多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

スウェーデンがNATO加盟、バルト海を巡る攻防は?

2月26日、北欧の国スウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)に加盟することが決まりました。

ロシアがウクライナに侵攻した後、フィンランドが2023年に加盟しましたが、これでバルト海沿岸の国はすべてNATOの加盟国になりました。

そこで、CBCラジオの情報番組『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、2月28日の放送でCBC論説室の石塚元章特別解説委員が、バルト海について解説しました。

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バルト海をめぐる

バルト海はヨーロッパの北部にある内海で、南の方にはドイツやポーランド、北の方にはフィンランドやスウェーデンに囲まれていて、わずかながらロシアも沿岸にあります。

四角い世界地図では広く見えますが、実は地中海と比べると6分の1以下しかなく、これは北や南の端の方が大きく表現されてしまうためです。

地球儀で見ると意外と小さいことがわかるのですが、小さい分さまざまな国を行ったり来たりできる海なのです。

浅くて穏やかな海で、西側には大西洋とつながっていますので、貿易やビジネスの要所といわれています。

そのため、昔からさまざまな国が利権を争っていましたが、今回、バルト海沿岸の国々のほとんどがNATOの加盟国となったため、ロシアから見ると大西洋側には出づらくなったというわけです。

スウェーデンの加盟で何が変わる?

今回、スウェーデンがNATOに加盟しましたが、実はスウェーデンはバルト海沿岸にある国の中で、最も強い海軍を持っているといわれています。

先程、バルト海は浅いという話がありましたが、地中海の最も深い所で5,200m、日本海でも3,000m以上といわれていますが、バルト海で最も深い所でも450mほどしかありません。

そこで潜水艦を動かすのは非常に高い技術や能力が必要ですが、スウェーデンは得意とされています。

今回のNATO加盟により、バルト海の辺りは大変なことになってしまうのか、それとも平和が保たれるのかというと、石塚は「ロシア次第」との見方を示しました。

何もされないのにNATO軍が攻めることはありませんが、仮にロシアがNATO加盟国のバルト3国(エストニア・ラトビア・リトアニア)を狙いに来ると、状況は変わります。

今後の世界の勢力図はどうなる?

社会科の授業でNATOは「北大西洋条約機構」と習ったとおり、文字通り条約によって国々が協力しているのですが、条約の第5条に「仲間の国が攻撃されたら、相手を攻撃して守って良い」と書かれています。

もし、ウクライナがNATOに加盟していたらロシアに攻撃しているところですが、バルト3国がロシアに侵攻されたら、NATOの加盟国が総出で仕返しをする可能性があるわけです。

多田は「昔はせいぜいバイキングが荒らしてたぐらいなのに、それが時を経て21世紀は、核兵器を持った国が荒らすかも。軍事的に何かしようとするのは怖いですよね」とコメント。

日本人からすると遠い海であまりピンと来ない場所かもしれませんが、バルト海は今も昔も争いの種となる場所のようです。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2024年02月28日07時17分~抜粋

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