北野誠のズバリ

パワハラの証拠用に録音…逆に盗聴で訴えられる可能性は?

あおり運転や衝突事故のトラブル時に証拠となるドライブレコーダーや、パワハラ・セクハラ発言の証拠となるボイスレコーダーなど、防衛策としてさまざまな記録をしておくことに越したことがないという時代。
しかし、一方で気になるのが、プライバシーの問題です。

『北野誠のズバリ』の1コーナー「ズバリ法律相談室」では、リスナーから届いた法律に関する疑問をパーソナリティーの北野誠と大橋麻美子が紹介し、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が回答しています。

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盗聴は何の罪に問える?

8月28日の放送では、リスナーから届いた以下のような質問を取り上げました。

「ここ最近、何かと騒がれているパワハラですが、ニュース番組で目にする度に、疑問に思っていることがあります。

例えばパワハラに悩む人が、その証拠を集めるために、ボイスレコーダーやスマホのアプリなどで、こっそり日常会話を録音していた場合、これは盗聴にあたらないのでしょうか?
そもそも、会社に無断で録音していたものは、パワハラの証拠として有効なのでしょうか?」(Aさん)

原先生はまず、このケースは2つに分けて考える必要があると語り、1つ目は自分と第三者が話しているものを録音することと、2つ目は全くの他人同士の会話を録音することです。

全く自分とは関係ない人同士で話しているものを録音すると「盗聴」で、自分が話している内容を含めて録音することは「秘密録音」とされ、基本的に違法ではないそうです。

ただし、現在の日本では、盗聴自体を直接禁止している法律はありませんので、その点では、勝手に録音していても逮捕されることはないそうです。

盗聴器を仕掛けるために、勝手に他人の住居に入るなどすると、建造物侵入の罪に問われるということになります。

録音は証拠として有効だが…

かつては日本で不正とされた「おとり捜査」で得た証拠は、裁判で採用されないといったことがありました。

同じように、隠れて録音した物は、裁判では証拠として採用されないのでしょうか?

原先生「証拠になりますね。むしろハラスメントは(証拠が)録音しかないので、重要な証拠になると。もし『訴えたい』『被害に遭っている』という認識があるなら、録音しておいてもらいたいですね」

北野「もし相手が(録音をしていることに)気づいて『録音してるやろ!』って文句を言ってきたら、『合法ですから』って言い切れるんですかね?」

原先生「人間関係はちょっと破綻しますけど、合法ですから」

大橋「夫婦関係は絶対破綻しますけどね」

原先生によりますと、録音することは合法ですので、相手方に録音データを没取する権限もないですし、身体を探られる必要もないとのことです。

ただ、録音が絶対的な証拠かというと、そうとも限らず、例えば無理やり言わされている物を録音しているケースもありますし、都合の良いように編集しているケース、話の流れや言動があるのに、声だけでそこだけ切り取るとハラスメントととられてしまうというケースなどがあります。

最後に原先生は、「その判断は、裁判所も慎重になっていると思います」とまとめました。
(岡本)
 
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2019年08月28日14時12分~抜粋

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