多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

復活した特別天然記念物トキ、再び減少に?

特別天然記念物の野鳥・トキは、一時絶滅したものの、実はその後人工繁殖などで再び個体数が回復していました。
しかし最近、再び個体数が減ってきていると言われています。いったい何が原因なのでしょうか?

3月6日放送のCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、トキの現状について、環境省佐渡自然保護官事務所、首席自然保護官の篠崎さえかさんに伺いました。

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一時は絶滅の危機

トキの学名は「ニッポニア・ニッポン」といい、まさに日本の鳥です。
明治時代までは日本各地で見ることができましたが、乱獲などにより数が減っていき、2003年に新潟県の佐渡トキ保護センターで最後の日本産トキが死に、絶滅してしまいました。

その後、中国などの協力もあり、人工繁殖などによって再びトキは増えていき、2012年には野生下でトキの繁殖が成功。
トキの生態は新潟の佐渡島以外でも確認されるようになりました。

日本では野生下で500羽ほどが確認できるまでに回復したそうです。

個体数が減っている?

現在は佐渡島で普通にトキが見られるそうで、この日の朝も雨が降っていた中、篠崎さんが出勤される途中に、水田でエサを捕っているトキを見かけるほど日常の風景になりつつあるようです。

再び減っているというのは本当でしょうか?

篠崎さん「野生のトキの数は推定値で出しておりまして、2023年12月末時点の推定が532羽で、2022年12月末時点の545羽より推定値としては減ったように感じるんですけども、あくまでも推定値ですので、減ったのではなくて、昨年から同程度の羽数、およそ500羽を維持していると考えております。

これからも500羽を維持するのか、2023年のみ羽数が増えなかったとかは、来年以降の羽数の推定値を見なければ判断できません」

あくまでも推定値ですし1回減っただけですので、現在、減る傾向にあるかどうか判断するのは早いようです。

トキが減っている原因

せっかく復活を遂げたトキ。再び生息数を減らさないためには、私たちができることはあるんでしょうか?

篠崎さん「野生のことなので、我々がどうこうというのはなかなか難しい話なんです。私たちは年に2回佐渡島でトキを野生に放してるんですが、最近の傾向として、野生に放したトキの生存率が低かったり、野生のトキの雛の巣立ちの数が最近少ないというのがありまして、もしかしたらこれらのことが羽数が増えていないことの原因かなとも考えています」

現在佐渡島にいるトキは、島の中心に集中して生息していて、野外で放すと、すでに野外にいるトキと競争して生きていけなかったり、巣も集中しているために安心して繁殖しづらい状況だそうです。

そこでこの2024年、トキを放す際はあまり同類のいない場所を選び、集中しないようにすることも検討されているそうです。

また、今や佐渡で生まれたトキが新潟県の本州側や福島県でも確認されているそうですが、まだ佐渡以外で繁殖したことは確認できていないのだとか。

篠崎さんは佐渡島に着任して、トキが地元に愛されている鳥だと強く感じたそう。
トキの繁殖には地元住民の協力が欠かせないようです。
(岡本)
 
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2024年03月06日07時21分~抜粋

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