北野誠のズバリ

アメリカでブームの肛門日光浴、本当に身体にいいの?

2020年01月05日(日)

ライフ・ヘルスケア

大川興業の大川豊総裁は健康のために毎日「肛門日光浴」なるものを実践しているそうです。
この「肛門日光浴」、なんでもアメリカ人のインスタグラムをきっかけに流行の兆しを見せているとか。

12月31日の『北野誠のズバリ 大みそかスペシャル』では、この「肛門日光浴」について、心療内科本郷赤門前クリニック院長、吉田たかよし先生に聞きました。
パーソナリティの北野誠は効果に懐疑的ですが…

肛門日光浴とは?

事の発端は、アメリカ・カリフォルニア州の教育者がインスタグラムで「太陽に肛門を30秒間向けることは、一日中日光を全身に浴びるのと同じくらい健康的」と主張したためです。

女性インスタグラマーがこれに続き、肛門日光浴を実践する人も続々現れて話題となっています。その一人が大川総裁です。

肛門日光浴をしている姿をインスタグラムに上げる人も多く、肛門日光浴専用のハッシュタグ「#buttholesunning」もできています。

日光浴の効果

肛門日光浴の前に、そもそも日光浴にはどんな効果ががあるんでしょうか?

「以前は、紫外線が当たると、シミ、シワ、皮膚がんが出来るので『日光には当たらない方がいい』と言われていましたが、最近は、医学研究で日光浴がいろんな病気の予防になるという論文が次々発表されて、ちょっとしたブームになっているんです」

予防効果が見つかった病気は、大腸がん、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、食道がん、膵臓がん。がん以外には高血圧動脈硬化、糖尿病、関節リウマチ、うつ病、認知症。これらは全て日光浴が予防効果を持つという論文が出てるんだそうです。

「ですから適度に日光に当たる事は健康にいいことなんですね」

では、一日にどれぐらいの日光浴がいいかというと、夏の日本なら普通に生活していれば大丈夫。冬は紫外線が少ないので30分から1時間以上浴びた方がいいんだとか。

肛門日光浴の効果は?

北野「そこで本題なんですが、先生は肛門日光浴ってご存知でしたか?」

吉田「医者の間でやっぱり話題になったんです。アメリカのインスタグラマーが大ブームを起こしてるってことで、知ってる医者は多いですよ」

大川「ほら、嘘じゃないでしょ?オレが無理やりネタにしたと思ったでしょ?」

北野「未だ根っから信じてない。これ、そんなに効果があるんですか?」

この日、番組に出た瞬間から肛門日光浴を絶賛している大川総裁ですが、北野誠はなかなか信じられません。

吉田「活性型ビタミンDが皮膚でできるという点では普通の日光浴と同じです。ただ問題はどれくらいの量の活性型ビタミンDができるか?お尻と顔は、だいたい同じ面積です」

30秒間の肛門日光浴は、30秒間、太陽に顔を向けるのとだいたい同じということになるそうです。

勘違い?

ところが、このブームについてこう語る吉田先生。

「これ、私は誤解だと思います」

30秒間直接日光を当てることが、一日分の日光浴に相当するというのは肛門に限った話だそうです。
考えてみれば、肛門には着替えや排便の時だけしか光が当たりません。その短時間をさらに凝縮して直接当てるとなると30秒になりそうです。

それだけ、肛門は日常では閉ざされています。
日光浴をしても、わざわざ肛門を広げる人はいませんし、肛門日光浴が話題になっているということは、ヌーディストビーチでも、今までに肛門を広げている人もいなかったということです。

「全身じゃなくて、肛門に当たる量だけというコメントを専門家が出しているんですね。最初のインスタグラマーは、全身の一日分だと勘違いしたと思います。だから30秒間の肛門日光浴で合成される活性型ビタミンDは、残念ながら極々わずかな量に過ぎないと思いますね」

