「中高年よろず相談室」のコーナー。
10月8日の放送では「悲しい時に流れる鼻水はなぜ止まらないの?」と悩むAさん(50歳・女性)から相談が寄せられました。
「まるでダムが決壊しかのたように延々と出続けますが、平常時と成分が違うのですか? なぜ鼻水が止まらないのか、あんなに大量の鼻水がどこから来るのか」というAさんの疑問に、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が答えました。
鼻水は温水便座と同じ
鼻水は、花粉やウイルスに感染した細胞の死骸を洗い流す役割があります。吉田先生いわく、「鼻水は、温水で洗い流す"便座"と同じ」
人体を清潔に保つには、ぬるめ湯で洗い流すことが1番なんだそう。
鼻水は鼻の奥にある粘膜で作られるもので、2つの種類があります。
ひとつは、さらさらとした水のような「水溶性鼻汁(びじゅう)」、もうひとつは、ドロッとした「膿性(のうせい)鼻汁」
水溶性鼻汁は、血液から赤血球を濾過したもので、血液の液体成分とほとんど同じ成分。これは、花粉症やウイルス感染の風邪の場合に出る鼻水です。
膿性鼻汁は文字通り膿が混ざった鼻水。この鼻水が出る場合は、ウイルスだけではなく細菌にも感染しています。
悲しい時の鼻水の正体は?
悲しい時に出る鼻水の正体は、実は「涙」。吉田先生によると、「涙が回り回って出て来たもの」なんだそう。
人間の目は目頭に小さい穴が開いていて、そこから「鼻涙管(びるいかん)」という管で鼻の奥とつながっています。
悲しい時に出る鼻水は、涙が目を素通りし、鼻涙管を通って鼻に流れこんだものなのです。
それでは、鼻涙管にはどんな役割があるのでしょうか。
泣いた時だけではなく、乾燥を防ぎ綺麗に保つため、涙は普段から少しづつ目に供給されています。鼻涙管は、その「排水溝」です。
鼻涙管が細い人が泣いた場合、鼻の奥にたくさんの涙を流せないため、目から涙があふれます。
Aさんはおそらく鼻涙管が太いために涙があふれず、そのまま鼻の奥に流れて鼻水のように見えてしまうというわけです。
北野「正体は涙なんですね」
吉田先生「涙なんです、あれは」
鼻水を止める医学的な方法
悲しい時に出る鼻水を止める方法はないのでしょうか。
「鼻涙管が太い人は、普段から涙が排水溝に行きすぎるため、ドライアイになることが多い」と吉田先生。
排水溝の入り口のところをシリコンのプラグ(涙腺プラグ)で防ぐ治療を行うと、ドライアイも治り、涙を流しても鼻の奥には行かなくなるといいます。
しかしドライアイではなく、「泣いたときの鼻水対策で」と医師に訴えても、この治療を行ってはくれないそうです。
ハンカチで排水溝をふさぐ!
吉田先生は、「清潔なハンカチで、目頭を軽く押していただきたい」とAさんにアドバイスを送ります。
排水溝をふさぐため、涙は鼻の奥に流れることができず、目からあふれ出るというわけです。
ただし強く押しすぎることは厳禁! 排水溝がふさがってしまうため日常的に涙が流れにくくなり、悲しくないのに涙があふれてしまう病気になる可能性があるのです。
吉田先生「優しく優しく押さえる程度にしてもらいたいですね」
北野「そのほうが女性もセクシーですよね、仕草がね」
悲しい時に出る鼻水は、ハンカチで目頭を軽く押さえることで止めることができるようです。Aさん、ぜひ試してみてください。
(minto)
北野誠のズバリ
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2021年10月08日13時12分~抜粋