最近、新型コロナウイルスで陽性と判定された方の人数が、増加傾向にあります。
大阪府では1日の人数としては過去最高となる918人を記録。
14日には1,400人を超えるという推計もあり、来週には用意している病床数を超えるのではないかといわれていて、医療体制がひっ迫するのではないかと懸念されています。
なぜ今、急激に感染者数が増えているのか、今後私たちはどうすれば良いのかについて、日本感染症学会中日本地方会代表で、愛知医科大学病院感染症学教授の三鴨廣繁先生にお話を伺いました。
感染者急増の2つの要因
三鴨先生はまず、感染者数が急増している原因として2点挙げました。
1つは人流が街中に戻ってきたということ。
緊急事態宣言が発出されていた最中でも、街中の様子はあまり変わらなかったといわれていたものの、昨年4月の時と比較すると、繁華街や通勤通学の電車など、人が多かったことは明らかです。
もう1つの理由は、最近取り沙汰されている変異株の影響で、従来よりも6~7割ほど感染性が強くなっていることが報告されているそうです。
ウイルスは時間が経つと変異するものといわれていますが、この変異株は日本で感染している中で変異したものなのでしょうか、それとも海外から持ち込まれたものなのでしょうか。
三鴨先生「今大阪で流行しているタイプは外国で流行したもの、特にイギリス株と言われてますよね。
イギリスで変異したものが世界に広がって、日本にも入ってきたというふうに考えられます。
ただ、このコロナウイルスは非常にやっかいで、だいたい2週間に1回変異を繰り返してきたんですね。
その中で感染性が強いものが生き残ってきて、日本で変異も起きていると考えられます。
だけど今1番大きい問題になっているのはイギリス株、これはやはり外国から入ってきたと考えられます」
なぜ変異株は外国から来た?
ただ、ここしばらくの間は渡航制限がかかっているのに、なぜ外国から変異株が入ってきたのでしょうか。
三鴨先生「少ない人数ですけど、ビジネストラックということで、一部の方が入国されていたということもありますし、もう1つはたぶん港ですね。
物流は(外国とのやりとりが)続いてましたから。
(貿易のためにやってきた人たちが)港に入ってきてそのままお帰りになるんですけど、少し陸に上がって日本人の方と接することもありますから、日本に流入してそのまま広がったというふうに考えられます」
そして、この変異株が問題なのは、感染力だけではなく病原性も高まっているという点。
大阪で最近、重症者が短期間で急増していたのは、病原性が高くなってしまったからではないかと、三鴨先生などは推察されています。
変異株への対策は?
より深刻になってきた新型コロナウイルスに対して、今後私たちはどう向かっていけば良いのでしょうか。
三鴨先生「個人がやるべき対策はこれまでと全く変わりません。
だけど自治体等が行う対策は、やはりこれだけ感染者が増えますと、より強力にしなければいけない。
今回は重点措置をまず発令して、飲食店が感染の中心だからと時短営業を求めてますよね。
だけどそれだけでは足りないということで、例えば見回り隊を作る自治体もありますし、飛沫感染が主だからということで、大阪府ではマスク会食を義務化したらどうかと、色々な対策を練っておみえになりますけど、そういう対策が有効だと思います」
そして、最後に三鴨先生が最も懸念されていることとして挙げたのが、ウイルスがどんどん変異していること。
どんどん違うタイプの変異株が現れてきているため、今開発しているワクチンの効果が薄れてしまうのではないかということを危惧されていました。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2021年04月10日09時20分~抜粋