貧困家庭の問題はあるものの、国全体では食糧が余っている日本。
まだ食べられるのに捨てている食品がどれくらいあるかご存じですか?
10月5日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』のコーナー「SDGsのつボ」では、食品廃棄を減らす様々な取り組みについて取り上げました。
食料は十分あるのに
10月16日は、世界食料デーです。
1945年10月16日の国際連合食糧農業機関 (FAO) の設立を記念し、1981年に国連が制定しました。
この世界食料デーが含まれる10月は「世界食料デー月間」として、様々な啓発活動や食糧問題に関するイベントがおこなわれます。
実は現在、世界中の人が十分に食べられるだけの量の食料が生産されている、と話し始める小高直子アナウンサー。
つボイノリオ「え、そうなん?」
小高「なのに約8億2800万人、およそ9人に1人が飢餓に苦しんでいるんですよね」
この矛盾に、思わず「なんで?」と聞き返すつボイ。
逆に、多くの食料を生産・輸入しているのにたくさん捨てている国もあり、その中には日本も含まれます。
このバランスの悪さが、矛盾を招く原因となっているのです。
廃棄される食料を安く販売
世界では年間約13億トンもの食料が廃棄されています。
この量は世界で年間に生産される、なんと3分の1近い量です。
ちないに日本でも、年間約612万トンの食糧が廃棄されているのです。
日本国民1人当たりに換算すると、毎日おにぎり1個分の食料を捨てている計算になるそうです。
そんな中、まだ食べられる食品を救おうと活動する会社が注目され始めています。
例えば「Kuradashi」というサイトでは、従来ならまだ食べられるにもかかわらず捨てられてしまう食料を、メーカーから協賛価格で提供してもらい、ネット上でお得に販売します。さらに売り上げの一部を、環境保護や災害支援に取り組んでいる様々な団体へ寄付しています。
廃棄される食品には様々な理由があります。賞味期限が近いから、ラベルや箱に破損があったから、季節外れのものだから…
「Kuradashi」のサイトでは、商品それぞれの理由が明記されています。
小高「安心して買えるだけでなく、『こんな理由で捨てられることもあるのか』って勉強にもなりますね」
サブスクやアプリで廃棄をなくす動き
また海の食料廃棄の問題に取り組んでいる会社もあります。
「Fishlle」は、大きさや種類の問題で大きな流通システムに乗せることができない魚、俗にいう「未利用魚」を積極的に買い付けて加工し、冷凍で届けるという取り組みをしています。
毎月その時に獲れた魚を、カルパッチョやみそ漬けなどの食べやすい状態にしてサブスクで届けてくれる上に、パッケージもおしゃれ。
小高「魚屋とかでまったく知らない名前の魚を見ても『どうやって調理するの?』って買うのに躊躇しますけど。こういった理由で市場に出ない未利用魚もたくさんあるわけで、食べやすくおしゃれにして売ってくれるのはいいですね」
他にも、閉店時間や賞味期限の関係で廃棄が近づく食品がある店と、すぐに食べたいという人を結びつける「TABETE」というアプリも登場。
様々な形で「もったいない」を減らす活動をする動きが出てきています。
つボイ「足りない国と余らせて捨てている国の差が激しいのがちょっと悲しいですね」
まずは自分たちが食料を無駄にせず、捨てないところから行動しなければいけないのではないかと締めくくりました。
「SDGs(エスディージーズ)」とは、「誰一人取り残さない」という考えに基づき、誰もが人間らしく生きる環境を作るため、国連で採択された17個の持続可能な開発目標のこと。
『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーは、小高直子アナウンサーが一見難しそうなSDGsについて、わかりやすく説明しています。
(葉月智世)
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2022年10月05日11時34分~抜粋