実践者の感想

大川「何か内側に入ってくる感じがあるんですけどね。何かこう、身体の内側から温かくなる感じが…」

吉田「実際、アメリカのインスタグラムの反応見てますと、大川さんと同じように肛門日光浴をやってみたら、効果があったという感想がすごく多いんです」

よく眠れるようになった。朝、コーヒー飲まなくても目が覚める。集中力が高まった、などがあるそうです。だからブームが広がったわけです。

そして、こういう効果は全て医学的に説明がつくと吉田先生は言います。

例えばイリノイ大学の研究。屋外で光を浴びながら身体を動かすと、癒しホルモンのセロトニンが増えて、その状態で身体を動かすと、脳の活動バランスが良くなって、しっかり朝、目が覚める、夜はぐっすり眠れるという論文が出ているそうです。

変な動きが脳にいい

吉田「だから肛門日光浴は、屋外で何か変わったことをやるっていうのが効果を持ってると思いますね」

北野「屋外で変わったことをやることが脳の刺激にも繋がってる。自分で良いと思ってるから多幸感も得られるんですね」

吉田「まさにそれです。ニューヨーク大学で、普段やっていない変な動きをさせるという実験をしたんですよ」

北野「人間は、なんでも実験してますね」

大川「凄い実験ですね」

変な動きをすることで、脳の曲差覚という部分が刺激を受けて、ドーパミンが増え、その結果、快感や幸せを感じるそうです。
倦怠期の夫婦が変な動きを一緒にやったら、夫婦仲が良くなったという論文が出ているんだとか。

北野「今の大川総裁みたいに、体にいいぞと思って日光浴をやることは、衰えてきた脳に刺激を与えるという意味ではいいかもしれませんね」

吉田「少なくとも、大川さんのトークを聞いてますと、もの凄く前向きで、言葉の端々に、いまこの人ドーパミン出てるよな、っていう部分があります。大川さんについては100パーセント効いてると思います」

大川「効いてますよ。おっしゃる通りですよ」

肛門は唇と同じ

吉田「ただ、誤解のないように言っておきますが、長時間やりますと、肛門は日光が当たってない部分なので紫外線のダメージに弱く、皮膚がんのできる可能性があります」

30秒や3分ぐらいでは皮膚がんはできませんが、10分を超えると保証はできないそうです。また肛門は通常は隠れている部分。どっちかというと湿り気がある場所です。外気に当てて乾燥することは大丈夫なのでしょうか?

吉田「唇と肛門は組織が非常によく似ています。唇だって冬になったら乾いてひびが入ってきますね」

長時間の乾燥は、唇同様よくないようです。

大川「僕、毎日やってますから、乾燥しないようにリップクリーム買います」

吉田「リップクリームは唇のためにあるんで、肛門にはちょっと刺激が強すぎて、よくないですね。余計なことはしないほうが良いと思います」

逆に1日のうちごくごく短時間、普段から乾かしていると、だんだん皮膚が強化されてくるそうです。

吉田「この点でも3分まではセーフ。でも10分超えたら絶対アウトですね」

肛門の役割り

北野「下からモグサをいぶして、その煙をお尻の穴から吸収するみたいなのあるじゃないですか。あれは健康に効果あるんですか?」

吉田「煙には縮合多環類という物質が入っていて、発がん性を持ってますので、これは大変危険です」

口から入ったものは、いったん肝臓で解毒されてから全身を回ります。
それに対して、肛門からは肝臓を通らずにダイレクトに全身にものを取り入れるため、特に危険なんだそうです。

吉田「みんなお尻から薬を入れるってイヤなんだけど、座薬が何でよく聞くかって言うと、肝臓を通らないでダイレクトに人体に入ってくるから即効性があるんですね」

北野「僕ら、肛門ってそんな役割を果たしてるとは思ってなかったです。やたらめったら肛門を出したらあきませんなあ」

やはり、やたらに出すものではなさそうですね。健康を志すのはいいことではありますが、いろんな意味でご用心を。 
(尾関)
北野誠のズバリ
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2019年12月31日13時09分~抜粋
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