北野誠のズバリ

2020年日本経済はどうなる?経済アナリストが予測した経済成長率は…

1月4日放送『北野誠のズバリサタデー 新春スペシャル』では、政治・外交などさまざまな分野の専門家が、2020年の日本がどんな年になるのかを大予想。

ここではその中から、多くの方が気になる「経済」について取り上げます。

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政府の経済対策は有効?

2019年12月、西村内閣府特命担当大臣(経済財政政策)は、政府が策定した経済対策について、「2020年はこれだけで1.1%の押し上げ効果があると見ている」と胸を張りました。

その上で、民間の経済アナリストが予測した経済成長率は平均0.5%程度とされており、この数字に対して西村氏は「低すぎる」と評価しました。

パーソナリティーの北野誠が、日本経済の見通しについて、法政大学大学院政策創造研究科教授の真壁昭夫先生に伺いました。

政府は2020年の経済成長率は1.4%程度と見ていますが、この数字の根拠について、真壁先生はまずオリンピック・パラリンピックを挙げました。

日本への来訪客が増えることで消費が増えて、景気を押し上げる効果があるというのがその理由です。

では、真壁先生自身は経済成長率を何%程度と予測しているのでしょうか?

真壁「いま我々の頭にある経済の状況が変わらないとするならば、0.6~0.7%程度になるのではないかと思っています」

米中の経済戦争が続く

政府が予測した半分程度の数字ですが、この差はどこにあるのでしょうか。

真壁「国内は足を引っ張る要因も大きく持ち上げる要因もそれほど見当たらない。ところが海外に目を転じますと、リスク要因があまたあるんですよね。一番は米中の貿易協議、貿易摩擦」

最近は少し落ち着いたようにも見えますが、まだ火種はくすぶっているそうです。

真壁「米中の貿易摩擦は、中国の大幅な貿易黒字と、アメリカの貿易赤字(が要因)。トランプ大統領は『中国はけしからん』と言ってるわけですね。そこで『中国の貿易黒字を少し減らすべきだ』と言っていて、ここはそれほど難しくないんですね。

例えば、中国がアメリカ産の大豆や小麦を大量に買うとか、航空機を大量に購入するということになりますと、貿易の不均衡はそれなりに是正されるんですね。

一方、先端分野の覇権争い、特にファーウェイを中心にしたIT企業、中国のIT企業は今元気がありますから、ここの台頭というのはアメリカにとって目の上のたんこぶなんですね」

5Gを巡る米中競争

生活を大きく変えるといわれている「5G」も、今のところアメリカよりも中国が先を行っているそうです。

この一角に日本の名前が出てこないのが、寂しいところですね…。

真壁「間違いなく一部の分野で、5Gの設備について、アメリカ国内で作られる企業がなくなってしまったと。

世界の地図を見ると、ファーウェイを中心にした中国、北欧ではノルウェーの企業は能力があるんですけど、そこから輸入せざるを得ない状況になってますから、アメリカにとって由々しき状況ですよね。

ここの覇権争いは短期間で終わることは考えにくいですから、ここから5年、10年と続く可能性は高いですよね」

5Gで日本の景気は良くなる?

では、5Gを巡る米中の覇権争いは、日本にどのような影響を与えるのでしょうか?

真壁「プラスとマイナスの面があって、5Gが本格的になってくることは、日本にとっては全体としてプラスになると思ってます。

なぜかと申しますと、基地の建設が本格化すると、設備が必要になってきます。
日本の企業で5Gの機器について、世界規模でマーケットシェアを握っているという会社はあまり見当たらないんですけど、中心になる部材とか部品、素材は日本の企業が強いんですね。

これから中国が生産を増強する時に、部品を全部自分の国で作る能力は、今のところありませんから(日本から調達することになる)。

もう1つは、アメリカが中国から5Gの機器を買わないとしたところで、自分の国では作れませんから、ノキアや韓国・台湾のメーカーから買うことになると思うんですね。
そうすると、部材や部品を全部生産できる能力は必ずしもありませんから、日本からの輸入に頼る。

また、日本は機械を作るためのマザーマシンに強いので、日本企業全体にとってはプラスの方が多いと思います」

どうなる五輪効果

一方、オリンピック・パラリンピックによる経済効果は、これまで施設や道路の建設を行ってきているため、すでにプラス効果が現れているのですが、閉会後はむしろマイナスとなってしまうそうです。

そして、過去の事例から来訪客数はオリンピックが開かれても意外と増えないそうで、お金に余裕が来る人が日本にやってきてお金を使うことは考えられるそうですが、思ったほど効果はないそうです。

そうすると、オリンピックによる押し上げ効果は、そこまで期待できなさそうですね。
(岡本)
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2020年01月05日09時23分~抜粋

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