2015年、野村総合研究所は「今後10~20年の間に、今ある仕事の49%がロボットやAIで代替可能になる」という衝撃のデータを公表しました。
これはこどもたちが大人になったときに、今は当たり前だと思っている仕事がなくなっている可能性があるということ。
逆にいうと、今はまだない仕事が生まれているかもしれないということです。
2月3日放送の『北野誠のズバリ』、大橋麻美子の情報コーナー「教えてマミーゴ!では、未来の仕事図鑑『大人は知らない 今ない仕事図鑑100』(講談社)を取り上げました。
「SDGs」に関連する仕事が増える
『大人は知らない 今ない仕事図鑑100』は未来の地球を予測し、将来生まれるであろう新しい職業を紹介している本。
こどもと一緒に未来の世界について考えることができる、ガイド本です。
冒頭には、米デューク大学の研究者キャシー・デビッドソン氏の「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」という言葉が載っています。
この言葉は、新型コロナウイルスの世界的なパンデミックで働き方が大きく変化した今、より現実味を帯びています。
『大人は知らない 今ない仕事図鑑100』では、今話題の「『SDGs』に沿った仕事が増える」という観点から予想される、さまざまな仕事を紹介しています。
海のごみを集めるプロゲーマー
「SDGs」とは「Sustainable Development Goals」の略で、「持続可能な開発目標」のこと。
具体的には「世界中にあるいろいろな問題を放置せず、世界中の人々が問題意識を持って解決していこう」という国際社会共通の17の目標のことです。
例えばこの本で紹介している「海の洗濯ゲーマー」は、14番「海の豊かさを守ろう」に関連する仕事。
海の洗濯ゲーマーは、ロボットの遠隔操作で海のごみをかき集め、除去したごみの量で勝敗を競い合うプロゲーマーです。
これは海のプラスティックごみ問題を解決する画期的な職業といえます。
シカゴでは川を美化するロボットがすでに稼働しており、それを使ったプロゲーマーという職業が出てくるのではないかという予想が立てられています。
3Dプリンタで臓器をデザイン
バイオ3Dプリンタで移植用の臓器や組織をデザインする「バイオ3Dプリンタの臓器デザイナー」は、3番の「すべての人に健康と福祉を」に関連する仕事。
現在も細胞を使って人間の組織を再現するバイオ3Dプリンタはあり、皮膚は実証済み。
今よりも安価に臓器移植ができるようになる未来を想定すると、このようなデザイナー職も想定されます。
そしてアメリカのスペースX社が2023年に民間初の月旅行をすると話題になっているように、未来の世界では宇宙関連の仕事も増えているに違いありません。
月の移住者へ荷物を運ぶ
9番「産業と技術革新の基盤をつくろう」に関連するのは、「ロケット宅配業」。
「2041年には100万円以下で宇宙旅行ができるようになる」と、文科省の研究所が発表しています。
将来、月に移住する人が増えたときに必要となるのは「月の移住者向けの配達」だろうというわけです。
国際宇宙ステーションに設置予定のスペースガーデンでは、イチゴやレタス、じゃがいもなどの栽培が可能になることから、火星で野菜栽培を行う農業を経営する「火星農家」も想定されています。
このように、今はまだ考えられないものの「20年後にはあるかもしれない」という職業がこの本にはたくさん載っています。
『ターミネーター』や『バックトゥザフューチャー』の世界観が現実化していることが多くあることを考えると、今は絵空事のように思える未来の職業も当たり前になるのかもしれません。
世界の変化に伴う、さまざまな職業の可能性を考えることができる1冊です。
『大人は知らない 今ない仕事図鑑100』(講談社)
(minto)
北野誠のズバリ
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2021年02月03日14時48分~抜粋