『北野誠のズバリ』、健康の悩み、夫婦の悩みなどを解決する「中高年よろず相談室」のコーナー。
4月22日の放送で取り上げたのは、「息子が朝起きられず学校を休むことがある」というリスナーAさん(45歳・女性)からのおたより。
Aさんの息子は高校生。夜更かしをしているわけでもないのに朝になると身体が重く、物音に対しても敏感になっているというのです。
朝起きられないこどもに考えられる病気について、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生にうかがいました。
朝起きられないこどもは「起立性調節障害」かも
「睡眠」と「自律神経」の関係
目覚めの良し悪しはさまざまな要因で決まりますが、吉田先生によると最も大きいのは「自律神経の調節が上手くいくかどうか」ということ。
睡眠中は究極のリラックス状態で、自律神経は「副交感神経優位」。
朝起きるときに一気に、活動状態を支える「交感神経優位」に切り替わります。
この切り替えが上手くいくと、元気に動き回ることができますが、上手くいかない場合は「脳が覚醒していても、身体は半分寝た状態」で、身体が重く感じてしまうというわけです。
睡眠中は究極のリラックス状態で、自律神経は「副交感神経優位」。
朝起きるときに一気に、活動状態を支える「交感神経優位」に切り替わります。
この切り替えが上手くいくと、元気に動き回ることができますが、上手くいかない場合は「脳が覚醒していても、身体は半分寝た状態」で、身体が重く感じてしまうというわけです。
交感神経の暴走かも
Aさんの息子は、小学校高学年から中学生、高校生までの思春期に多い「起立性調節障害」が考えられると吉田先生。
健康な人は、起きて立ち上がるときに交感神経が活発に働き、血圧を適度に上げて脳や筋肉に十分な血液を供給します。
しかし起立性調節障害では、血圧が上がらず筋肉が酸素不足になりフラフラ、脳も酸素不足で活動する意欲が湧かない状態になってしまうのです。
逆に交感神経が暴走して、心拍数が上がりすぎることで不快な気分になることも。
吉田先生によると、Aさんの息子はこちらの状態になっているかもしれないといいます。
健康な人は、起きて立ち上がるときに交感神経が活発に働き、血圧を適度に上げて脳や筋肉に十分な血液を供給します。
しかし起立性調節障害では、血圧が上がらず筋肉が酸素不足になりフラフラ、脳も酸素不足で活動する意欲が湧かない状態になってしまうのです。
逆に交感神経が暴走して、心拍数が上がりすぎることで不快な気分になることも。
吉田先生によると、Aさんの息子はこちらの状態になっているかもしれないといいます。
原因は「精神的なストレス」
起立性調節障害になる原因は、「精神的なストレスが大きい」と吉田先生。
実際、起立性調節障害の患者さんは「根が真面目でとても気を遣う、周囲の環境の変化に敏感に反応してしまうタイプのお子さんが多い」といいます。
このような性格の人が朝、体調不良に陥ったときに、音に敏感になることはよくあること。
さらに発達障害が加わっている場合も聴覚過敏が出やすいといいます。
「心療内科または神経内科での検査がおすすめ」と吉田先生。
実際、起立性調節障害の患者さんは「根が真面目でとても気を遣う、周囲の環境の変化に敏感に反応してしまうタイプのお子さんが多い」といいます。
このような性格の人が朝、体調不良に陥ったときに、音に敏感になることはよくあること。
さらに発達障害が加わっている場合も聴覚過敏が出やすいといいます。
「心療内科または神経内科での検査がおすすめ」と吉田先生。
登校できない身体になっている
不登校の生徒の3~4割は、起立性調節障害といわれています。
つまり不登校は単なる気持ちの問題ではなく、「登校できない身体になっている」ということも多いのです。
吉田先生のクリニックでも、医療の力で体調が良くなることで、普通に元気に登校できるようになるのはよくあることなんだとか。
