3/5放送の『北野誠のズバリ』、月曜コーナー「松岡亜矢子の地元に聞いちゃうぞ」で取り上げたのは、防災に関する話題。
岐阜県関市には、全国で初めて発足された「消防団のドローン部隊」があります。
結成は今から約2年前の平成27年の12月と聞いて、思わず「早いねぇ」と言葉を漏らしたのはITジャーナリスト・井上トシユキ。
「ドローン出たての頃だね。スゴイね」と興味津々です。
このドローン隊について、関市役所の危機管理課に松岡がお話を伺いました。
なぜ関市にドローン?
そもそも、なぜ関市にドローン部隊が必要なのでしょうか。
「関市が山や川が多い地域になっておりまして、特に川の事故が多発する地域でして。長良川と板取川には、夏に遊びに来るお客さんがたくさんおりまして。毎年溺れて亡くなる方がみえるということで。その方たちを一刻も早く発見して助けたいということで。ドローンがあればすぐ見つかるんじゃないかということで発足した部隊であります」
夏の水難事故の多さが要因の一つ。
さらに深い谷もあり、人力で探すには救助に時間がかかってしまう。
その時間短縮をするにはどうすればよいかと考えた結果が、ドローン部隊の発足であったというわけです。
山火事や水難事故で活躍
主な目的は上空からの情報収集と人命捜索で、現在関市ではドローンを2台保有しているそう。
ドローンのサイズは30センチ×30センチの、ホビー用の一般的な大きさです。
消防団のメンバーは、地元の有志10名と危機管理課の職員1名の計11名。月に2回ドローン操作の練習をして技術を磨き、点検も行っています。
このドローン部隊、結成からの2年間で出動要請は2回。
1件はゴルフ場近くの林野火災で、火の勢いを確認するために出動。もう1件は水難事故で、やはり人命捜索のために出動したそう。
ヘリコプターとの違い
人命救助といえば県の防災ヘリコプターもありますが、ヘリとドローンでは大きな違いがあるといいます。
一体どのような違いなのでしょうか。
「ダウンウォッシュと呼ばれる風で。ヘリコプターは大きいので、どうしても水面に近づきますと、ヘリコプターのプロペラの風で大きく波打ってしまって。捜索している消防隊員も無線が聞こえないですし、実際潜って活動する隊員にも多少影響が出ますので。ヘリコプターにも人を引き上げられるとか良いところはあるんですけれども。ドローンは小さい分風も出ず、音も静かにできますので、消防団も影響なく捜索活動ができるということで、ドローンはドローンなりのメリットがあります」
離着陸時のヘリコプターをイメージすると、確かに水面の波立ちや嵐のような気流が頭に浮かびます。
ああいった状況が原因で、人が見つけづらくなったり、消防団員同士の無線や救助を求める声が聞こえなくなってしまったりするということです。
その点ドローンは静かで、捜索の妨げにはなりません。
「ヘリよりドローンの方がいいですよね。だって、捜索できるんやったらそっちの方が絶対ええやん。人見つけてから、本体行く方がええもん」と、それぞれの利点を生かした使い方をするべきだと北野誠。
さらには、コストがかからないという点。
ドローンを飛ばすためには、もちろん許可や申請は必要ですが、ヘリコプターの免許取得と比べると、比べ物にならないほど安上がりで済むということです。
ドローンのメリット
「平成17年に関市も合併しまして、特に山間部も関市に含まれましたので。地元でなければわからない方もみえると思うんですけれども、上から映せばどの道をどうやって登っていくとか、その辺も分かると思いますので。後から皆さんで知ることができますので、それは本当にメリットの一つかなと思ってます」
地元の人しか知らないようなところでも、しっかりと映像を通して確認できる。
さらにドローンカメラを大型テレビや大型モニターに接続することで、たくさんの目で捜索ができるというメリットがあるそうです。
消防団員の減少が問題となっている昨今。
このような取り組みが増えることで団員の負担が減り、これがひいては団員の増加につながっていくことも考えられるというわけです。
全国の自治体の消防団や消防署から関市への視察に多く訪れており、ドローン部隊は広がりを見せているとのこと。
今後、火災現場や水難事故の現場でドローンの活躍を目にする機会が増えるかもしれません。
「多分これからドローンはこういうことで有効活用絶対されてきますよね」と、その使い道に納得の北野。
「しかもドローン動かすの、AIやったりしてね。どんだけネットやねん、みたいなね」と、ITジャーナリストらしい見解を述べる井上。
「ぜひぜひドローンの活躍、期待していただきたいと思います」と、まとめた松岡でした。
(minto)
※画像はイメージです。
北野誠のズバリ
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2018年03月05日14時46分~抜粋