多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

今や全国区!「大阪弁」について考える

CBCラジオで平日朝に放送されているのが、『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』。

東海地方でアナウンサーの仕事を50年以上勤めてきたパーソナリティの多田しげおですが、実は大阪市出身です。

そこで3月13日の放送では、あらためて多田が自らの原点である大阪弁について語りました。

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大阪弁が全国で浸透

「グローバル化」などと言われる昨今ですが、今でも日本では各地で方言が使われています。

ただ関西以外の地域では、イントネーションは基本的に標準語、共通語に近いものが使われているものの、関西だけはいまだにまったく異なります。

1,000年以上前は京都や奈良が日本の中心でしたが、周りに文化などが波及していくとまったく違う言葉になり、逆に東京が標準となって、関西の方がむしろ亜流となっていきました。

しかし、40年以上前あたりからテレビ番組などによって大阪弁が全国的に広がるようになり、関西以外の方でも特に違和感なく聞かれているようです。

70年代にも笑福亭仁鶴さんや桂三枝(現:六代桂文枝)さんなどが全国ネットの番組で活躍しましたが、80年代初頭に起きた漫才ブームにより関西の漫才師がテレビ番組で活躍の場を広げ、さらに大阪弁がなじみ深くなったといえるようです。

「辛気臭い」の本来の意味

全国的に定着してきた大阪弁ですが、さまざまな言葉も一般化しています。

「しんどい」や「あかん」といった言葉がたくさん浸透してきていますが、中には本来とは異なった意味で伝わっていることも結構あるようです。

例えば関西発祥の「辛気臭い(しんきくさい)」という言葉は、今は語感が似ているからか「陰気くさい」という言葉と同じ意味で使われていることが多いですが、実は意味は微妙に異なります。

辛気臭いというのは、暗くて地味という意味ではなく、もともと大阪弁では「遅々として物事が進まない」、早くしてほしいのにちまちま進めている様子のことを指しています。

例えば、お椀の中に入っている豆粒を1粒ずつ箸で掴んで、別のお椀に移し替えるという行為をしている時、なかなか進まないと「別の袋から直接入れたらいいのに、辛気臭い」と使われます。

「好きやねん」はただの好きではない

関西人はよく「いらち」つまりせっかちと言われるのですが、そのせっかちな気質が、ちまちましていることを「辛気臭い」と表現するのかもしれません。

本来の意味とは異なるので、用法が誤っていると言いたいところですが、多田は「言葉というのはどんどん変化していくものなので、辛気臭いが陰気くさいの意味で使われるのも普通で、変化していっても当たり前かもしれません」と語ります。

また、大阪弁が全国に知られるようになった言葉のひとつに「好きやねん」というものがあります。

標準語でいうと「好きです」なんですが、関西人は「さらに大好き」という意味合いを込めて使っています。

関西を中心に活躍された歌手、やしきたかじんさんの代表曲のひとつに『やっぱ好きやねん』がありますが、「すごく好きなんです」ではニュアンスが伝わらないかもしれません。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2024年03月13日07時39分~抜粋

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