検査の結果、特別な治療が必要ない場合にぜひ心掛けるべきは「朝のスローライフ」。
朝の時間をゆっくり過ごすことは、思春期だけではなく、中高年もぜひ実践すべきことのようです。
つまり不登校は単なる気持ちの問題ではなく、「登校できない身体になっている」ということも多いのです。
吉田先生のクリニックでも、医療の力で体調が良くなることで、普通に元気に登校できるようになるのはよくあることなんだとか。
検査の結果、特別な治療が必要ない場合にぜひ心掛けるべきは「朝のスローライフ」。
朝の時間をゆっくり過ごすことは、思春期だけではなく、中高年もぜひ実践すべきことのようです。
「朝のスローライフ」のすすめ
アメリカ・ノースウェスタン大学の研究で、「現代人は朝のスローライフを心掛けることで、健康状態が大幅にアップする」ということが明らかになっています。
もともと人体は、少しずつ夜が明ける光の変化でゆっくり自然に目が覚め、朝ごはんをゆっくり食べ、狩りや農作業にゆっくり出かけていくように設計されています。
しかし、現代人の朝は慌ただしいため、自律神経も血管も付いていけず、身体に大きな負担がかかっているのです。
このため、こどもは朝に起立性調節障害になり、中高年は朝の時間帯に心筋梗塞や脳梗塞が集中してしまっているというわけです。
もともと人体は、少しずつ夜が明ける光の変化でゆっくり自然に目が覚め、朝ごはんをゆっくり食べ、狩りや農作業にゆっくり出かけていくように設計されています。
しかし、現代人の朝は慌ただしいため、自律神経も血管も付いていけず、身体に大きな負担がかかっているのです。
このため、こどもは朝に起立性調節障害になり、中高年は朝の時間帯に心筋梗塞や脳梗塞が集中してしまっているというわけです。
朝食には発酵食品を
「特に朝は、人間本来のスローライフに戻していただきたい」と吉田先生。
朝光を浴びると、癒しホルモンの「セロトニン」が脳内で増えるため、朝食はベランダで取ることがベスト。
さらに朝食には、ヨーグルト、納豆、みそ汁、漬物といった発酵食品を1品加えることもおすすめです。
発酵食品はゆっくり時間をかけて発酵させて作られたものなので、胃腸もゆっくりと健康的に目覚めてくれます。
朝光を浴びると、癒しホルモンの「セロトニン」が脳内で増えるため、朝食はベランダで取ることがベスト。
さらに朝食には、ヨーグルト、納豆、みそ汁、漬物といった発酵食品を1品加えることもおすすめです。
発酵食品はゆっくり時間をかけて発酵させて作られたものなので、胃腸もゆっくりと健康的に目覚めてくれます。
理想的な朝の過ごし方
スマホのような人工的な画面を見ると、特に脳に疲労が溜まりやすいというデータもあります。
朝食はスマホを見ながらではなく、外の風景を見ながらゆっくり食べる方が良いということです。
ただスローライフとはいっても、ボーッとしているだけでは脳が覚醒しません。
「家族と楽しい会話をすること」が理想的な朝の過ごし方です。
「今より1時間早く寝て、1時間早く起きること」と吉田先生。
「音の刺激は朝のウォーミングアップにちょうどよい」という研究データもあるため、朝は音楽かラジオを聴くこともおすすめとのことでした。
(minto)
朝食はスマホを見ながらではなく、外の風景を見ながらゆっくり食べる方が良いということです。
ただスローライフとはいっても、ボーッとしているだけでは脳が覚醒しません。
「家族と楽しい会話をすること」が理想的な朝の過ごし方です。
「今より1時間早く寝て、1時間早く起きること」と吉田先生。
「音の刺激は朝のウォーミングアップにちょうどよい」という研究データもあるため、朝は音楽かラジオを聴くこともおすすめとのことでした。
(minto)
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