多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

「お土産」の語源、「その土地で産まれた物」だからではなかった!

3月8日は3と8で「みや」の語呂合わせから、全国観光物産振興協会が2000年から「みやげの日」に制定しています。

この日放送のCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が「おみやげ」に関するエピソードを紹介しました。

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おみやげを買いたい心理

旅行の時や誰かの家にお邪魔する時などに買うものが「おみやげ」。
受け取る側からすると、ただ単に物をもらうだけでなく、心遣いを感じることでもあります。

また、おみやげは相手のために買う物ではありますが、自分のためとして思い出や記念として残すためでもあります。
おみやげは英語で「スーベニア」(souvenir)と言いますが、その土地の物を「自分のために買う」ことを指す言葉です。

一方で他人にあげる物は「ギフト」なので、日本語の「おみやげ」には両方の意味を含んでいることになります。

ところで、おみやげを買う時に気になるのが値段と個数。
高い物を買ってしまうと変に気を遣わせますし、安すぎるのもよくないので、ちょうど良い金額の物を選ぶのに悩んでしまいます。
また、職場へのおみやげは、その個数にも頭を悩ませるところ。

日本有数の観光地である奈良の商工会議所が、2019年に「おみやげを買いますか?」というアンケートを取ったところ、日本人は「購入する」が8割でしたが、外国人は半分弱。
逆に「購入しない」と答えた人は日本人ではわずか4%でしたが、外国人は2割以上にのぼっています。

日本人は旅行に行ったら、おみやげを買うことが当たり前の行為になっているようです。

おみやげの語源

おみやげは漢字で「お土産」と書きます。
実はこれは当て字だそうで、その土地で産まれた物を買うことではありません。

語源には諸説ありますが、もともと「宮笥」と書いて「みやけ」という、神社のお札やお供え物を入れる容器から来ているというのが有力な説だそうです。

日本人が旅をするようになったのは江戸時代からで、街道が整備されると庶民も旅をしたいものの、理由がないとなかなか旅ができないという状況でした。

理由づけで多かったのがお伊勢参り(三重県・伊勢神宮への参拝)でしたが、神宮でもらうお札は軽く腐らなかったので持ち帰りやすく、その場所へ行った証拠になるなど、おみやげとしての要素を多く含んでいました。

おみやげで買いたいものは?

その後、おみやげの種類はどんどん増えていき、神社のお札だけではなく暦、薬などが用いられるようになりました。

明治時代に入ると鉄道が開業し、短時間で遠くまで行けるようになったため、腐る心配が少なくなったことで食べ物がおみやげとして扱われるようになりました。

今やおみやげで買う物の8割が食品というデータもありますが、かつては木彫りの置物やペナントが定番でした。

かつてその場所へ行ったことの証明になったお札が、やがて地名入りのペナントに代わり、現在ではご当地キティちゃんなどのキャラクターものへと変わっていますが、各地の物を集めるという別の楽しみも出てきています。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2024年03月08日07時16分~抜粋

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